ESPNが株式の10%と引き換えにNFLネットワークを含むNFL関連メディアアセットを取得
2025年08月06日(水) 14:59
『Walt Disney Company(ウォルト・ディズニー・カンパニー)』(NYSE:DIS)の子会社である『ESPN』とナショナル・フットボール・リーグ(NFL)が現地5日(火)、ESPNが株式の10%と引き換えに、『NFL Network(NFLネットワーク)』やNFLが所有、管理するその他のメディアアセット――リニア放送の『RedZone Channel(レッドゾーン・チャンネル)』や『NFL Fantasy(NFLファンタジー)』を含む――を取得するという、拘束力のない合意に達したことを発表した。これに加え、NFLとESPNは第2の非拘束的合意にも達しており、NFLはNFLネットワークおよびその他のアセットで使用される特定のNFLコンテンツや知的財産をESPNに提供することになった。
全米で最も人気のあるスポーツリーグと、世界で最も革新的なスポーツメディアが行うこれらの取引は、プロフットボールがファンに届けられ、体験され、称えられる方法に新たな基準を打ち立てることを目的としている。
ウォルト・ディズニー・カンパニーのCEOを務めるロバート・A・アイガーは「本日の発表は、世界をけん引するスポーツメディアブランドとアメリカで最も人気のあるスポーツが、ESPNとディズニーにしかできない形で、より魅力的な体験をNFLファンに届ける道を切り開くものだ」と述べ、こう続けた。
「(ロジャー)グッデルコミッショナーとNFLは卓越したメディアアセットを築き上げてきた。今回の取引は消費者の選択肢を広げ、視聴者にとっての利便性と品質をさらに高め、ディズニーのストリーミング・エコシステムの幅と価値提案を強化するものとなるだろう」
NFLコミッショナーのロジャー・グッデルは「2003年の開局以来、NFLネットワークは何百万人ものファンに愛するスポーツをかつてないほど身近に感じてもらう機会を提供してきた。サーズデーナイトフットボールの初放送、コンバインの中継、オリジナル番組や最新ニュースを通じた素晴らしいフットボールストーリーの発信など、NFLネットワークは常にそれをやり遂げてきた。ESPNへの売却は、この素晴らしいレガシーを基盤に、より多くのファンにこれまでにない革新的な方法で、より多くのNFLフットボールを届けることにつながるだろう」と述べている。
ESPN会長のジミー・ピタロは「今日はスポーツファンにとってエキサイティングな日だ」とコメント。
「これらのNFLメディアアセットをESPNのリーチ力や革新性と融合させることで、私たちはフットボールファンにとって最高の拠点を作り上げている。ESPNとNFLは共に、ファンがいつでもどこでも試合を楽しむ方法を再定義している。今回の取引はESPNのデジタル領域の未来を後押しし、新たなダイレクト・トゥ・コンシューマー・サービスの開始に向け、より強化されたサービスを提供する基盤を築くものだ」
追加情報
今回の新たな提携により、NFLの主要メディアブランドやファンエンゲージメントプラットフォームと、ESPNが持つ高品質で革新的なスポーツ番組の制作、配信における豊富な経験が融合されることになる。ESPNはNFLネットワークの開発、RedZoneチャンネルおよびファンタジーの配信に自社のリソースとノウハウを活用し、視聴者の拡大、消費者の利便性および柔軟性の向上、イノベーションの推進、より多くの高品質コンテンツを競争力のある価格でファンに提供することを進める考えだ。この売却により、NFLの番組はケーブルや衛星、主要なストリーミングプロバイダーに加え、ESPNの新しいダイレクト・トゥ・コンシューマー(DTC)サービスを含め、これまで以上に多くのプラットフォームで視聴可能となる。ESPNのDTCサービスでは、多彩なNFLコンテンツが加入者に届けられる予定だ。
合意の条件に基づき、以下のことが可能になる。
◆NFLネットワーク(リニア放送およびデジタル権利を含む)はESPNが所有および運営し、従来の有料テレビ配信と並行してESPNのDTCサービスに完全に統合される。これにより、消費者のアクセス性と柔軟性が向上し、スポーツ番組制作のイノベーションが促進される。
◆ESPNはRedZoneブランドの幅広い権利を所有し、NFL RedZoneチャンネルを有料テレビ事業者に配信して、スポーツパッケージへの継続的な組み込みを図る。
◆NFLファンタジーフットボールはESPNファンタジーフットボールと統合され、シーズンを通して楽しめるNFL公式ファンタジーゲームおよび最高水準のデジタル体験を提供することとなる。これによってイノベーションが促進され、世界的な需要に応えるためのリーチ拡大が可能になる。
◆今回の発表により、ESPNのプラットフォームは、NFLネットワークで放送するために1シーズンあたり3試合の放送権を追加で取得することになった。加えて、ESPNはNFLの試合スケジュール全体を調整し、4試合(重複する時間帯の試合を含む)をNFLネットワークに移す予定で、NFLネットワークでは引き続き年間7試合が放送される。
◆NFLは『NFL Films(NFLフイルムズ)』、『NFL+』、『NFL.com』、『NFL Podcast Network(NFLポッドキャスト・ネットワーク)』、NFLのFASTチャンネル(無料広告つきストリーミングサービス)、リーグの32チームの公式サイトなど、保有するメディア事業を引き続き所有および運営していく。また、NFL RedZoneの所有、運営、制作も継続し、NFL RedZoneのデジタル配信権も保持する。
これらの取引は、当事者間の最終契約締結、NFLチームオーナーを含む各種承認、ならびに一般的なクロージング条件を満たすことが前提となる。
ESPNの株式はウォルト・ディズニー・カンパニーの間接子会社である『ABC, Inc.』が80%、『Hearst(ハースト)』社が20%を所有している。
将来見通しに関する記述
「当社」、「私たちは」、「私たちの」および「ディズニー」という用語は、ウォルト・ディズニー・カンパニーおよびその各事業を実際に展開している子会社を総称して指すものだ。
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