現地13日（金）の朝、マイアミ・ドルフィンズのヘッドコーチ（HC）マイク・マクダニエルは記者団に対し、木曜夜に行われたバッファロー・ビルズ戦で脳しんとうを起こしたクオーターバック（QB）トゥア・タゴヴァイロアの復帰時期を定めるつもりはないと語った。

復帰時期についてマクダニエルHCは「まったく分からない」と述べ、タゴヴァイロアにそのようなプレッシャーをかけたくないのだと明かした。

マクダニエルHCは「まず何よりも、私はこのケガを“さて、これで彼がプレーすることにどう影響するか？”という視点で評価していない」と話し、こう続けている。「本当に大事なのは、彼が日に日に健康を取り戻すことだと理解しているし、私ができる最善のことは、このケガがフットボールの観点で何を意味するのかを考えないようにすることだ」

木曜夜、ドルフィンズが第3クオーターで31対10とビハインドの状況で、タゴヴァイロアは第4ダウンでスクランブルして6ヤードを走った後、ビルズのセーフティ（S）ダマー・ハムリンに頭から衝突。その場に崩れ落ちたタゴヴァイロアの元にドルフィンズの医療スタッフが駆けつけたが、タゴヴァイロアは自力で歩いてフィールドを後にした。脳しんとうと判断されたタゴヴァイロアはすぐに試合から除外されている。

タゴヴァイロアは過去にも複数回脳しんとうを起こした経歴がある。2022年シーズン中、タゴヴァイロアは脳しんとうの影響で5試合を欠場しており、その中にはポストシーズンゲームも含まれている。2022年シーズン第4週にはシンシナティ・ベンガルズとの対戦中にフィールドから担架で運び出され、続く2週間を欠場。その年のクリスマスには、グリーンベイ・パッカーズ戦で再び脳しんとうを起こし、最終的にそのシーズンの残り全試合を欠場している。

マクダニエルHCは、現段階ではタゴヴァイロアには父親としての役割に集中し、フットボールのことは心配しないでほしいとコメント。タゴヴァイロアが過去にも脳しんとうを起こしていることを考慮すると、先月に4年2億1,240万ドル（約299億1,547万円）の延長契約にサインした26歳のタゴヴァイロアが引退を考える可能性があるか、と尋ねられたマクダニエルHCはその件についての推測を避け、次のように述べた。

「私がその話題に触れること自体、間違っていると思う。それよりも大事なのは、彼のことを1人の人間として気にかけることだ。君が言っているのはもっぱら、彼のキャリアに関することだろう？　彼のキャリアは彼自身のものだ。彼の将来について話題にすることは、彼のためにはならない。本当に彼のことを気にかけているなら、そんなことは最後に考えるべきだと皆さんにお願いしたい」

「私は心配し、配慮しているからこそ、それは適切ではないと思う。そのように誰かのキャリアなどについて話すのも適切ではない。キャリアのことはその人自身が決めるべきだと思う」

マクダニエルHCは金曜日に、現時点ではタゴヴァイロアが故障者リザーブ（IR）入りするかどうかは分からないと述べたが、少なくとも1試合は欠場するだろうと予想した。

「次の試合で（トゥアが）プレーできるとは思えない。そうなるとは思えないが、私はそれを知っていたり、判断したりする立場ではないからね。ただ、繰り返しになるが、現時点で確かなことは何もないし、急に私がそうした判断を下し始めることもない。その（決断を下す）最も重要な部分に、自分が関わることさえないだろう」

マクダニエルHCはタゴヴァイロアが少なくとも1週間、場合によってはさらに長期にわたって欠場すると予想していることから、ドルフィンズは2022年にレギュラーシーズン2試合とワイルドカードラウンドでの敗戦時に先発を務めたバックアップQBのスカイラー・トンプソンに指揮権を渡すことになる。トンプソンはプレシーズン中にマイク・ホワイトを抑えてバックアップQBの座を勝ち取った。

ドルフィンズは、練習生としてQBティム・ボイルを確保している。マクダニエルHCはドルフィンズがいずれ3人目のクオーターバックをアクティブロースターに加える可能性があることも明かし、次のようにコメントした。

「現状を最も適切に説明するなら、チームと組織はスカイラーに大きな信頼を寄せており、彼がわれわれのバックアップクオーターバックだったのには理由がある、ということだ。そうは言っても、誰かをチームに加える予定ではいる。われわれはさまざまな状況の長所と短所を評価し、チームにとって最善の選択をするために、あらゆる可能性を検討している。だが、今のところはスカイラーが次に出場する選手だと考えている」

【KO】