ニュース

ブレイディがレイダースのオーナー権取得を目前に解説者デビューを果たす

2024年09月09日(月) 12:20


トム・ブレイディ【NFL】

NFLのレジェンドで、現在『FOX』の解説者として活躍する元クオーターバック(QB)トム・ブレイディが、ついにNFLでの経歴にリミテッドパートナーという新たな肩書きを加える日が近づいている。

東部時間8日(日)16時25分、ブレイディはナンバー1実況アナウンサーのケビン・バークハートとともに、ダラス・カウボーイズ対クリーブランド・ブラウンズの試合中継でテレビデビューを飾った。ニューイングランド・ペイトリオッツとタンパベイ・バッカニアーズでスターQBとして活躍したブレイディは、ラスベガス・レイダースの株式10%を取得する入札がようやく承認に向かっていることを知りながら、放送ブースに座っていたようだ。

関係者によると、ブレイディのリミテッドパートナーとしての承認は、早ければ10月にもリーグオーナーによる投票で可決される見込みだという。ただし、最終決定が12月に開催される労働セミナーや特別リーグ会議にまで持ち越される可能性もあるとのこと。いずれにせよ、2024年シーズンが終わるまでには、承認が完了する見通しだ。

現在、この案件はNFLの財務委員会によって審査されている。

これで、ブレイディにとっての長きにわたるプロセスに終止符が打たれることになるだろう。当初、ブレイディは2023年5月に購入が完了すると思っていたが、それ以降、1年以上にわたってNFL財務委員会による審査が続き、ブレイディに売却される株式の評価額について懸念が浮上していた。今年2月にブレイディが支払う金額が潜在的な市場価値に合わせて引き上げられ、3月にNFLコミッショナーのロジャー・グッデルが「進展している」とコメントしている。

グッデルは3月の年次リーグミーティングで、「初回の株式譲渡に関しては、どのケースも非常に厳密なプロセスを経ている。今回もそのプロセスに従っているに過ぎない」と説明した。

レイダースのオーナーであるマーク・デイビスは『NFL.com』に対し、「今はコメントすることはない」と述べる一方で、日曜日に行われたロサンゼルス・チャージャーズとの開幕戦に対する興奮を語った。

この件に詳しい情報筋によると、ブレイディの持ち分の評価額やFOXの解説者としての役割に関する問題はすでに解決され、現在はかなり前向きな状況にあるという。すべての関係者がブレイディの持ち分の評価額に満足していることから、ようやく財務委員会の審査からオーナー投票に進む準備が整ったとされる。オーナー投票では4分の3の賛成が必要となる。

一方、ブレイディはFOXでの放送業務を行うにあたり、活動範囲に制限がかかることを承知の上でレイダースの株式を取得することになる。ブレイディには、他チームの施設への立ち入り禁止、練習見学の禁止、そして制作ミーティングへの参加禁止といった制限事項が科される。ただし、制作チームの他のメンバーはミーティングに参加することが許されている。

通常、制作ミーティングは解説者がチームの内情をつかむための重要な場だが、ブレイディはその機会を制限されることになる。また、ブレイディは公の場で審判を批判することも禁じられているが、批判と分析の線引きには解釈の余地が残る。

ブレイディは解説者としてFOXに出演するまでの1年間、非公式に数々の試合を解説しながらそのスキルを磨いてきた。ブレイディの解説者デビューは、ここ数年で最も注目されるデビューのひとつと言えるだろう。

【R】