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ブラウンズがDEギャレットをラムズにトレード、見返りはLBヴァースおよびドラフト1巡目指名権

2026年06月02日(火) 10:17

マイルズ・ギャレット【NFL】

ロサンゼルス・ラムズがまたしてもやってのけた。

現地1日(月)、ラムズがクリーブランド・ブラウンズとのトレードで、ラインバッカー(LB)ジャレッド・ヴァースおよび2027年ドラフト1巡目指名権、2028年ドラフト2巡目指名権、2029年ドラフト3巡目指名権と引き換えに、昨季にAP通信ディフェンス部門年間最優秀選手賞に輝いたディフェンシブエンド(DE)マイルズ・ギャレットを獲得したと、両チームが発表した。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートとトム・ペリセロ、『ESPN』のアダム・シェフターは同日の早い段階でこのトレードについて報じていた。

ブラウンズのジェネラルマネジャー(GM)アンドリュー・ベリーは声明で「私たちはかねてより、マイルズ・ギャレットがキャリアを通じて1つのチームでプレーすることを目標としてきた」と述べ、こう続けている。

「記録を塗り替え、わが組織を素晴らしい形で代表してくれたからこそ、今オフシーズンを迎えるにあたってその願いを心から抱いていた。そして、マイルズがクリーブランド・ブラウンズの一員ではない世界など想像すらしていなかった」

「ラムズから初めてマイルズのトレードの可能性について打診された際、私たちは当初の立場を貫いていたが、話し合いが進んでいく中で重大な岐路に立たされた。つまり、チームの顔となった、真に世代を代表する選手を手放すか、それとも、長期的に見て組織にとって最善だと考える難しい決断を下すか、という選択に直面した」

「そうした状況下で、複雑な感情ではあったものの、決断は明確になった。私たち、そして何より私たちのファンは、マイルズと共に成長してきた。彼はチームにとって大きな誇りの源だ。しかし、若手の主力選手や新たに加えた戦力と共に、ブラウンズのフットボールが新時代を迎えるにあたり、今回の動きは私たちの移行にとって重要なものだと感じるようになった」

これは、スター選手獲得のためなら将来の資本を惜しみなく放出してきた、勝利に全力を注ぐラムズにとっても、革新的かつ非常に大きな動きだ。ギャレットの獲得は、レス・スニードGMによる最新の“ドラフト指名権なんてどうでもいい”という姿勢の表れだと言える。スニードGMはこれまでにもワイドレシーバー(WR)ブランディン・クックス、コーナーバック(CB)ジャレン・ラムジー、クオーターバック(QB)マシュー・スタッフォード、アウトサイドラインバッカー(OLB)ボン・ミラー、そして今オフシーズンに獲得したCBトレント・マクダフィーといった選手たちのトレードを成立させてきた。

ヴァースは優秀な若手エッジラッシャーだが、ギャレットではない。

NFL屈指のパスラッシャーであるギャレットは、昨季にサック数(23回)でNFLにおける単一シーズンの最多記録を更新したばかりだ。過去6シーズン中5シーズンでオールプロのファーストチームに選出されたほか、6年連続でプロボウルに選ばれているギャレットは、2017年のルーキーシーズンを除く8シーズンすべてで10回以上のサックを記録している。

天性の才能を持つギャレットは、瞬く間に一歩目を踏み出して優位に立ち、技巧とパワーの両方で相手を圧倒する選手だ。30歳のギャレットはたった一人で相手の攻撃戦略を崩し、ダブルチームやチップブロックを強いることで、守備陣全体の負担を軽減することができる。

9シーズンでのキャリアで、ギャレットは通算125.5回のサックを記録し、歴代20位タイとなっている。その間、ブラウンズはオフェンス面で苦戦していたため、相手がパスプレーを重視している状況下でギャレットに全力で突進してサックを記録する機会をほとんど与えられなかった。ギャレットが在籍した9年間で、ブラウンズが1プレーあたりのEPA(追加予想得点)でトップ10入りを果たしたことは一度もなく、過去2シーズンはどちらも最下位に沈んでいる。それでもギャレットの勢いが衰えることはなく、直近2シーズンで37回のサックを記録した。

今後、ギャレットがスタッフォードやWRプカ・ナクア、WRデイバント・アダムス、ランニングバック(RB)カイレン・ウィリアムズを筆頭とし、ショーン・マクベイHC(ヘッドコーチ)が率いる攻撃陣と同じチームでプレーすればどうなるか想像してみてほしい。

スタッフォードが2025年シーズンにMVPに輝くほど活躍した一方で、ラムズのディフェンスは時に相手を止めるのに苦戦していた――シアトル・シーホークス戦がその好例だ。問題の多くはバックエンドにあり、そこが繰り返し狙われていたものの、パスラッシュが鳴りを潜めている場面もあった。昨季はOLBバイロン・ヤングがサック数(12回)でチームトップに立ち、ヴァースが7.5回で2位につけている。

