ニュース

チーフス優勝パレードで発生した銃撃事件により2人の少年が起訴

2024年02月17日(土) 09:43

カンザスシティ・チーフスの優勝パレードで発生した銃撃事件を受けて警察によって封鎖されたユニオン駅周辺のパレード現場【AP Photo/Reed Hoffmann】

現地16日(金)、当局はカンザスシティ・チーフスのスーパーボウル優勝パレードで発生した銃撃事件に関連した罪で2人の少年が起訴されたと発表した。

ミズーリ州ジャクソン郡家庭裁判所からの発表によると、少年たちは「銃に関する容疑と逮捕に抵抗した容疑」で同郡の少年拘置所に勾留されているとのこと。また、報道発表では「カンザスシティ警察による捜査の継続に伴い、今後、追加容疑が予想される」とも述べている。

なお、現時点でこれ以上の情報は公表されていない。

カンザスシティ警察のステイシー・グレイブス署長は金曜日に声明で次のように述べた。

「罪のない人々を傷つけ、同時に地域社会全体に傷を負わせた2人の少年が起訴されたことに感謝している。捜査員たちはこの捜査に全力を注いでおり、今も続いている。この犯罪に関与した可能性のある者、全員が逮捕され、法の及ぶ最大限の処罰を受けるまで決して手を緩めない。当警察はカンザスシティを愛し、カンザスシティに尽力しており、すべての被害者に正義をもたらすことを決意している」

水曜午後に発生した銃撃により2児の母親1人が死亡、22人が負傷。銃声が鳴り響いたのは市内でのパレードが終わった後にユニオン駅前の集会に集まった大勢のファンの中からだった。木曜日にグレイブス署長が語ったところによると、被害者の年齢は8歳から47歳にわたり、半数は16歳以下だったという。

警察は当初3人の少年を拘留したが、銃撃に無関係と判断した1人を釈放した。警察は他に関与した可能性のある人物を探しており、目撃者、被害者、暴力行為の様子を携帯電話で撮影したビデオを持っている人に対し、専用のホットラインに電話するよう呼びかけている。

クイントン・ルーカス市長はユニオン駅の外での銃撃事件は800人以上の警察官が建物や周辺の建造物の上などにもいたにもかかわらず発生したと明かした。妻と母親と一緒に参加していたルーカス市長は銃声がした時に安全な場所に退避している。しかし、ルーカス市長は今度のセントパトリックス・デーのパレードが中止になることはないと考えているようで、「パレードはいつもある。パレードがなくなるとは思わない。確かに、私たちはパレードに関する治安上の課題や問題を認識している」とも話した。

水曜日に実施された優勝パレードは2020年以来3回目であり、これまでのパレードで暴力沙汰は発生していない。人々はパレードの沿道に詰めかけ、もっとよく見ようと木や電柱に登るファンもいた。DJやドラマーがパレードの到着を告げる中、選手たちは2階建てバスに乗って通り抜ける。

銃撃が始まった時、集会は終わったばかりで、音楽はまだ鳴り響いていた。多くの人々は最初、花火の音だと思ったという。群衆の中には地面に叩きつけられる者もいれば、障壁を飛び越えて疾走する者、子供を抱えた者もいた。

やがて、ショックを受けた集会参加者たち――その多くは涙を流していた――は荷物をまとめながら、帰宅方法を考えていた。つい先ほどまで喜びの式典が開かれていた場所に、警察が現場検証用のテープを張る中、見ず知らずの人々が互いを慰め合う。

グレイブス署長は人口約47万人の都市と約200万人の首都圏で起きたパレードには100万人が参加した可能性があるとしながらも、暴力行為はほんの一握りの人間によって引き起こされたものだと強調。

「警察の対応はお手本のようだった。参加者もそれに応えた」とグレイブス署長はつけ加えている。

亡くなった女性の身元はラジオ局『KKFI-FM』で『Taste of Tejano(テイスト・オブ・テハノ)』の司会者を務めるリサ・ロペス・ガルバンさんと判明したという。

人材派遣会社で一緒に働いていた2人の幼なじみ、ロサ・イズリエタさんとマーサ・ラミレスさんによると、ロペス・ガルバンさんは『リサ・G』というDJ名で親しまれており、ラテン系の名家の出身で、社交的で献身的な母親だったとのこと。

水曜日に発表された声明の中で、チーフスは選手、コーチ、スタッフ全員の無事を確認している。


記事提供:『The Associated Press(AP通信)』


【KO】