トラビス・ハンターは現在、ジャクソンビル・ジャガーズの練習において攻守両方のポジションをこなすことが通常のルーティンの一部となっている。

2024年のハイズマントロフィーの受賞者であり、今年のNFLドラフト全体2位指名を受けたトラビス・ハンターは、現地5日（火）のトレーニングキャンプでオフェンスとディフェンスの両方の練習に参加した。ワイドレシーバー（WR）としてはティール色の背番号12番のジャージを着用し、コーナーバック（CB）としてフィールドに立つ際には、上から白のゆったりとした背番号12番のビブスを着てプレーした。

「彼が行ったり来たりするのを見るのは面白い。本当にクレイジーだ。あんなの見たことがない」とクオーターバック（QB）トレバー・ローレンスは話している。

ハンターはサイドごとの切り替えに関して、ひとつ小さな問題を抱えていた。守備に入った際、オフェンス側のチームメイトたちが何度も彼のゆったりとしたビブスをつかみ、ランプレーに対するディフェンスを封じ込めていたのだ。本番の試合ではジャージを変える必要がないため、この問題は起こらないだろう。

ハンターが攻守を行き来するようになったのは、土曜日の夜にエバーバンク・スタジアムで行われたスクリメージが最初だった。このときはファーストチームのオフェンスで17回のスナップ、ディフェンスでは21回のスナップに参加。火曜日の練習でも同様の起用がなされ、11対11のドリルでそれぞれ9回ずつのスナップでプレーしている。

ジャガーズが2巡目指名権と2026年の1巡目指名権を手放してまで、3つ順位を上げてハンターを指名したのは、まさにこの万能性を見込んでのことだった。

「毎日というわけではないかもしれないが、これが日常になる可能性は高い」とヘッドコーチ（HC）リアム・コーエンは話している。

ジャガーズは、ハンターが攻守両面で柔軟に起用できるようになるまでのプロセスを、数カ月にわたって計画してきた。5月のチーム合同練習（OTA）開始時にはレシーバーとしての起用に専念させ、その後、練習を重ねる中で徐々に役割を広げていった。

先月のトレーニングキャンプ開始時には、1日オフェンス、翌日はディフェンスという形で交互に取り組んでいた。

だが、数分、時には数秒の間に攻守を切り替えてプレーすることこそが、NFLにおけるハンターの次なる進化のステップだった。

「できればもっとオフェンスに参加してもらいたいね」とローレンスは冗談交じりに語った。

「彼のプレースタイル、あのエネルギーは特別だ。ファンとのちょっとしたやり取りや、スタジアムに持ち込む熱量。そういうものにも意味があるんだ」

「誰もがああいう性格を持っているわけじゃなくて、彼には何か特別なものがある。彼が持っているエネルギー、プレーに込める情熱、そして純粋に楽しんでいる姿や走り回る姿すべてが見ていて楽しいし、ああいう選手と一緒にプレーするのも楽しい。今はもうシステムを理解して、自由にプレーできるようになってきたから、動きもどんどん速くなってきていると思う」

ハンターの存在によって、小規模都市を本拠地とするこのフランチャイズは、ここ数十年で最も、あるいは史上初とも言えるほどのスター性を手に入れた。

昨シーズン、ハンターはコロラド大学で96回のレシーブで1,258ヤードとタッチダウン15回を記録。守備ではタックル35回、パスブレイクアップ11回、フォースドインコンプリーション8回、インターセプト4回をマークし、許したタッチダウンはわずか1本だった。

ジャガーズは、ハンターをオフェンスでは主にスロットレシーバーとして、ディフェンスでは特定の作戦でアウトサイドコーナーとして起用する方針だ。これは、2024年のカレッジフットボールで全選手中最多となる1,461回のスナップをこなしたハンターにとって、なじみのある役割だ。

土曜日に行われるピッツバーグ・スティーラーズとのプレシーズン開幕戦でハンターがどれだけ出場するか、あるいはそもそも出場するのかは不透明だ。コーエンHCをはじめとするスタッフ陣も「まだ調整中」とのこと。月曜日の夜には、スティーラーズのマイク・トムリンHCとテキストメッセージを通して先発メンバーについてすり合わせを行ったという。

コーエンHCはこれまで、プレシーズン中は先発選手をほとんど起用せず、控え選手まで温存していたロサンゼルス・ラムズでアシスタントを務めた一方で、「質の高い実戦経験」を積むせるために先発を起用していたタンパベイ・バッカニアーズでも指導経験がある。

「それこそが究極の議論なんだ。間違いなく難しい判断で、われわれもあれこれ悩んでいるところだ。ただ、水曜日にはもう少しはっきりすると思う」とコーエンHCはコメントしている。

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