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エイドリアン・ピーターソンとの戦いに向けて“ボクシングに集中”するリビオン・ベル

2022年07月13日(水) 14:21


リビオン・ベル【AP Photo/John Munson】

シーズン開幕まで先が見通せない状況の中、元オールプロのランニングバック(RB)であるエイドリアン・ピーターソンとリビオン・ベルの2人が現地7月30日(土)にロサンゼルスのクリプト・ドットコム・アリーナで行われるボクシングのエキシビションマッチで激突することになった。

ベルとピーターソンは火曜日に行われた対戦前記者会見でお互いに十分な敬意を示し、罵倒的な言葉や予測めいたものはほとんど口にせず、フィールドでそれぞれの前に待っているものについて最も注目すべき意見を述べている。

昨シーズンにボルティモア・レイブンズとタンパベイ・バッカニアーズに所属していたベルは、2022年にはフットボールをする予定はなく、ボクシング一本に絞るようだ。

ベルは、イベントのプロモーターである『Social Gloves(ソーシャル・グローブ)』主催の記者会見で、「俺は喜んで今回の挑戦を引き受けたよ。昨年は、ボクシングに集中するために、ほとんど1年間休んでいた。なぜなら、ボクシングに転向したいとなんとなくわかっていたからだ。今年はボクシングに専念するため、試合には出られないとわかっている。この転向は新たなチャンスで、自分をアピールできる準備はできている」と話した。

「これは一過性のものではない。これは、俺が何をするのか、どのように自分自身を進めていくのかを示す、俺の紹介のようなものだと思うんだ。自己紹介なのさ」

ピーターソンの紹介がどういったものになるにしろ、NFLの歴代5位のラッシャーがNFLのドアを開けっぱなしにしてボクシングの機会を求めにいったことを考えると、それはあまり決定的な紹介ではないように思える。

ビデオカメラ経由で記者会見に出演したピーターソンは「これは、俺がどれだけ最後まで取り組んだかによって、自分自身が前進していることを間違いなく確かめることができるものなんだ。俺が始めたことだから、俺はやり続けるつもりだ。正方形のリングに足を踏み入れることはボールゲームとは違うから、俺はリングに立ち続け、練習を続け、自分のスキルを高めていく。幸いなことに、俺の周りには経験豊富な素晴らしい仲間がいる。ヒューストンにある俺のジムには、リングがあるんだ。いつも多くの選手がスパーリングをしていて、過去にも何度か彼らとスパーリングをする機会があったし、最近もここで試合の準備をしている。だから、この先も何かできるかもしれない。この試合が終わっても、俺はいつもと同じように、次の機会が訪れるのを待つよ」とコメントした。

2人合計2万1,472ラッシングヤード、ボクシングで経験したラウンド数はゼロという壮大な数字を抱え、ベルとピーターソンはヘビー級マッチのリングに上がることになる。

37歳のピーターソンは2021年シーズンにテネシー・タイタンズで3試合、シアトル・シーホークスで1試合の計4試合に出場した。キャリア通算1万4,918ラッシングヤードを記録したピーターソンは7チームで17シーズンにわたってプレーしており、昨シーズンは6チーム目と7チーム目で戦っていた。30歳のベルは2021年にレイブンズで5試合、バッカニアーズで3試合の計8試合に出場している。

ベルは以前からボクシングの技術に取り組んできたことを明かし、自分の長所とスタイルはラッシングでのスタイルを多少なりとも反映したものであり、クイックネスを使って忍耐強くショットを選ぶという部分だと考えている。

「リングに上がる99%の相手より、明らかに自分の方が素早いと思っている。俺のスピード、クイックネス、タイミングは、他の誰にも負けないだろうな。フットボールをボクシングに置き換えて説明するのは難しいが、俺のフットボールスタイルを真似して、俺よりも多くフィールドを回ろうとすれば、分かると思う。俺は忍耐強いと言われる。あれやこれやと相手の穴を見つけるけど、すべてはタイミングなんだ。俺をプレーしやすくしているのはタイミングなんだよ。ボクシングはタイミングが重要で、NFLやNBA、あるいはこのスポーツに転向しようとした他の多くの選手たちと比べて、俺を選手として際立たせているのは、この俊敏性だと思うんだ。30日には俺のタイミングとスピードと俊敏性を披露するつもりだ。みんなはそれを見ることになる。俺がリングで何を見せるのかみんなに30日の試合を待ってもらいたいから、インターネット上ではずっと話すのを控えていたんだけどね」とベルは話した。

その一方で、ピーターソンは自分の粘り強さと、パワーで優位に立てると考えている。

ピーターソンは「リビオンは強いと知っているよ。でも、爆発力とパワーでいったら俺が優位に立てると思う。確かに、パワーをどこで使うのかは選ばないといけないし、俺はそれに関してはまだ初心者さ。でもさっきも言ったように、俺は何をするにも全力を尽くすし、俺の周りには素晴らしいチームがいる。だから、より爆発的に、よりパワフルになることに関しては、俺の方が有利だと感じる。身長や腕の長さも、俺の方が少し長いだろうしね。俺の一番の強みは、精神力だと思うんだ。タフネスと根性は、フットボール以外でも多くのことを乗り越えてきた。それを頼りにしていく」とコメントした。

ベルとピーターソンの対決は、ソーシャルメディアやアスリート、セレブリティに注目するボクシングイベント『Social Gloves 2(ソーシャル・グローブ2)』の前座試合として行われる。ペイ・パー・ビューの形態で放送される『Social Gloves 2』には、YouTubeのパーソナリティであるオースティン・マクブルームとAnEsonGib(アネソンギブ)が登場する予定だ。また、元NBA選手のニック・ヤングがラッパーのBlueface(ブルーフェイス)と戦うほか、DGGとPnB Rockのラッパー対決も予定されている。

往年の名選手であり、ボクシングの初心者でもあるピーターソンとベルが激突する。それぞれのその後の展開も、エキシビションでの試合と同じくらい興味深いものになりそうだ。

【AK】