キャリアを変える勝利を収めるもスーパーボウルでのパフォーマンスを悔やむシーホークスQBダーノルド
2026年06月24日(水) 12:09
シアトル・シーホークスのクオーターバック(QB)サム・ダーノルドが抱える問題は、この数年で大きく変化した。ダーノルドは、ニューヨーク・ジェッツのファンから非難を浴び、リーグで再びチャンスを得られるかを疑問視されていた選手から、優勝を果たしたスーパーボウルにおける自身のパフォーマンスを細かく分析できる選手へと変貌を遂げている。
元NFL選手のテイラー・ルワンやウィル・コンプトンと共にポッドキャスト『Bussin’ With The Boys(バッシン・ウィズ・ザ・ボーイズ)』に出演したダーノルドは「嫌なやつだと思われたくないけど、スーパーボウルではあまり良いプレーができなかった」と語った。
シーホークスの勝利に貢献し、その中で自身のキャリアを変えるような成功を収めたにもかかわらず、自分のミスについて考えずにはいられなかったダーノルドは、次のように話している。
「あまりにも多くのパスを外してしまった。それでも勝てたのはディフェンスが奮闘してくれたからだ。ターンオーバーがなかったことも助けになった」
「でも、ああいう形でスーパーボウルを制覇したことについてはちょっと落ち込んだ。40点くらいとりたかったんだ。言いたいことは分かるだろ? フィールドに出て思いきりプレーしたかったのに、スーパーボウルで最高のフットボールができなかったのかって思うと、それは悔しいよ」
それはいわゆる“ぜいたくな悩み”だと言えよう。
しかし、ダーノルドが自身のパフォーマンスを嘆いているのは自分のためだけではない。ダーノルドは、自身が感じている不足点を、再び優勝候補の筆頭となるはずのシーホークスの目標に組み込もうとしていると明かしている。
「一番大事なのは、自分の弱点を克服し続けることだと思う。この1年で良くなかった部分を理解することだ。自分の場合、それはディープボールの精度を高め続けることや、どうすればその部分で上達できるかを理解すること、ポケット内で足の動きを落ち着かせることだと思っている。自分は少し落ち着きがない気がする。ポケットにいるときにそういう部分が少し出てしまうことがあるんだ。だから、足の動きを落ち着かせて、自分の進め方を確認していきたい」
ポストシーズンでは一度もターンオーバーを喫さなかったダーノルドだが、レギュラーシーズンでの20回のターンオーバー(インターセプト14回、ファンブルロスト6回)についても改善できる部分として挙げている。
「もう一つ成長すべき点はターンオーバーだ。去年はターンオーバーが多すぎたと思う。だから、プレーオフの時と同じように、第1ダウンと第2ダウンで正しいマインドセットを持ち続けて、オフェンシブラインのみんなを満足させつつ、早めにボールを出していくつもりだ」
それでも、ダーノルドがNFLでこれまで経験してきた状況と比べれば、現状ははるかに良いと言えよう。キャリア序盤のジェッツ時代に結果を残せなかったことについて、今でも後悔していると明かしたダーノルドは、次のようにコメントしている。
「選手にとっての夢は、キャリアを通して同じフランチャイズに在籍し続けることだと思う。そうじゃない場合もあるかもしれないけど、少なくとも自分はそう考えていた。ニューヨークで散々な時期を過ごしていたとしても、そこで状況を好転させたかった。ジェッツでスーパーボウルに勝ちたかったんだ。もちろん、それは実現しなかったし、そういう運命じゃなかったんだけど、俺はそれを望んでいた。それが夢だったんだ」
ダーノルドはシーホークスに加入する前のキャリアにおける長い過渡期についても語った。ジェッツからカロライナ・パンサーズ、サンフランシスコ・49ers、ミネソタ・バイキングスへと移籍を重ねた後、再びチームを率いる機会を得た経緯についてだ。ダーノルドはバイキングスでの経験を“素晴らしかった”と振り返った一方で、2024年シーズンに14勝3敗の成績を残したにもかかわらず、J.J.マッカーシーが控える中でチームから“低額の”1年契約を提示されたことから、自身の去就は予見できたとも話している。
「俺からすれば、あるチームで成功を収めて、ロッカールームの仲間たちとも親しくなれたんだから、もちろんその関係を続けたいと思う。でも、交渉が始まってからすぐに、ああ、ここは自分の居場所にはならないんだなと感じた」
“悪意がある”わけではないと強調したダーノルドは、バイキングスの元ジェネラルマネジャー(GM)クウェシ・アドフォ・メンサの立場も理解していたと述べている。
「GMがどういう考えだったのかは分かる。本当にそう思っている。そういう状況は多くのチームで見られるものだ。新人クオーターバックとその新人契約を活用するのさ。新人クオーターバックがいるうちに好機を逃さず、周りの選手たちにお金を使ってチームを強くしようとするんだ。そういう考え方は理解しているし、ドラフト1巡目で選手を指名して、その選手こそがチームの中心になると信じることも理解できる」
「だから俺としては、相手の立場に立って理解しなきゃいけなかったんだ。彼らの考えは完全に理解できた。原点に戻れば、すべての物事には理由があるし、その中にはこういう部分もある。よし、来季はミネソタにいる運命じゃなかったけど、それでも構わないってね」
ダーノルドの直感は正しかった。ダーノルドはインタビューの中で、ピッツバーグ・スティーラーズも検討していた選択肢の1つだったとほのめかしていたが、結局はシーホークスとの相性がぴったりだったのだ。完璧なパフォーマンスは発揮できなかったものの、最終的にダーノルドが成し遂げたスーパーボウル制覇は、そこに至るまでの苦労に報いるものとなっている。
【RA】



































