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先発復帰を主眼に置き、「フル出場」を目指すブラウンズQBワトソン

2026年06月11日(木) 15:06

クリーブランド・ブラウンズのシェドゥーア・サンダースとデショーン・ワトソン

現地10日(水)、クリーブランド・ブラウンズのクオーターバック(QB)デショーン・ワトソンが約2年ぶりにオハイオ州ベリアで報道陣の取材に応じた。

ワトソンについては質問すべきことが山ほどある。ワトソンはNFL史上最悪のトレードを経て、最も無謀な高額契約を結んだ選手となっている可能性がある。ブラウンズのオーナーであるジミー・ハスラムは昨オフシーズンにこの動きについて「大きな動きに出て失敗した」と表現していた。

その契約があと1年残っている中で、ワトソンは万全の状態でフィールドに戻れるほど回復している。新たな知見を身につけたワトソンは、今後何年にもわたって自分のものとなるはずだった先発の座を取り戻すことを目指しているところだ。

「浮き沈みの激しい日々だった。自分自身について多くのことを学んだ」と語ったワトソンはこう続けている。

「とにかく忍耐強くあるべきだと学んだ。努力を続け、前へ進み続けることだ。子どもの頃からずっとそういう考え方を持っていたから、それ自体は新しいことじゃなかった。ただ、ああいうケガを抱えていたことを踏まえると、状況や環境は初めて経験するものだったと思う。でも、それ以外はとにかく前に進み続けるしかない。人生とはそういうものだ。つらかったけど、成長し、学ぶこともできた」

ブラウンズのQB陣はワトソンが離脱する前と大きく様相が異なっている。昨年のドラフトで指名されたシェドゥーア・サンダースとディロン・ゲイブリエルが残留している中、新人のテイレン・グリーンも新ヘッドコーチ(HC)トッド・モンケンによる育成プロジェクトの一環として加入している。

事実上、先発の座を与えられて当然だと主張できるような根拠は一切ないため、ワトソンはブラウンズで残されたいかなるチャンスも自らの力で勝ち取らなければならないと自覚している。

ワトソンはサンダースとの先発争いについて「とにかく毎日練習するだけさ」とコメント。

「コーチの判断はコントロールできない。彼がヘッドコーチだ。彼がプレーを指示し、誰をフィールドに出したいかも決める。結局、俺は毎日練習に参加して準備を整え、自分の番が来るのを待つしかない」

最後にブラウンとオレンジのユニフォームを身につけてフィールドに立ったとき、ワトソンは元HCケビン・ステファンスキー率いるオフェンスで課された責任と試合のスピードに圧倒されているように見えた。結局、ワトソンはそのシーズンで7試合に先発した後にアキレス腱(けん)を断裂。その問題に関連する合併症が原因で2025年シーズンも棒に振った。

そうした中、ワトソンのブラウンズでのキャリアは事実上終わりを迎えたと多くの人が考え、推測するようになった。

その後、モンケンHCが就任し、ワトソンを含む新たな体制を整えた。ワトソンは水曜日、2023年シーズン第3週以降で初めて万全の状態だと明かしている。それは、キャリアの中でも特に印象的なパフォーマンスを見せ、ボルティモア・レイブンズに33対31で逆転勝利した試合に臨む7週間前のことだった。

レイブンズ戦の後半における爆発的なパフォーマンス――パス14回中14回成功、134ヤード、タッチダウン1回を記録――を見たブラウンズファンは、大きな期待を抱くようになった。しかし、その直後にワトソンが以前と同じクオーターバックではなくなったことを知ることになる。ワトソンが投球側の肩の関節窩を骨折したことが判明し、シーズン第10週を最後に2023年シーズンを終えることになったからだ。

2027年に何が起こるか考えたことがあるかと尋ねられた30歳のワトソンは「フル出場できるようにしようと思っている」と答えている。

「全17試合以上に出場できるよう、とにかく健康でいようとしている。どうなるかは分からない。そのときに何が起こるかはそのとき次第だ」

ワトソンにとって健康維持が最優先事項であるならば、サンダースを抑えて先発の座を勝ち取ることはその次に重要な課題となる。ブラウンズは2026年のオフシーズンを通じて、実力でその座を勝ち取るのであればワトソンが先発に復帰する可能性はあると示唆してきた。モンケンHCは6月時点でどちらが優勢か明言していない。しかし、ワトソンがヒューストン・テキサンズに在籍していた2020年シーズンにパスヤードでリーグトップに立った頃の調子を取り戻せれば、8月までに先発の座は彼のものになるはずだ。

3度のプロボウル選出経歴を持つワトソンは、再び先発の座をつかむチャンスを得ることについて「それはとても重要だ」と話している。

「ロッカールームに入るすべての選手が、このリーグで先発したいという心構えを持つべきだと思う。だからこそ、俺は毎日練習に励んでいる。日曜であろうと何曜であろうと、フィールドに出て結果を出せるようにするためにね。それが復帰できるように懸命に努力している最大の理由だ」

一方でワトソンは、過度に期待を抱くことには慎重な姿勢を示している。2020年シーズンはすでにかなり前の出来事だ。

「2020年(シーズン)を再現しようとしているわけではない」とワトソンは強調している。

「あの頃の自分とは別人だ。年を重ねるとともに賢くなった。誰もが時計の針を戻したいと思うものだけど、それはできない。結局のところ、クリーブランド・ブラウンズの選手として、デショーン・ワトソンとして可能な限り最高の存在、最高の選手になることに集中するしかない。それだけに集中している」

その目標を達成できれば、ワトソンは先発の座に返り咲き、NFLで起用する価値があることを証明する最後のチャンスを得ることになるだろう。そのためには2025年ドラフト5巡目指名を受けたサンダースを打ち負かす必要がある。ステファンスキー元HCに最後の手段として先発に起用されたサンダースは、ドラフト3日目指名選手にありがちな浮き沈みを見せながらも、シーズン終了までその座を守り抜いた。

ワトソンはサンダースとの関係について「良好だ」と明かしている。

「サンダース家のことは前から知っている。彼の兄とはSMU(南メソジスト大学)にいた頃からの知り合いだ。昔はそのチームに出入りしていて、彼の兄もそこの選手の1人だった。彼の家族とは良い関係にある。俺たちはいつもお互いに応援し合っている」

「俺たちにはどちらも、フィールドに出てチームのために最高のパフォーマンスを発揮し、モンクや組織に誰を起用するかを決めてもらう機会がある。そして、俺たちはお互いに支え合うつもりだ」

まだ6月だという点を忘れてはならない。ワトソンに残された能力や実力が真に試されるのは、8月にブラウンズがプレシーズンゲームに臨むときだ。とはいえ、ワトソンには2024年シーズン開幕時以降で初めて、楽観的になれる理由があると言えよう。

その楽観的な見方が9月まで続くかどうかに注目だ。

【RA】