かつてビルズ加入を目指したゲイブル・スティーヴソンが待望のUFCデビューへ
2026年07月10日(金) 16:00
米国史上最も多くの栄誉に輝いたアマチュアレスラーの1人であるゲイブル・スティーヴソンは、総合格闘技の世界でも頭角を現すと見られていた。
スティーヴソンはまさにその一歩手前まで来ている。現地11日(土)にラスベガスのT-Mobileアリーナで行われる、UFCファイトウイークの目玉となるUFC 329:マクレガー vs. ホロウェイ2のアンダーカードで、スティーヴソンはイライシャ・エリソンとの3ラウンド制ヘビー級タイトルマッチで待望のUFCデビューを果たす。
大きな注目を集めるコナー・マクレガーとマックス・ホロウェイによるメインイベントの前座で戦うことは、多くの人々がUFCヘビー級王者になる運命にあると信じている新星のスティーヴソンにとって、その才能を見せつける絶好の舞台となるだろう。
スティーヴソンは2024年春に多くの人を驚かせるキャリア転向を決断した。24歳にして初めてヘルメットをかぶり、人生初となるフットボールに挑戦し、バッファロー・ビルズと契約したのだ。もちろん、最終ロースター入りを果たせず成功には至らなかったが、この出来事はスティーヴソンがどれほど驚異的なアスリートであるかを示す一例となり、土曜夜のデビュー戦への期待感をさらに高めている。
スティーヴソンは今週のUFCメディアデーで「これは常に計画していたことだった。最初からこの計画で始めるべきだったんだろう。でも、いろんなことが起こるものだ。ある状態に陥ることもあれば、いくつかのつまずきを経験することもあるけど、そこから抜け出すために努力しなきゃいけない」と話している。
NCAAディビジョンIで2度の全米制覇、ビッグ・テンで4度の優勝を果たし、2020年夏季五輪のフリースタイルレスリングで金メダルを獲得したスティーヴソンは、最初にワールド・レスリング・エンターテインメント(WWE)に加入した。それがうまくいかなかったことを受け、ミネソタ大学出身のスティーヴソンは高校時代にフットボールをプレーした経験すらないにもかかわらず、2024年5月にディフェンシブラインマン(DL)としてビルズと契約した。
当時、ビルズのヘッドコーチ(HC)を務めていたショーン・マクダーモットはスティーヴソンを見た際に「いくつか思うことがあり、その中で私はレスラーという存在と、レスリングで培ったスキルが優れたフットボール選手になるうえで助けになるということを信じている。特にオフェンシブラインやディフェンシブラインといったポジショングループではね」と述べていた。
「これまで一度もフットボールをしたことがない――高校ですらやっていなかったというのは少し変わっている。少し特殊なケースであり、何もないところから、ゼロからやり始めて毎日少しずつ積み上げていくという意味では、やるべきことが多くある」
スティーヴソンが初めて臨んだフットボールの試合は、ビルズの2024年プレシーズン初戦だった。その試合では14スナップに参加し、タックル1回とQBプレッシャー1回を記録。プレシーズンの3試合に出場したスティーヴソンのNFL選手としての成績は、タックル3回、QBヒット2回にとどまっている。
とはいえ、スティーヴソンは強い印象を残した。その評価は新たなヘッドコーチであるグレッグ・ジャクソンにも伝わっている。ジャクソンはMMA史上最も高く評価されているトレーナーの1人であり、これまでにラシャド・エヴァンス、カルロス・コンディット、ホリー・ホルム、ジョルジュ・サンピエール、ジョン・ジョーンズといった元UFC王者を指導してきた。
ジャクソンはドキュメンタリーシリーズ“UFC Embedded”で「ファンには、彼に何ができるのか、ぜひ注目してもらいたい」とコメント。
「彼はすでにレスリングのヘビー級でオリンピックの金メダルを獲得している。それがどれほど難しいかは、言葉では言い表せないほどだ。彼の限界はどこにあるのか? 何を成し遂げられるのか? どんなことができるのか? 私はこのスポーツで最高峰のファイターとたくさん仕事をしてきたが、彼の身体能力は前代未聞だと言える。物事の捉え方、知性の高さ、指導を受け入れる能力もね。彼にどれほどの可能性があるかを知るために、今すぐ注目すべきだ。彼はこのスポーツの定義そのものを変える存在になるかもしれないからね」
ジョーンズの兄アーサーと弟チャンドラーは共にNFLでプレーしていた経歴を持つ。ジョーンズは現在、スティーヴソンのキャリアに深く関わっており、そのキャリアは土曜日に次の――そして最大の――一歩を踏み出すことになる。
スティーヴソンがビルズでプレーする可能性は低いと見られていた。しかし、26歳のスティーヴソン(3勝0敗)は土曜日、エリソン(5勝2敗)との試合に圧倒的な本命として臨む。
スティーヴソンは周囲の期待やプレッシャーから逃げることなく、むしろ受け入れている。それができるのは、レスリングで金メダルを獲得し、何の経験もない状態からNFL選手になることを目指した、世代を代表するアスリートだからこそなのかもしれない。過去3回のMMAの試合ではいずれも1ラウンドで勝利を収めており、ケージタイムは合計でわずか5分52秒にとどまっている。
「これは自分が思い描く通りの試合になるだろう」とスティーヴソンは語った。
「ゲイブル・スティーヴソンのショーになる。自分が登場したときに、誰もがこの試合に注目し、俺の圧倒的な勝利と支配的なパフォーマンスを見たいと思ってくれることを願っている」
現時点では、MMAでの試合時間よりも、ビルズの一員としてプレシーズンゲームに出場した時間の方が長いかもしれないが、いずれそれは変わるだろう。アメリカ史上最高のレスリング選手の1人となった後、約2年前にニューヨーク州西部でトレーニングキャンプに備えていたスティーヴソンは今、UFCを席巻する準備を整えている。
「人生を通じて大きな舞台に立ってきた」と語ったスティーヴソンは「自分にとってはいつもと変わらない1日だ」と続けた。
【RA】



































