QBマレーが“MVP級のシーズン”を送ることに自信を示すカーディナルスTEマクブライド
2024年06月26日(水) 16:56クオーターバック(QB)カイラー・マレーが健康な状態でオフシーズンを過ごしている今、アリゾナ・カーディナルスには好機が到来しつつあるのだろうか?
カーディナルスのタイトエンド(TE)トレイ・マクブライドは現地25日(火)に『NFL Network(NFLネットワーク)』の“The Insiders(ジ・インサイダース)”に出演した際、オフシーズンプログラムでカーディナルスのスターQBであるマレーとともに過ごした経験から、マレーが2024年にMVP級のパフォーマンスを再び発揮できるようになると確信していると語り、アリゾナの盛り上がりぶりに拍車をかけた。
マクブライドは「彼と一緒にプレーするのは今年で3年目だけれど、これまで以上にやる気に満ちているように見える」と話し、こう続けている。
「彼はみんなをまとめるタイプで、毎週末に一緒にキャッチボールをしているし、みんなを集めている。彼はビルに一番乗りして、最後に出て行くんだ。何事も正しい方法でやるタイプの選手だ」
「彼がこんなに自信に満ちあふれているのを見たのは初めてだ。今年は俺も彼も完全に健康な状態でシーズンを迎える初めての年だし、すべてが順調に進んでいると思う。彼には多くの武器がそろっているし、 MVP級のシーズンを達成できると確信しているさ」
マレーがMVP級の才能を持っていることを証明したのは、そう遠い過去のことではない。それは2021年シーズンのことであり、当時、カーディナルスは7勝0敗という好スタートを切ったものの、マレーがシーズン途中にケガを負ったことで勢いを失っている。その後、チームはプレーオフ進出を果たしたものの、マレーとカーディナルスが魔法のようなパフォーマンスを取り戻すことはできなかった。その苦戦は翌シーズンにも続き、マレーがシーズン途中にACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)断裂によって離脱したことで、カーディナルスは4勝でシーズンを終えており、最終的にチームの体制変革につながった。
マレーはオフシーズンをその膝のケガからの回復に費やしたものの、2023年シーズンの第10週までチームに復帰することはできなかった。残りの8試合に出場したマレーは1,799パスヤードと、合計タッチダウン13回(パスで10回、ランで3回)をマークし、カーディナルスを3勝5敗に導くと同時に、勝利数を3倍に増やした。昨シーズンの終盤には進展を見せていたカーディナルスだが、マレーが絶好調なスタートを切った2021年シーズン序盤の無敗記録以来、連勝を達成できていない。
その一方で、2023年にパスキャッチャーとして成長したマクブライドは、カーディナルスの新たな失われた年における明るい兆しとなった。マクブライドは2年目のシーズンでチーム最多となるレシーブ数(81回)とレシーブヤード(825ヤード)を記録。手元にそろっているオフェンスの武器を考慮に入れれば、マレーには2024年に完全復活する大きなチャンスがあると、元ドラフト2巡目指名選手であるマクブライドは信じている。
マクブライドは「本当にたくさんの武器がそろっているんだ」と強調し、こうつけ加えた。
「このチームにはプレーを作り出せる選手がたくさんいる。ドラフト全体4位で指名されマービン(ハリソン)は本当に規格外の選手だ。彼はたくさんのカバーを引きつけるだろう。それに、(グレッグ)ドーチやマイケル・ウィルソン、ゼイ・ジョーンズ、俺、ジェームズ・コナーといった選手がいる。このオフェンスには爆発的なプレーを生み出せる選手がたくさんいるんだ。フィールドに出て、コーチ陣が俺たち全員をどう使うか、見るのが楽しみだ」
マレーには攻撃コーディネーター(OC)ドリュー・ペツィングのシステムで1年間経験を積んでいるという恩恵もあり、マクブライドのオフェンスへの信頼はさらに高まっている。
マクブライドは「彼は素晴らしいコーチだと思う。相手ディフェンスを攻略して、選手をオープンにするのがとてもうまいんだ。彼のオフェンスの組み立て方や、試合の進め方は本当に頼りになる。彼が何をしてくれるのか、何をしようとしているのかがはっきりと分かるんだ。カイラーが言ったように、とても賢いコーチ——彼は正確には天才だって言っていた——だけれど、俺も彼は最高だと思うよ。彼はいろんな方法で選手をオープンにさせることができる。彼の下でプレーするのは本当に楽しい」とコメント。
『NFL ネットワーク』のジュディ・バティスタは、マレーを2024年シーズン開始前のダークホースMVP候補として挙げている。カーディナルスの見通しは間違いなく、マレーが大きな膝のケガを乗り越えて、どれだけ活躍できるかにかかっている。マクブライドもマレーの復活に貢献するために自分の役割を果たしており、マレーの復活が実現すれば、カーディナルスは来たるシーズンでダークホースから優勝争いに加わるチームへと一気に変貌するはずだ。
マクブライドは「俺たちはタフでフィジカルなフットボールチームだし、誰も俺たちを無視できないと思う。正直、俺たちはまだ正当に評価されていないと思うけれど、注目されていないのも悪くない。誰も俺たちが何かを成し遂げるとは思っていないからね。俺たちは本当にいいチームで、オフェンスも最高だと思うし、このチームが今年どこまで行けるかすごく楽しみだ」と語った。
【KO】