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QBテディ・ブリッジウォーターが現役復帰してライオンズと契約

2024年12月27日(金) 11:30


テディ・ブリッジウォーター【NFL】

テディ・ブリッジウォーターが復帰した。

デトロイト・ライオンズが現地26日(木)に現役復帰したベテランクオーターバック(QB)のブリッジウォーターと契約を交わし、アクティブ登録したと発表。

第一報を伝えたのは『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートとトム・ペリセロ、マイク・ガラフォロだ。

ブリッジウォーターは2023年レギュラーシーズン終盤に明らかにしていた計画に従い、今年2月にNFLを引退した。その後はコーチとして新たな一歩を踏み出し、母校のマイアミ・ノースウエスタン高校のヘッドコーチ(HC)に就任。12月中旬にはチームをフロリダ・ハイ・スクール・アスレチック・アソシエーション(FHSAA)ディビジョン3Aで優勝に導いた。

2024年の仕事を終え、受け入れるチームがあればNFL復帰に適したタイミングだと考えたブリッジウォーターは、ニューオーリンズ・セインツとライオンズに所属していた頃からよく知っているライオンズのダン・キャンベルHCに迎え入れられた。

キャンベルHCは木曜日に報道内容を認めた際に「テディとはしばらく連絡を取っていた。可能性は常にあることだった」と報道陣に明かしている。

「テディがあそこでやっていたことも、コミュニティに還元していたことも、みんな知っている。彼らはチャンピオンシップを制した。つまり、指導者としてのデビューはかなりうまくいったということだ。でも、経験豊富な選手をここに迎えることができれば、プロフェッショナリズムのレベルを引き上げ、ベテランの存在感をもたらすことができるだろう。彼はコンディションを保ってボールを投げてきたし、あとは少しずつ慣らしてくだけだ。チームにとっても、ポジションにとっても素晴らしい人材だ」

ブリッジウォーターは引退を決断する前に最後に所属していたライオンズに豊富な経験をもたらすだろう。ミネソタ・バイキングスからドラフト1巡目で指名されたルイビル大学出身のブリッジウォーターは、バイキングスに所属していた4年間で3シーズンにわたってプレーした。2016年シーズンは深刻な膝のケガに見舞われて全試合を欠場し、2017年シーズン終盤に復帰を果たしたが、それがバイキングスでの最後のシーズンとなった。

深刻なケガに見舞われ、フィールド復帰に長い道のりを要したことにより、ブリッジウォーターはその後の数年間でチームを転々とすることを余儀なくされている。2018年から2022年の間に、ブリッジウォーターはニューヨーク・ジェッツ、セインツ、カロライナ・パンサーズ、デンバー・ブロンコス、マイアミ・ドルフィンズに所属し、最終的に2023年にデトロイトにたどり着いた。

ブリッジウォーターとの契約を、ジャレッド・ゴフの控えとしての、キャリア2年目のヘンドン・フッカーの適性を疑問視するものと捉える人もいるかもしれない。キャンベルHCは木曜日にその考えを否定し、次のように述べた。

「フッカーに失望しているという意味ではない。そういうことではない。これは単に、NFLで多くの試合を経験した選手を手に入れるという意味だ。プレーオフに向けて準備を進めているところだから、彼をまたチームに呼び戻すのは良いことだ」

この決断は賢明だと言えよう。2年連続でスーパーボウルの目前まで迫った際に、ゴフが負傷で離脱したとしても、ライオンズは少なくともブリッジウォーターという経験豊富な選手を代わりに起用できる。それにより、ライオンズは経験の少ないフッカーを、今シーズンと最大の目標がかかった重要な場面で投入せざるを得ないという悲惨なシナリオを回避できるはずだ。

キャンベルHCはフッカーについて「彼は成長している。本当にね」と話している。

「彼は毎週少しずつ良くなっていると感じているし、これはフッカーを外すという意味ではない。そういうことではないのだ。タイミングが来れば、フッカーが私たちのためにプレーする。だが、テディもおそらくプレーすることになるだろう」

「どのように見えるかは理解しているが、私たちがこれから足を踏み入れようとしているのはまったく別の世界だし、これは正しい決断だと感じた」

キャンベルHCが語る“別の世界”とは、ライオンズが昨シーズンに体験した世界だ。ライオンズはサンフランシスコ・49ersとのNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームで序盤にリードを築いたが、最後の数分で逆転を許してしまった。ポストシーズンではリスクとプレッシャーが急激に高まるため、最も重要なポジションにベテラン選手を加えられる場合にそうしない理由はない。格言にもあるとおり、準備を怠ることは、失敗するための準備をするようなものだ。

ブリッジウォーターはライオンズに別の利点ももたらす。つまり、ブリッジウォーターは負傷者が相次いでいるディフェンスを練習で強化することができる。ライオンズが負傷者に対応するために選手の入れ替えを余儀なくされる中で、その利点はますます価値のあるものとなるだろう。

キャンベルHCはブリッジウォーターについて「感覚を取り戻したら、ディフェンスの選手たちを試してくれるだろうし、それは練習では良いことだ」と述べた。

「周りの選手たちを少しでも良くしてくれると感じる選手がいるとき、そういう選手をそばに置かないのは難しいし、可能なら仲間に入れたいと感じる」

キャンベルHCとジェネラルマネジャー(GM)ブラッド・ホームズはライオンズに加入して以来、一貫してライオンズに利益をもたらすと感じる選手を加えてきた。フランチャイズにとって歴史的なシーズンにおいて、今回の動きは当然のものだと言えよう。

【RA】