ミネソタ・バイキングスがヘッドコーチ（HC）マイク・ジマーとジェネラルマネジャー（GM）リック・スピールマンを現地10日（月）に解雇したと『NFL Network（NFLネットワーク）』のトム・ペリセロが報じた。

バイキングスも後に2人のチーム離脱を発表している。

バイキングスのオーナーであるジギー・ウィルフとマーク・ウィルフは声明にて「リックとマイクのこのチームへのコミットメントとフィールド上の成功、そしてわれわれのコミュニティに良い影響を与えようという彼らの情熱と、選手やコーチ、スタッフへの献身に感謝する」と述べた。

「これらの決断は容易ではなかったが、今こそ新たなリーダーシップがチームを高め、安定してチャンピオンシップ争いができるようになるときだと考えている。リックとマイク、および彼らの家族の今後の健勝を祈っている」

「広範囲にわたる新ジェネラルマネジャーと新ヘッドコーチ探しはすぐに始まり、内部で進められる。われわれは成功を維持し、バイキングスファンが期待し、彼らにふさわしいスーパーボウルチャンピオンシップをもたらそうと決意している」

バイキングスはジマーが2014年に雇われてから初めて、勝率.500を連続して下回っていた。ジマーの在籍期間はNFLの32チームの中で7番目に長く、ミネソタ時代に72勝56敗1分を記録している。

月曜日に発行されたリリースの中で、ジマーは次のように語った。

「私はこのオーガナイゼーションと選手たちに全身全霊を捧げてきた。私には傑出したアシスタントコーチたちがいて、彼らは休むことなく働いてきた。われわれがやり遂げることができなかったのが残念だ。ファンがここを本当に特別な場所にしている。日曜午後のU.S.バンク・スタジアムには信じられない雰囲気があった。選手たちへのコーチングを恋しく思うだろう。彼らの一部は、私と8年間ずっと共に過ごしてきた。2014年に私を温かく迎え、私が彼らを偉大なチームへと導くことができると信じてくれた選手たちに感謝したい」

ジマーはミネソタでいくつかの厳しい状況を乗り切ってきた。その中にはクオーターバック（QB）テディ・ブリッジウォーターの大ケガや、ランニングバック（RB）エイドリアン・ピーターソンのバイキングス時代の終わりなどがある。

ジマー時代のハイライトは2017年だった。NFLでナンバー1を誇る守備陣を擁するバイキングスは、バックアップQBだったケイス・キーナムと共に13勝3敗をマークし、第2シードを確保した。プレーオフでニューオーリンズ・セインツを29対24で下した“ミネソタの奇跡”として知られる試合では、終了時間間際にキーナムがワイドレシーバー（WR）ステフォン・ディッグスに61ヤードのタッチダウンパスをつなげている。しかしながら、ジマー率いるバイキングスの快進撃はNFC（ナショナル・フットボール・カンファレンス）チャンピオンシップゲームでフィラデルフィア・イーグルスに38対7で大敗したことで終了。この時の対戦相手だったイーグルスが第52回スーパーボウルを制している。

バイキングスはそこからいまだ立ち直っておらず、ミネソタの奇跡の後はプレーオフで1勝するにとどまり、今季はジマーHC時代で初めて2連続で負け越しのシーズンを過ごした。2014年に就任するやリーグ最弱のディフェンスを立て直したジマーだったが、2021年には守備陣がリーグでも最も低迷したものの一つに数えられる状態でチームを去る。

ジマーの解雇よりも驚きだったのがスピールマンとの離別だ。スピールマンはNFLの中でも敬意を集めるジェネラルマネジャーの一人で、ダイナミックなドラフトで知られてきた。特に弟のクリスが役員に連なっているデトロイト・ライオンズなど、スピールマンが遠くないうちに他のフロントオフィスに加わっても驚きではない。

バイキングスは中庸を選ぶことなく、完全に新しい時代に点火しようとしている。

「ジギー＆マーク・ウィルフとウィルフ家の皆さまに、私を信じ、フットボールオペレーションスタッフとして成功するために必要なリソースを常に提供してくれたことを感謝したい」とスピールマンは声明で述べた。

「NFLでこれだけ長い間一つの地位にいるのはありふれたことではなく、そのことがこのオーナーシップグループがいかに安定性を信じ、彼らのリーダーたちをサポートしてきたかを示している」

新首脳陣が取り組むべき最初の大きな問題は、QBカーク・カズンズにどう対応するかだ。ベテランQBのカズンズは契約最終年の2022年に3,500万ドル（約40億3,000万円）を保証されており、キャップヒットは4,500万ドル（約51億9,000万円）を数える。

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