ニューヨーク・ジャイアンツの新ヘッドコーチ（HC）探しに幕が下りた。

彼らはバッファロー・ビルズの攻撃コーディネーター（OC）ブライアン・ダボールを次のHCに選んだと『NFL Network（NFLネットワーク）』のイアン・ラポポートが現地28日（金）、報告した。その後、チームより発表があった。

ダボールは、21日（金）にジャイアンツの新ジェネラルマネジャー（GM）に就任したばかりのジョー・シェーンと再タッグを組むことになる。シェーンはこれまで4シーズンにわたってバッファローでアシスタントGMをしていた。

「ニューヨーク・ジャイアンツのヘッドコーチに選ばれるというのは名誉なことであり、光栄だ」とダボールはチーム公式サイトで述べた。「私を信じてくれたジョー・シェーンに感謝したい。そして、このポジションを任せてくれたジョン・マーラとスティーブ・ティッシュ、彼らのファミリーに感謝している。私の最初の目標はコーチングスタッフを集めることだ。指導と協力を重視し、選手たちが最も力を発揮できるポジションに入ることを確実にし、最終的にゲームに勝つための強力なスタッフが必要だ。われわれは皆、そのためにこの仕事をしている。指導し、成功を収め、才能を伸ばし、そして勝つ。現在、ファンベースが抱いている気持ちはおおむね理解していると思う。皆さんがサポートすることを誇れるようなチームにし、われわれ全員の欲する結果が得られるようなチームにできるよう、全力で取り組むことを約束する」

ダボールはNFLで21シーズンにわたるコーチング経験を持って初めてのHC職に就く。46歳の彼はビルズのショーン・マクダーモットHCの下で過去4シーズンOCを務め、NFL屈指のダイナミックなオフェンスを作り上げるとともに、ジョシュ・アレンをリーグ内でもトップクラスのクオーターバック（QB）に育て上げた。『NFL Research（リサーチ）』によると、ビルズのスコアリングオフェンスは過去2シーズンの両方でトップ3に入っているといい、1試合平均29.8点を挙げているという。彼らは2021年に2年連続でAFC東地区のタイトルを獲得したが、ディビジョナルラウンドでカンザスシティ・チーフスに敗れて姿を消した。

「何人かの素晴らしいコーチたちと面談を行い、その全員がこのリーグで現在のポジション、またヘッドコーチとしてさらに多くの成功を楽しむことだろう」とシェーンは述べた。「とはいうものの、われわれ――私とオーナーシップ――は全員そろって、ブライアンがわれわれのヘッドコーチにふさわしい人物だと感じた。過去4年間にわたり、私はこの目でリーダーとしてのブライアンの強さを見てきた。彼は素晴らしいコミュニケーターで、知的で革新的、そして勤勉家だ。ブライアンの誠実で魅力的な人柄は新鮮な空気をもたらすだろう。彼は周りの選手やコーチたちと良い関係をはぐくむことができる。そのビジョンは進歩的で、協力を大切にする。それはわれわれが不可欠と考える2つの特性だ。ブライアンとパートナーを組めることを非常にうれしく思っており、州のこちら側に彼と彼の家族を歓迎する」

オフェンス面で優れた才能を持つダボールは、リーグ内でコーチ候補として引っ張りだこだった。マイアミ・ドルフィンズも空席となっているHC役としてダボールに目をつけていたとNFLネットワークのトム・ペリセロは伝えている。ダボールはアラバマ大学で1年だけOCとQBコーチを務めた2017年に、ドルフィンズのQBとなったトゥア・タゴヴァイロアを指導してナショナルチャンピオンに輝いている。同じくHCを探すニューオーリンズ・セインツも彼に面談を申し入れていたとペリセロは付け加えた。

ニューヨーク州ウェストセネカ出身のダボールは、NFLリサーチの統計によると過去2シーズンを合わせてスコアリング（1試合平均16.3点）とトータルオフェンス（1試合平均293.3ヤード）で最下位のジャイアンツを率いることになる。ジャイアンツのHC職をめぐって面談に臨んだOCはダボールだけで、攻撃力の改善が最優先事項とされている。

デュアルスレットということに関しては、ジャイアンツのQBダニエル・ジョーンズとビルズのアレンに類似点はあるかもしれない。だが、4年目を迎えるジョーンズには疑問も残る。ジャイアンツの武器はQBを囲むポジションだ。スターランニングバック（RB）セイクワン・バークリーはもう一度エリート級のシーズンを切望しており、ビッグプレーを生むワイドアウトのケニー・ゴラデイとカダリウス・トニーはニューヨークでの初シーズンを終えてさらなる印象を残そうとしている。

ダボールは11日（火）に解雇されたジョー・ジャッジの後任だ。ジャッジはHCとしての2年間で10勝23敗に終わった。ジャイアンツはジャッジを含め、3人のHCを任期2年以内で立て続けに解雇している。

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