フィラデルフィア・イーグルスのクオーターバック（QB）ジェイレン・ハーツは肩のケガのため、昨シーズン終盤の2試合を欠場した。イーグルスはその2試合ともに敗れ、プレーオフ第1シードが一時危うくなったほど。2021年シーズンのハーツは足首のケガに対応した。ハーツのフィジカル重視なプレースタイルは、イーグルスの攻撃陣を脅威あるものにしている一方、同時にケガをするリスクもはらんでいる。

2023年シーズンにハーツが不運なケガに見舞われ、スーパーボウルへの望みが枯れることのないよう、イーグルスには有能な控えが必要だ。昨シーズンの控えであったガードナー・ミンシューがインディアナポリス・コルツに移籍したため、イーグルスは今オフシーズン、アトランタ・ファルコンズで1シーズン苦戦したものの、ニック・シリアニの攻撃にうまくかみ合い、デュアルスレット能力を持つベテランのマーカス・マリオタを獲得した。

プレシーズンの2試合は、マリオタにとって理想的ではなかった。アトランタでベンチに控えていたときと同じ問題が頭をもたげている。彼は不正確なパス、特に敵陣深い位置でのミスを犯している。プレシーズン2試合を通じて何度か堅実な走りを見せており、出場すればその機動力はプラスに働くだろうが、効果的なパスを通すには簡単なミスが多すぎるのだ。

18対18での引き分けに終わった現地17日（木）のクリーブランド・ブラウンズ戦で、マリオタは前半を通してプレーし、パス17回中9回成功、86ヤード、インターセプト1回、被サック3回という結果だった。ランは1回のみで5ヤードであり、7回のドライブで合計88ヤード、1stダウン更新は5回かつ、1回のポゼッションで2回以上更新したことはなかった。

マリオタは試合後、チームを通して「だらしなかった。もっとクリーンに、もっと効率的にチームをプレーさせることができる。でもそれがプレシーズンだ。いくつかの点で調整する。サビを落として、もっと良くなる方法を見つけるよ」と話した。

対照的に、新人のタナー・マッキーは攻撃陣をジャンプスタートさせた。スタンフォード大学出身の彼は2週連続でキレがあり、効果的なパスを通すことができるほか、ポケットの中でも分かっているように見えた。マッキーは6回のドライブでパス18回中10回成功、147ヤード、タッチダウン1回を記録し、ワイドアウトが何度かパスを落とさなければ、もっといい成績を残していただろう。

木曜日、イーグルスのQBプレーが二分化していることを考えると、マッキーがハーツに次ぐNo.2の座をマリオタから奪う可能性はあるかと、シリアニは質問された。

シリアニは「その質問に答えるのは早すぎる。マーカスはわれわれの控えだし、タナーのプレーには満足している」と答えた。

シリアニは、マリオタが攻撃にもたらすものをチームは気に入っており、ゲームプランもそれに合わせなければならない、と強調した。

シリアニは「彼の良いところを見つけるのもわれわれだ。彼がよく見ているもの、彼にとってよく見えるもの。今夜は彼が望むようなプレーができなかったのは知っている。前の試合で彼が苦しんだとは思わない。君たちはそう言ったかもしれない。私はそうは言っていない。レイブンズ戦では、彼は走り回っていいプレーをしたし、ボールをよく動かしていた。だから今夜、彼がいつものレベルに達していなかったのは確かだが、彼にどういう攻撃が合うのか探すのはわれわれだ。それはわれわれが彼を学ぶということなんだ。それを見つけるために一緒に働くんだ」とコメントした。

プレシーズンゲームの後半でプレーしているマッキーは、それぞれほとんどがロースターに入らないディフェンダーと対戦している。そのような選手に上手く対応しているのはいい兆候だが、それは6巡目指名選手が次のブロック・パーディになると示しているわけではない。しかし、今シーズンでなくとも、2024年シーズンにはイーグルスの控えQBになる可能性はあるだろう。

シリアニはマッキーについて「だから、私が言いたいのは、やはり一貫してボールが計画通りに正しい場所に送られるのを見るということで、それがクオーターバックに望むことだ。彼にはそれが見えている。だから、彼はよくやっている。プレシーズンの2試合を見ただけで他の選手と比較したくはないが、もちろん、彼の様子や仕事ぶりには満足している。」と語った。

現時点で、シリアニがマッキーよりもマリオタを支持することに驚きはない。シリアニが話したこと以外の話をしてもほとんど意味はない。マリオタの苦戦が、ハーツが負傷した場合のイーグルスの存続に疑問を投げかけているのは事実だ。もし本当にハーツが負傷し、マリオタが過去2週間のようなプレーを続けた場合、このベテランがどれだけ長く使えるかが分かるだろう。

【AK】