そのラムズにギャレットが加わることになった。

『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、ラムズはNFL史上初めて、前年度のMVPと守備部門年間最優秀選手の両方を擁するチームになるとのこと。また、ラムズはレシーブ数でリーグトップに立ったナクアとタッチダウンレシーブ数でリーグトップに立ったアダムスも抱えている。

オフシーズンに積極的な動きを見せたラムズは、ドラフト1巡目指名権と引き換えにカンザスシティ・チーフスからマクダフィーを獲得し、フリーエージェント(FA)だったCBジェイレン・ワトソンを獲得するなど、セカンダリーの刷新に向けて大幅な補強に踏み切った。

ギャレットのトレードはそれらの動きを上回るものであり、守備コーディネーター(DC)クリス・シュラには、リーグ屈指の守備戦力がもたらされている。ラムズは2026年シーズンに守備力を飛躍的に強化するために、前線から後方に至るまで大規模な補強を行った。

2026年NFLドラフト1巡目でQBタイ・シンプソンを指名するという物議を醸した決断が、今回のトレードを後押しした可能性が高い。38歳のスタッフォードの後継者計画に理論上めどが立ったことで、クオーターバック獲得のためにドラフト指名権を残しておく必要がなくなったと判断し、ブラウンズに1巡目指名権を差し出す余裕が生まれたのだろう。

昨オフシーズンにギャレットと4年1億6,000万ドル(約255億4,984万円)の契約を結んだブラウンズは、オフシーズンを通してチームの顔であるギャレットをトレードするつもりはないと強く主張し続けていた。とはいえ、ギャレットのオプションボーナスの支給時期を3月からレギュラーシーズン開幕の7日前へと変更したことで、ブラウンズがギャレットを手放す可能性は高まっていた。

ベリーGMはギャレットをトレードしないと主張していたが、ギャレットが新HCトッド・モンケンと一度も会っていなかったこと、自主参加のOTA(チーム合同練習)を欠席し続けていたこと、そして契約内容が変更されたことは、移籍が迫っている可能性を示す手がかりとなっていた。

6月1日の期限を過ぎた時点で、ブラウンズは最高の選手を手放すことによって本格的な再建に乗り出すことを示した。ここまで待ったことで、ブラウンズは4,100万ドル(約65億4,733万円)のデッドマネーを2026年に一括計上するのではなく、今後2シーズン――2026年に1,553万ドル(約24億8,007万円)、2027年に2,556万ドル(約40億8,170万円)――に分けてサラリーキャップに計上できるようになっている。

ブラウンズはオフシーズンに攻撃陣の再構築に注力し、オフェンシブラインを全面的に刷新するとともに、レシーバーのK.C.コンセプシオンとデンゼル・ボストンをドラフトで指名した。しかし、QBポジションには依然として大きな疑問が残っており、デショーン・ワトソンとシェドゥーア・サンダースが先発の座を争う見込みだ。フランチャイズQBがロースターにいないと仮定した場合、今ギャレットを手放すことで、将来的に新たなQBを獲得するためのドラフト指名権を得ることができる。ブラウンズがこのまま低迷し続けたとして、1、2年後にギャレットをトレードして得られる見返りは今よりも大幅に少なくなっていたはずだ。

ギャレットのトレードはブラウンズのディフェンスに大打撃を与えるが、ヴァースを獲得したことでその痛みは多少和らぐだろう。昨シーズン、ギャレットが23回のサックを記録した一方で、チームで7回以上のサックをマークした選手は他にいなかった。ブラウンズが新たに加えたヴァースは、オハイオ州デイトン出身のタフなパスラッシャーであり、ブロッカーをなぎ倒すパワーとともに将来性を備えている。まだ伸びしろのあるヴァースの成長曲線は、30代に突入したギャレットよりも、ブラウンズの再建計画にうまく合致していると言えよう。

ベリーGMは「この決断を下すに至った最大の要因は、ジャレッド・ヴァースが含まれていたことだ。彼はファンに愛される選手になるだろう」と話している。

「25歳にしてプロボウルに2度選出され、ディフェンス部門年間最優秀新人賞に輝いた経歴を持っている。私たちは重要なポジションで、NFLでの3シーズン目にさらに成長する見込みの若く優秀な選手を獲得した。ジャレッドの情熱と執念深いプレースタイルは、ファンに広く受け入れられるだろう。彼はうちのディフェンスが築き上げてきたアイデンティティに、すぐに溶け込むはずだ」

ブラウンズは今後数シーズンでギャレットと共に状況を好転させることを期待して、トレードに応じない姿勢を貫くこともできたはずだ。しかし、ギャレットの価値がこれほど高まることは二度とないだろう。そうした中で、ラムズは断れないほどの好条件を提示した。

ブラウンズは2022年にワトソンの獲得で不運に見舞われて以来、足場を固めるのに苦戦しており、大幅な補強を行うための資本が不足する中で、QBポジションの先行きも見通せない状況となっている。今回の一手により、ブラウンズはモンケンHC体制下での再建がまだ初期段階にあることを認め、いつの日かその壁を乗り越えられるように将来の指名権を手に入れた。

【RA】