チーフスTEケルシーがタッチダウンキャッチ数でフランチャイズ記録を更新
2024年12月27日(金) 09:54AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)のトップシードを手に入れたカンザスシティ・チーフスは、1週間休息を取ることができる。
今ほどそれにふさわしいタイミングはないだろう。チーフスは現地25日(水)のクリスマスに試合に臨み、後半にピッツバーグ・スティーラーズを突き放して29対10で勝利。それはチーフスにとって2024年シーズンで最も素晴らしい勝利だったと言え、今季のこれまでの試合よりも強力なオフェンスを展開する姿をファンに見せた。
チーフスが試合の後半に素晴らしいパフォーマンスを見せる中、歴史的な記録も達成されている。タイトエンド(TE)トラビス・ケルシーが殿堂入りしたトニー・ゴンザレスの記録を上回り、チーフスの歴代最多タッチダウンキャッチ数(77回)を更新。ケルシーはゴンザレスの象徴的なセレブレーションを模して、ゴールポストにダンクシュートを決めるような形でボールを投げた。これにはスポーツマンらしからぬ振る舞いに対するペナルティが科されている。
ケルシーにとって、そのリスクは取る価値があったようだ。
『ESPN』によると、ケルシーは「スコアは分かっていたし、仲間のハリソン(バッカー、キッカー/K)がPAT(ポイントアフタータッチダウン)を決めてくれるのも分かっていた」と話したという。
「だから、あれはトニーに対する敬意を示すもので、この組織だけではなくフットボール界全体における彼の功績に対する大きな賛辞だった。彼がいつもゴールポストにボールをダンクするのがどれほどアイコニックだったかは、みんな知っているしね。最善を尽くしたけど、彼のようにできたかは分からない」
“最善を尽くす”という言葉は、前半に自ら招いた複数の逆境を乗り越え、最後の2クオーターで本領を発揮したチーフスにとって、この日の出来事を的確に表現する言葉だろう。クオーターバック(QB)パトリック・マホームズはパス38回中29回成功、320ヤード、タッチダウン3回を記録。相手クオーターバックを苦しめることで知られるスティーラーズの守備陣を相手に、8人の異なるパスキャッチャー(最近ケガから復帰して試合に出場できるようになったマーキス・ブラウンを含む)にパスを通した。
マホームズとチーフスは今シーズンを通してやってきたように、ボールを進める方法を見つけ出した。しかし、今回の試合はチーフスがオフェンス面でようやく解決策を見出したことを示唆しているように見え、2024年シーズンで最も完成度の高いパフォーマンスとなった。
マホームズは「完璧な状態にまで仕上がった」とコメントしている。
「ハリウッド(ブラウンの愛称)が合流する前に、俺たちはどんどん良くなっていった。ゼイビア(ワーシー)はプレーを改善して自信を高めたし、俺との相性も良くなった。他の選手たちも成長し、プレーを決めるようになった。そこにハリウッドが加わって、全員がそれぞれの役割に最適な形ではまった。それは今日、分かったと思う。正確なスタッツは分からないけど、ボールをうまく回せているように見えたし、みんなもプレーを決めていた。あれだけ多くの武器がそろっていると、ディフェンスが対応するのは難しくなる」
「これからもどんどん良くなっていける気がしている。でも、もちろん、特にオフェンス面では年末に向けて最高のプレーができていると思うし、選手たちも健康を取り戻しつつある。それにはみんなワクワクしている。これからも努力を続ける。これは終わりじゃなくて、始まりに過ぎないし、プレーオフに向けてさらに良くなるために引き続き努力する」
土曜日のタッチダウンランや水曜日にピッツバーグで見せた魔法のようなパフォーマンスからはそのような様子は感じられなかったが、マホームズは負傷した足首のために数週間の休養が必要かもしれない。また、ふくらはぎの痛みでスティーラーズ戦を欠場したディフェンシブタックル(DT)クリス・ジョーンズや、ハムストリングのケガを抱えるベテランオフェンシブタックル(OT)D.J.ハンフリーズにも同じことが言える。
幸いにも、チーフスは休息を検討する権利を得た。11日間で3試合に臨んだチーフスはその期間に3勝0敗、シーズン通算で15勝1敗という成績を収めている。
「それはチームのタフさを示していた。試合が進むにつれて、明らかに俺たちは良くなっていったと思う」と語ったマホームズは次のように続けた。
「みんなはメンタル的にもフィジカル的にもタフだ。優秀なフットボールチームと戦ってきたし、激しい戦いになった試合もあった」
「第1シードは重要だ。プレーオフでの1試合に勝つようなものだから、獲得できてうれしい」
【RA】