デトロイト・ライオンズは新たな時代を迎えたと言っていいだろう。

NFC（ナショナル・フットボール・カンファレンス）チャンピオンシップゲームに出場した2023年シーズを経て、2024年シーズンに15勝2敗と素晴らしい戦績を残したライオンズは、スーパーボウル時代において初めて2年連続の地区タイトル獲得を達成し、カンファレンスの第1シードを獲得。これもまたフランチャイズにとって初めてのことだった。

現地18日（土）にディビジョナルラウンドのワシントン・コマンダース戦を控える中、強力なライオンズに対する期待は高まっている。長年切望されていた再建の立役者であるダン・キャンベルHC（ヘッドコーチ）は、その大きな期待に応える準備を進めている。

キャンベルHCは月曜日に「私たちはここ4年間、注目されてきた」と報道陣に語った。

「これまでいろいろな形で取り上げられてきた。良く書かれることもあれば悪く書かれることも、笑い者にされることもあったが、今は素晴らしいと言われている。まさに浮き沈みの激しいジェットコースターのようなもので、それが次の週にも続くんだ。分かるだろう？　だから、私たちが今経験していることは何も目新しいことではない。コーチにとっても、選手にとっても、新しいことではないんだ」

「私たちはサーカスの真っ只中にいて、そろそろパフォーマンスを見せる時だ。それが私たちのいる世界だ」

ライオンズは爪痕を残し、食らいつきながら脚光を浴びるようになった。キャンベルHCの挑戦は3勝という悲惨な結果に終わった2021年シーズンから始まったものの、その後は3年連続で勝ち越しを達成。今季はついに、長年単純にプレーオフに進出することを夢見てきたフランチャイズに、スーパーボウル出場への期待をもたらしている。

キャンベルHCは月曜日に新たな疑問を投げかけられた。それは、2024年のライオンズはスーパーボウルに到達できるのか、それとも失敗に終わるのか、というものだ。

それに対し、キャンベルHCは「いいか、今はこの試合がすべてだ。すでに言ったように、私はスーパーボウルに出たことがあるが、負けて最悪だった。だから、今週のことが大事なんだ。今週、この試合に勝つ方法を見つける必要がある」と述べている。

第1シードを獲得したことで、ライオンズは必要としていた1週間の休息を取ることができている。シーズン第15週にランニングバック（RB）デビッド・モンゴメリーがMCL（内側側副靭帯／ないそくそくふくじんたい）を負傷したことは、負傷者が相次ぐライオンズが直面した最新の逆境となった。先週に示唆していた通り、キャンベルHCはモンゴメリーが土曜日に復帰することを正式に発表している。

「彼は雰囲気を決定づける存在だ。この試合には彼が活躍できる場があるから、戻ってきてくれるのは素晴らしいことだ」とキャンベルHCは語った。

2024年に実戦で試されてきたライオンズは、プレーオフ進出チームに6勝を収めている。レギュラーシーズンに敗れた2試合は、いずれもプレーオフ進出チームに喫したもので、シーズン第2週はタンパベイ・バッカニアーズに、シーズン第15週はバッファロー・ビルズに、それぞれ僅差で敗北。どちらの試合もフォード・フィールドで、ワンスコア差で敗れた格好だ。

コマンダースは今季のライオンズにとって新たな対戦相手となる。新人クオーターバック（QB）ジェイデン・ダニエルズが率いるコマンダースは、試合終了間際のフィールドゴールでバッカニアーズを下し、勝利を挙げた。これまでの6試合で連勝を収め、直近の5試合で試合終了直前に決勝点を挙げてきたコマンダースが、勢いに乗った状態でデトロイトに乗り込んでくる。

今週を迎えるにあたり、キャンベルHCはプレーオフゲームへの準備を整えるために、ワイルドカードラウンドの重要な瞬間や、1つのプレーが1月のすべてを変える可能性があることをチームに示した。

月曜日、キャンベルHCは「彼らは何がかかっているのか理解していると思う」と語り、こう続けている。

「彼らが今週の試合や昨夜の試合を見たことは知っている。それは必然的で、私がチームに全試合を見せ、そこで起こっていたさまざまな状況や、何が起こったのかを切り取って示したからだ。そして、何がチームに損失をもたらしたかを見てみると、落球であれ、ペナルティであれ、その他の状況であれ、そういったことは週を通して散見された。プレーオフとはそういうものだし、追加した1回のプレーや、その場の勢いで仕事を遂行することが大事で、それができれば勝利の確率が高まるし、できなければ相手チームが勝つ。そして、私たちには本当に手強い相手が待ち受けている。彼らにはダイナミックなクオーターバックがいて、優れたオフェンスとディフェンスを展開しているし、コーチングも優秀だ。私たちには厳しい戦いが待ち受けている」

【RA】