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セインツの新オフェンスで「一度も経験がないこと」に取り組むQBヒル

2024年05月30日(木) 09:54


ニューオーリンズ・セインツのテイサム・ヒル【AP Photo/Butch Dill】

“スイスアーミーナイフ”の愛称で親しまれるニューオーリンズ・セインツのテイサム・ヒルは、7シーズンのキャリアでクオーターバック(QB)、ワイドレシーバー(WR)、そしてタイトエンド(TE)として登録されてきた。

新攻撃コーディネーター(OC)クリント・クビアックのスキームで、ヒルはOTA(チーム合同練習)期間中にハンドオフを受けたり、フルバック(FB)の役割についたりと、バックフィールドでの仕事により多く取り組み、そのレパートリーを増やしつつある。

『New Orleans Advocate(ニューオーリンズ・アドボケート)』によると、ヒルは「とても楽しい。自分がやってきたことをやってきた7年間を経て、一度も経験がないことをするように要求されているのは奇妙な感じだ。自分にとってはエキサイティングで、チャレンジングでもある。俺はそういう挑戦が大好きだ。俺のために珍しくて楽しい機会を作ってくれる人たちに感謝している」と語ったという。

オフシーズンワークアウトに参加した記者たちによると、ヒルはタイトエンドの仕事と並行して、ショットガンのランニングバック(RB)として起用されたり、フルバックとしてリードブロッカーになったりしていたという。

「できることが多ければ多いほど、より良く、より難しくなる」とヒルは話している。

セインツはクビアックOCの指揮下でヒルをパスの脅威として起用する可能性を否定していないものの、現時点では明らかに、ヒルの主な起用法はランナーとパスキャッチの武器となりそうだ。

『Pro Football Focus(プロフットボール・フォーカス)』によると、2023年シーズンにヒルがオフェンスのスナップに参加した数は、クオーターバックとして115回(ランナーとしてボールをキープすることが多かった)、タイトエンドとして80回、スロットで130回、ワイドで71回、バックフィールドで29回の合計425回だったという。バックフィールドでのレップスのうち、フルバックで出場したのは1回のみだった。

長年にわたり、ヒルはどこに配置されてもプレーできることを証明してきた。昨シーズンにヒルが関与することでオフェンスがより効果的になる場面があったのは明らかだが、そのポジションが1つではなかったことから、オフェンスの中でヒルは見落とされがちだった。

現在はデンバー・ブロンコスのヘッドコーチ(HC)を務めているショーン・ペイトンがセインツのヘッドコーチに就任した2006年から、大きく変更されてこなかったセインツ攻撃陣をクビアックOCが修正するにあたり、ヒルの起用法はクビアックOCが起こすと期待されている変化の興味深い一面に過ぎない。

【RA】