自身の引退から一週間が経ったトム・ブレイディは、グリーンベイ・パッカーズのクオーターバック（QB）アーロン・ロジャースも自分と同じ側に来るべきかについて考えを巡らせている。

ニューイングランド・ペイトリオッツとタンパベイ・バッカニアーズの元クオーターバックであるブレイディは、『SiriusXM（シリウスXM）』のポッドキャスト“Let’s Go! with Tom Brady, Larry Fitzgerald and Jim Gray（レッツゴー！　ウィズ・トム・ブレイディ、ラリー・フィッツジェラルド、ジム・グレイ）”の最新のエピソードで、ロジャースにはまだキャリアを続けてほしいと語った。

「彼には引退してほしくないと思っている」とブレイディは述べた。「このリーグは優秀なクオーターバックを必要としていて、彼は卓越した選手の一人だ。だから、彼が引退したらリーグにとって悲しい日になるだろう」

どのような選手であっても退き時を見極めるのは難しい。ましてや、パッカーズで2個目のスーパーボウルリングを10年以上も追いかけてきたスター選手であればなおさらだ。しかし、2022年のロジャースはあらゆることを考慮しても、注目に値するシーズンを送ったようにブレイディの目には映ったようだ。

「あのような活躍を見せながら彼が引退するというのは考えたくない。彼は今年親指を骨折したが、それでも圧巻のプレーをした」とブレイディは言う。「シーズンが進むにつれてケガの調子は良くなって、いかに才能のある選手かを見せつけられた」

「だから、優秀な選手にはプレーを続けてほしい。それが僕の願いだ。僕自身がそうしようとした。次の世代にも同じような志を持ってもらいたいし、それを実現できる環境が整っていることを願っている。幸いにも僕には親友で兄弟のような存在のアレックス・ゲレーロがいて、彼がたくさんのことを教えてくれた」

先週、放送界への進出を一年遅らせてから『FOX Sports（FOXスポーツ）』に加わると話していたブレイディは、優秀な選手にプレーを続けてほしいという考えを繰り返した。昨シーズン序盤にブレイディは「僕が見ている限り、ひどいフットボールが多いと思う」と、リーグ内のプレーの質について厳しい発言をして一部の人々を驚かせた。ブレイディは当時「ひどいフットボールをたくさん目にする。質の悪いフットボールしか見ていないようだ」と話していた。

ところが、第57回スーパーボウルでブレイディの態度は一変。カンザスシティ・チーフスとフィラデルフィア・イーグルスの戦いを「なかなか見応えのある試合」と評し、パトリック・マホームズとジェイレン・ハーツによる「素晴らしいクオーターバックのプレーをたくさん見ることができた」とコメントした。

「ジェイレンのプレーは見事だった」とブレイディは話している。「パトリックは必要なときに粘り強いプレーをしていた。素晴らしいシーズンの締めくくりにふさわしい試合だったよ。シーズンを通してトップの地位を維持してきた2チームがスーパーボウルに出場し、今季で一番良い試合の一つとなった。だから、見ていて本当に楽しかった」

ブレイディはもう現役選手としてプレーすることはないかもしれないが、心は常にクオーターバックのままだろう。彼の中でクオーターバックはフットボール全体の成功と人気をけん引するポジションなのだ。

「パトリックのような選手たちが長い間プレーすることを期待している」とブレイディは話す。「ジェイレンは長い間プレーできるだろう。他にもジョシュ・アレンやジョー・バロウといった傑出したプレーヤーが多くのものをもたらしてくれる。だからみんな試合を観る。ジャージの色ではなく、ジャージを着ている選手を観ているんだ」

ロジャースはプレーし続けるだけでなく、ブレイディが10回も経験しているあのスーパーボウルパーティーをもう一度味わうことができるだろうか？　可能性はある。しかし、そのためにはロジャースがまず、数年前から計画している自らに課した“暗がりでの瞑想”を完遂しなければならない。

ブレイディが暗い小屋の中で毎日2食しかとらず、4日間も過ごしている姿はなかなか滑稽と言えよう。このコンセプトについてブレイディは具体的な意見は述べなかったものの、考えを研ぎ澄ませるために、常にオンラインの世界とつながっている日常から自らを切り離すというのは悪くないとロジャースの姿勢に理解を示した。

「みんなそれぞれのプロセスを持っている。誰もがもう少しスマホを見ない時間を作るべきだ。もう少しテレビから離れる必要がある。もっと自然の中で過ごす時間が必要で、もっと静寂が必要で、もっと安らぎが必要だと思う」とブレイディは述べた。

「彼がどのような方法でそれを行おうと、それは良いことだ。シーズンをどう振り返るかは人それぞれ。誰もがすごく神経をすり減らすものだし、どうするかは自由に選ぶことができる」

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