カンザスシティ・チーフスがスーパーボウル制覇をけん引したトリオを長期にわたって維持しようとしている。

現地22日（月）夜、チーフスがヘッドコーチ（HC）アンディ・リードとジェネラルマネジャー（GM）ブレット・ヴィーチ、マーク・ドノバン社長の契約を延長したと発表した。

『NFL Network（NFLネットワーク）』のトム・ペリセロによると、リードHCは新契約で2029年シーズン末までチームにとどまり、NFLで最も高給取りのコーチになるとのことで、ヴィーチGMの契約期間も2029年シーズン末までになるという。

チームが発表した声明で、リードHCは「この歴史あるフランチャイズを率いる機会を与えてくれたクラーク（ハント、会長兼CEO）とハント家の皆さまに信じられないほど感謝している」と述べ、こう続けた。

「この11年間、タミー（リードHCの妻）と私はカンザスシティを故郷と呼ぶことを楽しんできた。このコミュニティは私たちを受け入れてくれ、私たちは家族の成長を見守り、ここにいる間に12人の孫に恵まれた。フィールドでは、多くの人々が私たちの成功とスーパーボウル出場に貢献してくれた。このプロセスに時間を費やしてくれた選手、コーチ、スタッフに感謝している。代理人のボブ・ラモンテにも感謝したい。チーフス・キングダムは特別な場所であり、私はここにいる機会に恵まれている」

リードHC、ヴィーチGM、ドノバン社長のトリオは2017年からチーフスを形作るのに貢献し、これまでに3度、チームをスーパーボウル制覇に導いている。

また、彼らは3人の体制になってから、チーフスのトロフィーケースに3つのロンバルディトロフィーを加えただけではなく、チームがレギュラーシーズンとポストシーズンで合わせて100勝34敗を挙げ、7年連続となるAFC（アメリカン・フットボール・カンファレンス）西地区制覇を成し遂げることを後押ししているほか、AFCチャンピオンシップゲームに6年連続で出場して、そのうち4回で勝利するという信じられない成績をもたらしている。

ハントは声明で「マーク、ブレット、アンディはともに歴史的な成功を収めてきた。彼らが今後何年もその役割を続けてくれることに感激している」と述べている。

「マーク、ブレット、アンディはそれぞれのポジションでナショナル・フットボール・リーグを代表する存在であり、彼らは共にプロスポーツ界屈指のリーダーシップチームを構成している。フィールド内外で、彼らはこの組織の素晴らしいリーダーであり、これからの数年間でも彼らが成功し続けることを楽しみにしている」

チーフスは前回のスーパーボウルで延長戦の末にサンフランシスコ・49ersを下したばかりだ。

大一番を前にして、現在66歳のリードHCには引退の可能性に関する質問が殺到していた。スーパーボウルの前も後も一貫してチームにとどまると言い続けていたリードHCは今や、71歳で臨むシーズンまで契約を結んでいる状態だ。

フィラデルフィア・イーグルスのヘッドコーチとして歴代最多勝利数（130勝）を誇るリードHCは、2013年にチーフスに加入してすぐに成功を収めている。

リードHCは就任初年度にチーフスを11勝5敗に導いた。リードHCの下でチーフスは毎年、勝ち越しており、プレーオフ進出を逃したのはわずか一度だけだ。そうした中で、チーフスにおける通算勝利数でも歴代トップとなっているリードHCは、128勝51敗という素晴らしい成績と共に2024年シーズンを迎えようとしている。

クオーターバック（QB）パトリック・マホームズとのコンビは、NFL史上最も素晴らしいHCとQBのコンビとして語り継がれるだろう。そんなオフェンスの名手であるリードHCは、リーグの歴史の中でスーパーボウル制覇を3回以上経験した5人のヘッドコーチのうちの1人であり、ポストシーズンを含むキャリア通算勝利数（284勝）では歴代4位となっている。

2004年にリード率いるイーグルスのコーチングインターンとしてNFLでのキャリアをスタートさせたヴィーチは、2017年にチーフスのジェネラルマネジャーに就任し、リーグで最も成功したロースターの編成に最前線で携わってきた。

チーフスでの在籍期間が最も長いのはドノバン社長だ。現在58歳のドノバン社長は2009年にチーフオペレーティングオフィサー（COO）として入団し、その2年後にチームの社長に就任している。

ラスベガスで第58回スーパーボウルを制するという栄光をつかんだチーフスは、スーパーボウルで4回優勝した7番目のNFLフランチャイズとなった。そのうち3回はドノバン社長、リードHC、ヴィーチGMが指揮を執る中で成し遂げている。

チーフスは王朝を築き上げ、ハントはその設計者たちがしばらくの間、どこにも行かないようにしている。

【RA】