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レイブンズがDEクロスビーのトレードから“撤退”したとレイダースが発表

2026年03月11日(水) 15:08

ラスベガス・レイダースのマックス・クロスビー【NFL】

2026年オフシーズン最大のトレードが白紙に戻った。

ボルティモア・レイブンズがディフェンシブエンド(DE)マックス・クロスビー獲得に向けたトレードから“撤退した”とラスベガス・レイダースが声明で発表した。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイク・ガラフォロによると、レイブンズの判断は医療上の理由によるものだという。

レイダースは声明で「ボルティモア・レイブンズがマックス・クロスビーに関するトレード合意から撤退した。現時点でこれ以上のコメントはない」と述べている。

レイブンズは声明を出さず、チーム公式サイトの記事で報道内容を引用。身体検査の結果を待つ中で合意に至っていたトレードは、水曜日の新リーグイヤー開始後に正式に成立する予定だった。

クロスビーの代理人であるCJラボイはソーシャルメディアで声明を発表し、クロスビーが膝の手術から“予定より早く”回復していると明かしている。

レイブンズとレイダースは3月6日にトレードで合意。レイダースはこのトレードで2つのドラフト1巡目指名権を獲得するはずだった。クロスビーはすでに新天地となるはずだったボルティモアへ向かっていたが、身体検査の結果、この取引は実現しないことになった。

クロスビーのレイダース退団は、2025年シーズン最後の2試合で膝のケガを理由に故障者リザーブ(IR)に登録されたときから予想されていた。クロスビーはこの決定に不満を抱いていたが、オフシーズンには半月板の修復手術を受けている。

火曜日の報道が、レイブンズが他チームと取引する際にも悪影響を及ぼす可能性があると『NFL Network(NFLネットワーク)』のキャメロン・ウォルフは報じている。ウォルフによると、あるチームのジェネラルマネジャー(GM)は、トレード交渉に関わったすべての人が、クロスビーが6月または7月まで離脱することを知っていたと話していたという。ウォルフが把握した共通認識は、レイブンズが直前になって尻込みしたというものだ。

取り消しボタンを押すことは、両チームに大きな影響を及ぼすだけでなく、最初の争奪戦でクロスビーを逃した他の多くのチームにも影響を与える。

特にレイダースは今後の進め方を考えなければならない。新リーグイヤーが始まる水曜日に向けた交渉期間中に大量のキャップスペースを確保したチームのように支出を重ねてきたからだ。

レイダースは月曜日に2億8,150万ドル(約445億1,542万円)を費やしてチームを補強。レイブンズに所属していたセンター(C)タイラー・リンダーバウムと契約に合意してオフェンシブラインを強化し、コーナーバック(CB)エリック・ストークスと再契約。さらに、クロスビーが去った後の将来を見据えてディフェンシブエンド(DE)クイティ・ペイ、ラインバッカー(LB)ネコビ・ディーン、LBクエイ・ウォーカー、CBタロン・ジョンソンも加えて守備陣を補強した。

クロスビーのトレードと同様に、フリーエージェントの契約はいずれもまだ正式に成立していない。『Spotrac』によると、このトレードが破談になったことで、レイダースは3,000万ドル(約47億4,423万円)のキャップスペースを失ったという。

一方、レイブンズはクロスビーの獲得が最大の補強であることを前提に動いていたため、現時点ではバックアップクオーターバック(QB)タイラー・ハントリーとの再契約と、ガード(G)ジョン・シンプソンとの3年契約しかまとめていない。すでに他チームとの契約に合意しているフリーエージェントの中に、レイブンズが狙っていた選手がいるかは不明だ。

先週金曜日に報じられたレイブンズによるクロスビー獲得は、フリーエージェンシーの第一波の幕開けとなった。この取引が白紙に戻ったことによる影響は複数のチームに及ぶだろう。

あるチームのジェネラルマネジャーはNFLネットワークのトム・ペリセロに対し、リーグ全体の感情を要約して「これは完全にボルティモアによる身勝手な行動だ」と述べている。

評価はさておき、ガラフォロ、ペリセロ、NFLネットワークのイアン・ラポポートは、クロスビーが再びトレードされる可能性はあるものの、医療上の問題が契約内容に影響を及ぼしかねないと指摘した。クロスビーの獲得に関心を持ち続けているチームでは、他の新戦力に費やす金額が判断に影響を及ぼすかもしれない。

この2日間で方針を完全に転換したチームとして際立っているのはダラス・カウボーイズだ。NFLネットワークのジェーン・スレーターは最初のトレード合意を受けて、カウボーイズは獲得に興味を示したものの、2つの1巡目指名権という条件に合わせることはないと報じていた。そして、スレーターは水曜日に、カウボーイズがクロスビーの獲得を断念したと伝えている。

カウボーイズはグリーンベイ・パッカーズとのトレードで2027年ドラフト4巡目指名権と引き換えに、クロスビーよりも知名度の低いDEラシャン・ゲイリーを獲得。さらに、ディフェンシブタックル(DT)オティト・オグボニアも加えることになった。いずれの動きも11日(水)アメリカ東部時間13時【日本時間12日(木)3時】までは正式に成立しない。

レイブンズのトレードが医療上の問題で頓挫した中、条件が自分たちにとって妥当な水準まで下がる可能性があると分かった上で、再び交渉に乗り出すチームはあるのだろうか? 傑出した才能を持つ選手の獲得に向け、どれほどの組織がトレードを再検討するのだろうか? 取引相手が現れずに、クロスビーがすでに別れを告げたレイダースに戻ることになった場合、チームやファンはどのように反応するのだろうか?

確かなのは、クロスビーが当分の間ラスベガスに戻るということだけだ。

【RA】