CBSスポーツ加入のQBラッセル・ウィルソンがフットボールに感謝を伝える動画を投稿
2026年06月04日(木) 10:42
10度のプロボウル選出経歴を誇るクオーターバック(QB)ラッセル・ウィルソンが現地3日(水)、ソーシャルメディアに“ありがとう、フットボール”と題した動画を投稿し、『CBS Sports(CBSスポーツ)』の解説者へと転身する決断について語った。
3分16秒にわたる動画の中で、ウィルソンが引退に言及する場面はひとつもなかった。
ウィルソンはシアトル・シーホークスのヘッドコーチ(HC)を務めていたピート・キャロルやシアトルのファン、チームメイト、家族、妻シアラなど、自身のキャリアを支えてくれた多くの人々に感謝の意を表した。
動画の中でウィルソンは「君は自分にとって喜びであり、安らぎであり、安心できる場所だった」とフットボールへ語りかけている。
「君は規律や信念、不屈の精神を教えてくれた。どんな状況にあっても信じ続ける方法もね。君は俺に目的とチャンスを与えてくれた。他者を鼓舞し、変化を生み出し、このスポーツを進化させ続けるチャンスだ。それは自分のためだけじゃなく、次世代の選手たちのためでもある。そして、君は何よりも素晴らしい贈り物――家族を俺に与えてくれた」
ウィルソンは動画を次のように締めくくっている。
「CBSスポーツや“NFL Today(NFLトゥデー)”と共に新たな章を迎えるにあたり、世界最高のスポーツに携わるという、自分が最も愛することを続けられることに心から感謝している。フットボールよ、ありがとう。ありがとう、ありがとう、ありがとう。永遠に感謝している。愛を込めて、3」
『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートは月曜日、ウィルソンが2026年シーズンをバックアップQBとして迎えるオファーを受けていたにもかかわらず、CBSスポーツの日曜日のプレゲーム番組に出演する決断を下したと報じた。
37歳のウィルソンは14シーズンのキャリアで通算4万6,966パスヤード、タッチダウン353回、インターセプト114回を記録。プロボウル選出10回、第48回スーパーボウル制覇、2020年ウォルター・ペイトンNFLマン・オブ・ザ・イヤー受賞という実績を残し、現役生活を中断する。
ウィルソンはキャリア最初の10年間、リーグで最も危険なクオーターバックの1人して活躍。2012年ドラフト3巡目で指名を受けたところからシーホークスの先発QBの座を勝ち取ると、一貫してその立場を保ち続けた。“Legion of Boom(リージョン・オブ・ブーム)”と呼ばれた伝説的なディフェンスと相まって、ウィルソンはキャロル率いるチームを常勝軍団へと変貌させた。
キャリア2年目には第48回スーパーボウルでデンバー・ブロンコスを43対8で下し、フランチャイズ史上初となるロンバルディトロフィーをシアトルにもたらした。ウィルソンは翌年も再びスーパーボウルの舞台に立ったが、逆転狙って試合時間残り20秒の時点でゴールライン付近から放ったパスをニューイングランド・ペイトリオッツにインターセプトされ、連覇を阻まれている。この痛恨のインターセプトは、ランニングバック(RB)マーショーン・リンチにボールを託してタッチダウンを狙う選択をしなかったことによって生まれたもので、リージョン・オブ・ブームが終焉を迎えるきっかけとなった。ウィルソンはその後も数年にわたって対戦相手を脅かし続けたが、それ以降にディビジョナルラウンドを突破すること一度もなかった。
全盛期のウィルソンは、ポケット内を自由自在に動き回り、初動でのサックを許さず、プレーを延長し続ける能力で誰にも引けを取らない選手だった。数年にわたって不安定なオフェンシブラインに悩まされながらも、シーホークスでは1シーズンを除くすべてのシーズンでプロボウルに選出されている。2017年にはタッチダウン数(34回)でNFLトップに輝き、その他の3シーズンでも同数かそれ以上のタッチダウンをマークした。また、ウィルソンはキャリア開始から149試合連続で先発出場を続けた。
負傷により初めて試合を欠場した2021年は、ウィルソンにとってシーホークスで過ごす最後のシーズンとなっただけでなく、トップクラスのQBとして過ごす最後のシーズンにもなった。
シーホークスは2022年にウィルソンをブロンコスにトレード。ブロンコスは2シーズンにわたってウィルソンを起用したものの、2024年のオフシーズンに当時の過去最高額となる8,500万ドル(約135億9,129万円)のデッドマネーを負担してウィルソンとの関係を解消した。その後、ピッツバーグ・スティーラーズに1年間所属したウィルソンは、昨季をニューヨーク・ジャイアンツで過ごしたが、最初の3試合で全敗したことを受けて新人QBジャクソン・ダートに先発の座を譲った。
解説者としての道に進むことを決めたウィルソンにとっては、昨シーズン第3週に22対9で敗れたカンザスシティ・チーフス戦が現役最後の先発出場となった可能性がある。しかし、その1週間前には延長戦の末に不運な形で敗れたダラス・カウボーイズ戦で、450ヤード、タッチダウン3回を記録する活躍を見せていた。
もちろん、ウィルソンは動画の中で引退について一度も言及していない。
シーズン中にクオーターバックの補強を必要とするチームから声がかかれば、ウィルソンのフットボールとの別れが一時的なものになる可能性はゼロではない。
【RA】



































