DTドナルド引退後のラムズで自分の道を切り開く新人DLフィスク
2024年07月05日(金) 13:16今オフシーズン、ロサンゼルス・ラムズのメンバーがよく口にする言葉がある。それは、偉大なディフェンシブタックル(DT)アーロン・ドナルドの代わりなど望むことはできない、というものだ。
リーグで過ごした10年の間にドナルドが成し遂げたことを考えれば、それを認めるのはごく自然なことだ。2024年ドラフト2巡目指名のディフェンシブエンド(DE)ブレイデン・フィスクはその意見に全面的に同意する一方で、自分なりの方法でディフェンシブライン(DL)の再強化に貢献する準備を進めている。
フィスクは『Forbes(フォーブス)』紙のDJシディキに「俺は俺でなきゃならない」と語り、こう続けた。
「自分のレガシーを築かないといけないし、それを楽しみにしている。後を引き継ぐという感覚はなくて、自分の居場所を作らなきゃならない。そういうことなんだ。俺はこの一員になれたことにとてもワクワクしているし、誰が彼のポジションを埋めるのかってことがいつも比較されるのは分かっているけれど、誰かがやらなきゃならない」
2021年ドラフト4巡目指名のディフェンシブタックル(DT)ボビー・ブラウン三世と、ルーキーでありながらサック9回を記録してチームをリードした2023年ドラフト3巡目指名のDTコビー・ターナーが、フィスクと並んでこれからのラムズのディフェンシブラインを引っ張っていくことになる。
エッジにはラムズが今年のドラフトで1番最初に指名したDEジャレッド・ヴァースと、2023年にドナルドと並び、チーム内で2番目に多いサック8回をマークしたラインバッカー(LB)バイロン・ヤングが控えており、ラムズのディフェンシブラインは若く有望なグループだ。
ドナルド引退後の時代への移行期に自身の役割を果たす準備の一環として、フィスクは必然的に、ラムズのレジェンドであるドナルドその人と一緒にトレーニングする計画を立てている。
フィスクはドラフトされて以降のドナルドと交わした会話について、「特筆すべきアドバイスはない。トレーニングキャンプ前に、これから数週間の間に一緒にワークアウトをするつもりだ。最高だよ」とコメント。
フロリダ州立大学出身のフィスクは、サックマスターであるドナルドにはほど遠い。フィスクが大学時代に通算58試合でサック19回を記録したのに対し、ドナルドは引退までにサック111回をあげ、1シーズンでサック20.5回を決めたこともある。しかし、フィスクはオールプロ選出8回を誇るドナルドと似たような、トップクラスの運動神経を持つタイプだ。
ある程度のスペースと勢いがあれば、身長約193cm、体重約134kgのフィスクは40ヤード走4.78秒のスピードで恐怖をもたらす、疾風のような存在に変身する可能性がある。フィスクは今年のNFLスカウティングコンバインでその能力を見せつけ、40ヤード走、20ヤードシャトル(4.37秒)、垂直跳び(約85cm)のいずれにおいても、ディフェンシブタックルの中でトップの成績を収めた。
ラムズがルーキーイヤーにフィスクをどのように、どれくらいの頻度で起用するかは、トレーニングキャンプが進むにつれて明らかになるだろうが、フィクスはインパクトを残すための準備に勤しんでいる。ラムズのオフシーズンプログラムを初めて体験したフィスクは、自分がかつて思っていた以上に良くなれるとすでに感じており、次のようにコメントした。
「成長の余地はたくさんある。自分の限界は大学を卒業したときよりも、さらに上にあると思うんだ。ここに来て、プロと一緒に仕事をすると、自分のプレーをどこまで高められるかが見えてくる。周りの選手と比較して、自分の限界は思っていた以上に高いと感じている。このゲームをどこまで持っていけるか、このキャリアをどうやって築いていけるかを見ているだけなんだ。もっとうまくなること以外には、初日からはっきりとした目標みたいなものはない。言ったように、この一員になれたことに感謝している。次の1年でどれだけ成長できるかとてもワクワクしているよ」
【KO】