QBカーに「高い信頼」を寄せ、チームはすぐに好転できると信じるセインツGMルーミス
2025年01月14日(火) 12:575勝12敗でNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)南地区の最下位としてシーズンを終えたニューオーリンズ・セインツは、うまくいった点とそうでなかった点を振り返り、今後の方針を固める時を迎えている。
セインツのジェネラルマネジャー(GM)ミッキー・ルーミスはその中で、チームをリーグの上位に返り咲かせるためにどれだけの労力や時間が必要かについて、広範な議論を行う必要があるとも考えているようだ。ルーミスGM自身はこの状況に対して前向きな見通しを持っている。
現地13日(月)、ルーミスGMは「私はポジティブだ。常に楽観的で、たとえ5勝12敗のシーズンであっても、今後の糧になるようなポジティブな要素がたくさんあったと思っている。だから、私はこの状況がすぐに好転すると考えている」と語った。
シーズン途中にヘッドコーチ(HC)デニス・アレンを解雇したセインツは、再びプレーオフ常連チームになることを目指すオフシーズンの旅を、新たなリーダー探しから始めることとなった。セインツはアレンが指揮を務めた3シーズンですべてプレーオフ進出を逃している。
2024年シーズンはアレンの在任期間に終止符を打つものとなったが、その運命は最初から決まっていたわけではない、2勝0敗の好スタートを切ったセインツは、その2試合で91点を挙げた一方で、相手の得点を29点に抑えた。しかし、そこからは転落の一途をたどり、オフェンスが低迷し、負傷者が続出。1点差で敗れたカロライナ・パンサーズ戦まで7連敗を喫したことを受け、アレンは解雇された。
ルーミスGMはワイドレシーバー(WR)のクリス・オレーブやラシッド・シャヒード、タイトエンド(TE)テイサム・ヒルといった主力選手が長期間離脱したことを踏まえ、負傷が相次いだことがシーズン崩壊の主な原因であり、チームが「対処する」必要があることだと認めた。
それは、負傷離脱したことによる損失が最も大きかった選手は誰なのかという議論につながるだろう。また、今後は誰がヘッドコーチの座を手に入れるのかということが最大の疑問となるはずだ。そして、クオーターバック(QB)デレック・カーにはどう対処するのだろうか?
カーはセインツでの2年間で安定したパフォーマンスを見せており、27試合に先発して試合平均223.1ヤード、パサーレーティング98.8を記録。通算成績は14勝13敗だ。複数のケガで7試合を欠場した今季の成績が5勝5敗にとどまったカーは、来季を34歳で迎えることになる。しかし、ルーミスGMはカーが今季に苦戦したのはやむを得ない状況が原因だったとし、カーに対する信頼を改めて表明した。
ルーミスGMは「私はデレックに対してとても高い信頼を寄せている。いいか、彼はここで本当に良いプレーを見せてきた」とコメント。
「トップ2のレシーバーが不在で、テイサム・ヒルのような特別な武器がなく、オフェンシブラインの中央部分が手薄で、レフトタックルが新人選手というのは、クオーターバックにとっては厳しい状況だ。つまり、彼は良いプレーをたくさん見せてきたと思う」
よくある話だが、サラリーキャップが事態を複雑にしている。セインツは可能性を残しつつ制限を超えないようにするために、サラリーキャップヒットを先延ばしにすることで知られているチームだ。カーはセインツの2025年における予算の大部分を占めている。そのキャップヒットは5,146万ドル(約81億0,824万円)に上り、セインツがこのオフシーズンに他の選手の獲得または残留を進める上で何らかの柔軟性を持つためには、契約を再編する必要が出てくるだろう。
カーはすでに、今後の方針についてセインツ幹部と前向きな話し合いをしたと明かしている。ただし、キャップヒットを削減する選択肢としての減給には応じないつもりだ。
ヘッドコーチが採用されるまで、カーの将来は不透明なままだろう。また、ディフェンシブエンド(DE)キャメロン・ジョーダン(キャップヒットが2,000万ドル/約31億5,128万円)やヒル(1,798万ドル/約28億3,300万円)、ラインバッカー(LB)デマリオ・デービス(1,240万ドル/約19億5,379万円)、セーフティ(S)タイラン・マシュー(1,130万ドル/約17億8,047万円)といった選手も同じく不確かな状態が続く見込みだ。彼らは全員32歳以上で、実績に疑問符が付いている選手もいる。
ルーミスGMはキャップスペースの難題について「私は今の状況にかなり満足しているが、満足していない部分もある」と述べ、こう続けた。
「それは私たちがどうにかしなければならない部分だが、同じようにキャップを管理する必要があるチームは多く存在する。そのうちの数チームはいずれその問題に対処しなければならない。私は自分たちの現状に満足している。ここ数年と比較すると、進歩していると思うし、その点については前よりも良い気分だ」
選手の残留に関するすべての疑問は、ルーミスGMが新しいヘッドコーチを採用するまで、単なる仮説として議論されているに過ぎない。セインツは本格的にHC探しを始めており、これまでに6回の面談を要請あるいは完了している。どのような形であれ、本当の再建が始まるのはヘッドコーチが決まった後だ。
【RA】