クリフ・キングスベリーがNFLに攻撃コーディネーター（OC）として復帰する際には、ある収穫が期待されている。

ワシントン・コマンダースに着任したキングスベリーOCは、直近では南カリフォルニア大学（USC）でコーチを務めており、そこではスタークオーターバック（QB）ケイレブ・ウィリアムズが過去2シーズンにわたってプレーしていた。そしてキングスベリーOCがコマンダースに移籍した今、ほとんどの人が共通した質問に対する答えを求めている。ウィリアムズは元アシスタントコーチの後を追ってコマンダースに来る運命にあるのだろうか？

キングスベリーOCはこの話題を深く掘り下げることを避けている。現地15日（木）に行われた入団会見でも、キングスベリーOCは元USC・トロージャンズQBのウィリアムズを評価することは控え、次のように述べた。

「今は彼についてコメントしたくない。私はまだ自身のチームのロースターを評価しようとしているところだ。彼のそばにいるのが好きだとは言った。とてつもない選手だ。USCでは楽しい時間を過ごした」

もっとも、キングスベリーOCがNFLレベルでプレーするのに最も望ましいと指摘した特性を、ウィリアムズは持っている。2024 NFLドラフト指名権の順位において、コマンダースはシカゴ・ベアーズのすぐ後ろに位置しているため、ウィリアムズを獲得するために順位を上げようとするのではないかと多くの人々は考えている。特にウィリアムズが、プレーコーラーであるキングスベリーOCが求めるシグナルコーラー像に合っていればなおさらだ。

キングスベリーOCはどのような資質を求めているのか質問され、冗談交じりに「（カンザスシティ）チーフスのクオーターバック（パトリック・マホームズ）だ」と答え、こうつけ加えた。

「見ての通り、あの選手たちを見ていると、たとえば（サンフランシスコ・49ersのQB）ブロック（パーディー）と最後の彼のプレーを見ればわかると思う。勝負どころでは、自分の足でプレーしなければならない。悪いプレーから逃れるために十分に動き回るんだ。（ボルティモア・レイブンズのQB）ラマー（・ジャクソン）やカイラー・マレーのように走らなければならないという意味ではないが、最近のディフェンスの中でもディフェンシブライン（DL）のラッシュはとてもうまいから、少しでも動いて時間を稼ぐことができた方がいい。そして、チーム内で最もハードワーカーであってほしい」

ウィリアムズのチェックリストを見てみよう。機動力？　OK。抜群の腕？　OK。回避能力？　OK。そしてキングスベリーOCもすでに言及したように、ウィリアムズは“とてつもない選手”であり、ハードワーカーという項目もチェックできるだろう。

マレーを擁したアリゾナ・カーディナルスでの在任期間とは異なり、キングスベリーOCのコマンダースでの仕事はウィリアムズをロースターに加えることだけに左右されるわけではない。コマンダースがドラフト全体2位指名権にとどまるなら、他の優秀なクオーターバックを2位で獲得することもできるだろう。クオーターバックが誰であろうと、キングスベリーが遂行すべき仕事は変わらない。コマンダースオフェンスを競争力のあるものに変えることだ。

ただ、その過程でキングスベリーOCが、疑問を抱きながら掲示板を埋め尽くすようなことは期待しない方がいい。

NFL復帰で証明したいことがあるか、という質問に対してキングスベリーOCはこう返答した。

「そんなものはない。そういうアプローチをしていない。ゲームが楽しいからやっているんだ。選手たちと過ごす時間や指導する時間を楽しんでいる。日曜日を楽しむ。そういう競争が激しい環境を楽しむのさ。誰かの間違いを証明するためにこの世界に入ったわけではない」

コマンダースはロン・リベラ元HCに代わり、ダラス・カウボーイズ守備コーディネーター（DC）とファルコンズHCを務めた経験を持つダン・クインをHCに起用し、新時代への第一歩を踏み出している。一方、オフェンスはキングスベリーOCの責任となるだろう。

カーディナルスでの在籍期間が水泡に帰した後、キングスベリーOCは少し役割を減らしてプロに復帰することで、大学とNFLの両方で学んだ教訓をできるだけ効果的に生かせることを望んでいる。

「オフェンスだけに集中できるのは素晴らしいことだ。ダンはたくさんのことを抱えている。私はその立場にいた経験があるから分かる。全体を見渡しながら仕事をしている。私は今や、目の前のグループに集中して、人事にしてもスタッフにしても最大限活かせるように、ただオフェンス面においてベストを尽くそうとしている」とキングスベリーOCはコメント。

「復帰して、また同じことができることにワクワクしている。すべての集中力をそこに注ぐことができる。仕事に取りかかる準備はできている」

【KO】