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スロースタートを切るも、“ターゲット数などにこだわっていない”とチーフスTEケルシー

2024年09月26日(木) 12:36


カンザスシティ・チーフスのトラビス・ケルシー【AP Photo/Doug Benc】

カンザスシティ・チーフスのスタータイトエンド(TE)トラビス・ケルシーは今シーズン、低調なスタートを切っている。

ケルシーはこれまでにわずか8回のレシーブで69ヤードしか獲得しておらず、これらの数字はいずれも、キャリアを通じて同シーズン内の連続した3試合で記録したものとして最も少ない。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、ケルシーは今季にルートを82回走っており、1回あたりの平均獲得ヤードは0.8ヤードにとどまっているという。

34歳のケルシーはスロースタートを切っているものの、心配はしていない。自身が兄とホストを務めるポッドキャスト『New Heights with Jason and Travis Kelce(ニュー・ハイツ・ウィズ・ジェイソン・アンド・トラビス・ケルシー)』の最新エピソードで、ケルシーはクオーターバック(QB)パトリック・マホームズが空いている選手を見つけているだけだと指摘し、次のように語った。

「なんであれ、これがフットボールさ。いいじゃないか。俺はターゲット数とか、そういうことにはこだわっていない。オフェンスとして成功していればそれでいい。パット(マホームズ)は今、空いている選手を見つけて、正しい判断を下すっていう素晴らしい仕事をしていると思う。俺たちはただ、見つけ続けなきゃならないんだ。新しいオフェンス、新しい選手、新しいピースがそろっている中で、シーズンを通して成功する方法を見つけていくだけだ」

9度のプロボウル選出を誇るケルシーは、キャッチ数を数えることよりも、勝利を重ねることを重視しているという。

「俺はこのリーグでたくさんキャッチしてきた。キャッチ数とか、ヤード数とか、そんなことは気にしていない。ボールが俺の方向に投げられた時が一番楽しいさ。誰だってそうだろ? でも、それ以上に重要なのは、しっかりとプレーを遂行して、フットボールの試合に勝つためにできることを全力でやること。それがいつだって目標だ」

ケルシーはさらに「もし自分にボールが回らなくても、俺たちがフットボールの試合に勝っている限り、問題ないよ」とつけ加えた。

現地25日(水)、毎週水曜日に行われる定例記者会見で、マホームズはケルシーが相手チームから注目されることにより、他の選手にもチャンスが広がると指摘。2度の年間MVPに輝いているマホームズは1つのプレーを例に挙げ、ケルシーが複数のディフェンダーの注意を引きつけたことで、もう1人のタイトエンドであるノア・グレイが完全にフリーとなり、簡単に13ヤードを獲得できた場面を紹介した。

マホームズはケルシーのターゲット数の少なさについて「正直に言って、あいつは素晴らしい対応をしていると思う」と話し、こう続けている。

「俺はあいつにもっとボールを渡したい気持ちがあるんだけど、あいつはただ“勝てればいいんだよ。気にしていない。他の選手がフリーになるようにルートを走って、相手を引きつけるだけさ”って言うんだ。俺たちはあいつがこのオフェンスにとって重要な存在だっていうことは分かっているし、あいつをしっかり活かしたいとも思っている。その一方で、相手ディフェンスがあいつを徹底的に抑えてくるなら、他の選手にボールを渡して、そいつらにプレーをさせる必要があるんだ。でも、シーズンが進んでいく中で、もしラシー(ライス、ワイドレシーバー/WR)や他の選手たちにもどんどんボールを投げてプレーをさせるところ見せれば、相手チームは1対1のマッチアップをせざるを得なくなるだろう。そうなれば、トラビスが活躍する時が来るよ」

ケルシーに多くの注目が集まる中で、ライスは毎試合で75ヤード以上を獲得。現在、これを達成しているのはライスを含めて、たった3人の選手(ヒューストン・テキサンズのWRニコ・コリンズ、フィラデルフィア・イーグルスのWRデボンタ・スミス)だけだ。また、ライスはレシーブ24回でNFLトップに立ち、今シーズンのキャッチ後の獲得ヤード数(200ヤード)でも最多記録を誇っている。

問題は、相手ディフェンスが引き続きケルシーを徹底マークしてライスに活躍の場を与えるのか、それともどこかのチームがライスを抑えにかかり、将来の殿堂入りが期待されるケルシーへのパスコースをもう少し開けるのか、という点だ。

【KO】