ニュース

TEケルシーの成績向上に自信を見せるチーフス

2024年09月30日(月) 11:25


カンザスシティ・チーフスのトラビス・ケルシー【AP Photo/Ashley Landis】

リーグ屈指のタイトエンド(TE)であるトラビス・ケルシーがシーズン最初の3試合でレシーブ8回、69ヤードという記録にとどまったのは、誰も予想していなかった展開だった。

カンザスシティ・チーフスは好調な滑り出しを見せているものの、オフェンスのパフォーマンスは例年通りとは言えず、そこにはむしろ多くの疑問が生じている。とはいえ、組織内ではシーズンが進むにつれてケルシーの成績が向上し、チームが必要とするとき――昨季のプレーオフのように――ケルシーが活躍することに確信しかないようだ。

特定の成績は落ちているが、好調な指標(ケルシーの走行速度)もある。だからこそチーフスは、ケルシーは衰えているわけではないと断言できるのだ。

情報筋はケルシーの成績が以前に比べて低迷している理由として、クオーターバック(QB)パトリック・マホームズがオープンになっている選手に積極的にパスを投げている中で、ケルシーが相手ディフェンスから特別なマークを受け続けていることを指摘。また、ワイドレシーバー(WR)ラシー・ライス(3試合の合計でキャッチ24回、288ヤード、タッチダウン2回)がNFL屈指の若手レシーバーとして頭角を現していることが、ケルシーのタッチ数を制限することにつながっている。

相手チームがケルシーに特別な注意を払わず、ダブルチームをしなくなれば、その成績は向上するだろう。しかしそれまでは、ライスや他の選手たちに任せておけばいい。実際、ケルシーが練習で特別な指導を行ったことが、ライスがゾーンカバレッジに対してケルシーが得意とするようなルートを走るのに役立っている。それこそが、今季のこれまでにライスが活躍している一因だ。

さらに、新人WRゼイビア・ワーシーの電撃的なプレーや、実りのあるランプレーを考慮すると、チーフスがよりバランスのとれた生産的なユニットになれると自信を持っている理由が見て取れるだろう。

とはいえ、ヘッドコーチ(HC)アンディ・リードやチーフスの関係者は、ケルシーがオフシーズンに旅行した影響で調子を崩している(そのようなことはない)、あるいは気が散っている(そのようなことはない)、年をとっている(ケルシーは35歳だが、まだ十分にやれることを示している)といった否定的な意見を耳にしているはずだ。

リードHCは現地25日(水)、ケルシーはこれまでと同様に相手ディフェンスから注目されていると指摘しつつ、「彼が年をとっているとか、気が散っていると言っている人がいるのは知っているが、相手ディフェンスはそうは思っていない」と述べている。

チーフスは現在と昨季のケルシーに違いはないと見ている。昨レギュラーシーズンに申し分ない成績(レシーブ93回で984ヤード、タッチダウン5回)を残したケルシーは、プレーオフで再び頼りになる存在となり、スーパーボウル制覇を成し遂げるまでに挑んだ4試合でタッチダウン3回、355ヤードを記録した。

ケルシーが衰えているという話題に関しては、昨季のスーパーボウルの終盤で走ったシャロークロスのスピードが、GPSレーティングで自身の最高速度になっていたことが数字で示されている。つまり、ケルシーは依然として速いということだ。ケルシーは毎日練習を行っており、仕事に対する姿勢も変わっていない。チームにとって重要なのは、シーズン終了時にケルシーが身体的に消耗し切っていない状態にすることだ。3年連続のタイトル獲得を目指すチーフスは、ケルシーを万全の状態に保つ必要がある。

情報筋によると、ケルシーはチーフスのコーチ陣に対し、ボールを要求するのではなく、ボールを持つ機会がある選手たちで流れを作り続けるように伝えたという。フィールドでの自身のパフォーマンスに自信を持っているケルシーは、それがチームに必要なことだと理解している。チームはケルシーのエネルギーに支えられているのだ。

「トラブ(ケルシー)は問題ない」と語ったリードHCは「彼は懸命に取り組んでいる。衰えていないし、気が散っているわけでもない」と続けた。

【RA】