「特別な機会」と意気込みを示すバイキングス新GMノーラン・ティーズリー
2026年06月05日(金) 11:05
大学卒業後に不自由のない生活を送っていたノーラン・ティーズリーだが、どこか物足りなさを感じていた。そこに欠けていたのは、フットボールだった。
再びフットボールへの情熱を追い求めるよう妻から背中を押されたティーズリーは、マーケティング業界での仕事がもたらす安定や恩恵よりもキャリアの満足感を選び、NFL全32チームに向けて熱心に手紙を送り続けた。
その声に唯一耳を傾けたのが、シアトル・シーホークスだった。地元のチームで13年間を過ごしたティーズリーは、2個のスーパーボウルリングを手にチームを離れ、ミネソタ・バイキングスのジェネラルマネジャー(GM)という憧れの職に就いた。
現地3日(水)にバイキングス本部で行われた就任記者会見で、ティーズリーは「シアトルという思い入れのある場所を離れるには、それ相応の特別な機会が必要だった」と語った。
「プロセスを進めていく中で、ミネソタ・バイキングスこそがその場所だと確信した」
4シーズンにわたりGMを務めたクウェシ・アドフォ・メンサを解任したバイキングスのオーナー陣は、フリーエージェント(FA)戦線やドラフトを乗り切るべく、フットボール運営部門副社長のロブ・ブジェジンスキーを暫定GMに任命した。リーグ内でサラリーキャップの専門家および契約交渉人として高く評価され、組織内でも一目置かれる存在であるブジェジンスキーも、最終候補5名のうちの1人だった。
シーホークスはフットボール運営部門最高責任者兼GMのジョン・シュナイダーのもとで成功を収めてきた。そのことが、ヘッドコーチ(HC)ケビン・オコンネルを含む、今回のGM選定に関わったバイキングス首脳陣の少人数グループに大きな影響を与えたのは間違いない。
ティーズリーが在籍した13年間で、シーホークスは9回のプレーオフ進出と3回のスーパーボウル出場を果たしている。主力選手たちの世代交代を挟みながらも、一度も最下位に沈むことなく、2013年シーズンと2025年シーズンに頂点に立った。
「それも要因の一つではあったが、やはり最終的には本人の資質にかかっている」と、バイキングスのオーナー兼社長であるマーク・ウィルフは述べている。
「ノーランの立ち振る舞いや、プロセスに対する実直さ、そして周囲と協調して働く姿勢。それらすべてを総合した結果だ」
シュナイダーはティーズリーをスカウティング部門のインターンとして採用し、翌年にはフルタイムの職を与えた。その後、2017年にプロ人事部門アシスタントディレクター、2018年にプロ人事部門ディレクターへと昇格し、最終的に2023年にはアシスタントGMに就任している。
シュナイダーはシーホークスが発表した声明の中で、「バイキングスが手に入れたのは、単なる優れたフットボールの頭脳ではない。エゴがなく、自らの価値観を重んじ、この業界で私が出会ってきた中でも最高のコミュニケーション能力を持つ一人という、極めて人間性の優れた人物だ」と評した。
42歳のティーズリーは、5年目のシーズンを迎えるオコンネルとともにオーナー陣へ直接報告を行う立場となる。組織図の上では対等な関係ながら、ロースターに関する決定権はティーズリーが握る。記者会見に出席し、ティーズリーとウィルフの双方から賛辞を送られたブジェジンスキーは、ティーズリーのもとで働くことになり、2014年から務めるエグゼクティブ職に留まる。ブジェジンスキーはバイキングスで28年目のシーズンを迎えている。
コーチ、スカウト、リサーチャーの間で合意を形成する手腕に長けたGMを据え、フットボール運営部門のあらゆる側面でより強固な連携を模索していたバイキングスは、人事決定権を巡る権力闘争の可能性については懸念していなかった。今週に入り、チーム首脳陣はティーズリー、オコンネル、ブジェジンスキーの3人がそれぞれの分野で発揮する専門知識と人間性の組み合わせに大きな期待を示した。
「組織図の構造が問題になるようでは困る。最終的なゴールは、リーダーたちがしっかりと連携し、協力し合うことだ」とウィルフは語った。
妻モーガンとの間に4人の息子を持つティーズリーにとって、ワシントン州の外で暮らすのは人生で初めてとなる。エレンズバーグ高校で目覚ましい活躍を見せた後も地元に残り、セントラル・ワシントン大学でランニングバック(RB)としてプレー。3年生のシーズンを終えた後にスパイクを脱ぎ、2007年に広報学の学位を取得して卒業している。
それから約20年。常に愛し続けてきたフットボールの世界に深く関わってきたティーズリーは今、レギュラーシーズンでは多くの成功を収めながらも未だタイトルを獲得したことがなく、ここ7年間はプレーオフで1勝も挙げていない不運のフランチャイズを押し上げる任務を担っている。
「われわれの目標はシンプルだ」とティーズリーは切り出し、こう続けた。
「12月と1月に最高の状態を迎え、最終的にはこのファンベースにふさわしいスーパーボウル制覇を果たすため、可能な限り選手層が厚く、競争力の高いロースターを構築していく」
【R】



































