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コルツがイーグルスOCシェーン・スタイケンをHCとして採用

2023年02月15日(水) 12:57


シェーン・スタイケン【AP Photo/Darron Cummings】

インディアナポリス・コルツはまたしてもスーパーボウル出場直後のフィラデルフィア・イーグルスの攻撃コーディネーター(OC)を採用し、インディアナポリスをフットボールの次の時代へと導こうとしている。

現地14日(火)、コルツはシェーン・スタイケンを次期ヘッドコーチ(HC)として採用したことを発表した。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートは情報筋の話を元に、スタイケンがコルツから6年契約を取り付けたと報じている。

スタイケンはコルツでの5シーズン目の途中に解雇されたフランク・ライクの後任だ。イーグルスで2年間にわたって攻撃コーディネーターを務めていたライクは、イーグルスが第52回スーパーボウルでニューイングランド・ペイトリオッツに勝利して頂点に立った後、2018年にコルツのヘッドコーチとして採用された。

ライク解任後に暫定HCを務めていたジェフ・サタデーは、ヘッドコーチ職の2次面接を受けた数名の候補者のうちの1人となっていた。

スタイケンはコルツの70年の歴史の中で22番目のヘッドコーチになろうとしている。

火曜日に行われた就任記者会見の場で「私たちの文化は4つの柱によって築かれることになる」と述べたスタイケンはこう続けた。「1つ目は品性――品性は私にとって重要なものだ。尊敬の念を持って人と接し、ポジティブな姿勢を養い、ネガティブな要素を排除したい。2つ目は準備。このリーグでは準備が勝負の分かれ目になると、私は心から思っている。月曜日から土曜日まで、フットボールチームとして、組織として、どのように準備するかが最終的にフットボールの試合結果を左右する。では、それが勝利を保証してくれるのか? そうではない。しかし、それは私たちに戦うチャンスを与えてくれる――それはお約束する。3つ目は一貫性だ。一貫性を保つ必要がある。それは、私たちコーチが選手に対して一貫したメッセージを送り、どのように見せたいか、どのようにやってほしいかを正確に伝えることから始まる。4つ目は執拗さだ。最高の状態になるためには、執拗なまでの追求が必要だ。これまでに関わってきた最高の選手や最高のコーチは、自分の技術にこだわっていた。それこそ私たちがここで築きたいものであり、成し遂げたいことだ」

コルツは2019年に電撃的な引退をしたアンドリュー・ラックに代わる安定したクオーターバック(QB)を見つけるのに苦労しているフランチャイズの軌道修正に新人ヘッドコーチを起用する。ラックの引退後、コルツは31勝34敗、プレーオフ進出1回(プレーオフでは0勝)という成績を残してきた。

コルツのオーナーであるジム・アーセイは火曜日に「シェーンはオフェンスの魔法を多く持っており、それはこのリーグではなかなか見つけられない」と述べた。「私の考えでは、オフェンスは比較的やや複雑で、若いクオーターバックを見つけて育てるのに長い時間がかかる。それは重要な要素ではあるが、彼はリーダーシップを発揮し、存在感を示さなければならない。そして、彼は面接でそれを見せてくれた」

37歳のスタイケンは11年間にわたるNFLでのコーチングキャリアで、注目すべき若手QBを何人も育成している。

スタイケンはイーグルスに加入する前、2020年にQBジャスティン・ハーバートの歴史的なルーキーシーズンを生み出したロサンゼルス・チャージャーズで攻撃コーディネーターを務めていた。当時、ハーバートはタッチダウンパス数(31回)、パス成功数(396回)、試合平均パスヤード(289.1ヤード)で歴代の新人記録を更新している。

次のシーズンにイーグルスに移ったスタイケンは、そこでも別の若手QBの育成で不可欠な役割を担っており、QBジェイレン・ハーツが合計で3,928ヤード(3,144パスヤード、784ランヤード)を記録するのに貢献。1年目の先発QBと新人ヘッドコーチの下でプレーオフ進出を果たしたリーグトップのラッシングオフェンスを構築した。

火曜日に守備コーディネーター(DC)ジョナサン・ギャノンも失ったイーグルスは2022年に、ハーツが指揮を執ってスタイケンがプレーをコールしていた中で本領を発揮し、試合平均で389.1ヤード、28.1得点を挙げ、リーグ最高のレギュラーシーズン成績(14勝3敗)を達成した。第1シードを獲得したイーグルスは、プレーオフでもその勢いを維持し、勝利した2試合でいずれも30点以上の得点を挙げ、フランチャイズ史上4度目のNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)タイトルを獲得している。

日曜日に実施された第57回スーパーボウルで、イーグルスはトータルで417ヤードと35ポイントを稼いだが、結果としてはカンザスシティ・チーフスに敗れた。

スタイケンがコルツで過ごす最初のシーズンに誰がクオーターバックを務めるのかは今のところ未定だ。NFLで次世代のオフェンスリーダーの1人になると期待している人物を雇ったコルツは、2023年NFLドラフトで全体4位指名権を確保しているため、クオーターバックを指名する準備が整っていると言えよう。

火曜日、ジェネラルマネジャー(GM)クリス・バラードにこの話題がふられたとき、アーセイはアラバマ大学のQBブライス・ヤングがお気に入りだと何気なく認めている。

「アラバマの子も悪くないと思う。そう言っておこう」とアーセイはコメントした。

スタイケンはヘッドコーチとしての最初のシーズンで攻撃プレーをコールする予定だと明かしている。また、自分のオフェンス哲学に関しては“このリーグでは点を取るために投げ、勝つために走る”と詳述した。

「私がクオーターバックに求めるものは、正確さ、決断力、創造力の3つだと思う」と語ったスタイケンは次のように続けている。「ジェイレン・ハーツ、ジャスティン・ハーバート、フィリップ・リバースなど、私がこれまで関わってきた選手たちには共通して“自分の技術に執着する”部分があったと言えると思う。クオーターバックの中にそれを見つけられたら、おそらく何らかの成功を収めることができるはずだ」

スタイケンは2021年にリーグ2位のラッシングオフェンスを生み出してからわずか1年しか経っていないコルツチームを引き継ぐ。ほとんどのオフェンシブラインマン(OL)はチームに戻ってくる予定であり、2021年にリーグのラッシングチャンピオンに輝くも、2022年シーズンに度重なるケガに苦しんだスターランニングバック(RB)ジョナサン・テイラーも完全に健康な状態を取り戻すことが期待されている。また、コルツは2023年シーズンに向けてディフェンスの中核を担う選手も確保している状態だ。

【RA】