ダン・クインは3年を経て再びNFLのチームを率いる機会を得た。今回はそのチャンスを無駄にするつもりはないようだ。

ワシントン・コマンダースが次期ヘッドコーチ（HC）としてクインを採用すると発表してから初めて報道陣に対応したクインは、自身のコーチ歴を振り返り、以前に学んだことを2度目のチャンスに生かそうと決意を新たにしている。

クインは「ネタバレになるが、皆さんは私がしばしば“自分の足がついているところにいなさい”と言うのを聞くことになるだろう。実は、私はそれを口にしないようにしながら実践しようとしていて、1つの例外を除いては、それにかなり長けている。ここ数年、私の足と頭を試した5つの単語がある。それは“’If I get another shot（もしまたチャンスを手に入れたら）”だ」と述べている。

「コーチとしてそのために準備し、勉強する。学べない教訓もあれば、実践するしかない教訓もある。時には成功を通して、またある時には逆境を通してそれを得る。だが、一度そういう教訓を得たら、あとはそれを自分のものにして実行するだけだ。そして、それを証明するのだ」

「だから、こう言わせてほしい。私は実行して証明する準備ができていると。死ぬ気で実行する。少し年をとり、実績を積み、それから少し賢くなっているといいなと思っている。それと同時に、私の足がここに来るように仕向けてくれたすべてのことに信じられないほど感謝してもいる」

2015年から2020年にかけてアトランタ・ファルコンズのヘッドコーチを務めていたクインは、就任2年目にファルコンズを第51回スーパーボウルに導いた。しかし、翌シーズンには再びプレーオフに進出したものの、その後は下降線をたどり、2020年シーズンを0勝5敗でスタートさせたことを受けて解雇されている。

厳しい経験ではあったが、クインはアトランタにいたときに自分がやったことをすべて見つめ直し、そこから学ばなければならなかったからこそ、コーチとしてより強くなれたのだと認めている。そして、ダラス・カウボーイズの守備コーディネーター（DC）として3年間、新しいアプローチを試したクインは、ヘッドコーチとして成功する能力が自分にあることを確かめるのを楽しみにしている。

「時間は戻せないが、教訓は得なければならない。それがアトランタを去るときに確かめたかったことだ。当時はシーズンの真っ最中だったから、振り返る時間があった。孤独で、不甲斐なく、気が滅入ることだが、誰もただ同じことを繰り返したくはないはずだ」と語ったクインは「あなたは私がどうやってそれを受け止め、変えるかを確かめてから、またそれを証明できるかを確認したいだろう。それが今回、希望の兆しとなった。3年前、4年前、5年前の自分より、今の自分の方が良い状態だ。私はそれを証明することができた」と続けた。

次のチャンスを探す中で、クインは行き先にこだわることが重要だと分かっていたと話している。昨年のヘッドコーチ採用サイクルでは自ら候補から外れたものの、今年はコマンダースの面々と話すうちに、自分がその文化や人々に完ぺきにフィットすると気づいたのだと明かしたクインは、次のようにコメントした。

「経験があるコーチとして来てみて、自分が何を求めているのかが分かった。初めて経験するときには、まずはそれをつかみに行き、受け止めなければならないと思う。経験がある状態だったら、まさに自分がやりたいように、それを調整できるようにしたいものだ。つまり、それこそ私が求めていたことだった。それを見つけられなかったら、やるつもりはなかったからね」

「だから、この機会が訪れたときには“呼んでください”となった。なぜなら、他とは違っていたし、このフランチャイズはNFLに歴史的な足跡を残しているからだ」

オーナー、フロントオフィス、コーチングスタッフ――クリフ・キングスベリーを攻撃コーディネーター（OC）とし、ジョー・ウィットJr.を守備コーディネーターとした――が新しくなるという、組織全体が入れ替わっている時期に、クインはコマンダースに加わった。クオーターバック（QB）ポジションに疑問符がつき、ディフェンスが2023年シーズンに最下位に沈んだコマンダースには、ロースターを大幅に構築し直すための、十分なキャップスペースやドラフト全体2位指名権がある。

クインが再びヘッドコーチとしてサイドラインに立つまでには、多くのステップと決断が必要だ。しかし、その挑戦に意欲的な態度を見せているクインは、そのチャンスを逃すことはないと見込んでいる。

「優秀な人たちと難しい仕事をすることほど楽しいことはない。ここにいる人たちは本当に優秀だ」と強調したクインは「ここで仕事するのが待ちきれない。私たちは全力で取りかかるつもりだ。やるべきことはたくさんある。この瞬間を待ちわびていたと皆さんにはお伝えしておきたい」と続けた。

【RA】