テイラー・スウィフトとの豪華挙式を終えたTEケルシー、チーフスのキャンプは「聖域」
2026年08月13日(木) 10:48
カンザスシティ・チーフスのタイトエンド(TE)トラビス・ケルシーは、トレーニングキャンプを自分にとっての「聖域」と呼んでいる。ミズーリ・ウエスタン州立大学まで北へ向かう静かな1時間のドライブも、約1カ月にわたって大学の寮で暮らしながら得られる一人の時間も、その大切な一部だ。
この夏ほど、そんな場所を必要としたことはなかったかもしれない。
NFL史上屈指のタイトエンドであるケルシーと、世界的なポップスターのテイラー・スウィフトが、豪華な顔ぶれに囲まれて結婚式を挙げたのは、わずか1カ月余り前のことだ。広大なマディソン・スクエア・ガーデンで行われた親しい人たちによる式では、俳優のアダム・サンドラーがサプライズで司式者を務め、スティーヴィー・ニックスがスポーツ界やエンターテインメント界の著名人を前にパフォーマンスを披露。歴史ある会場の外では、一目見ようとするファンがニューヨーク市内の歩道に集まった。
現地12日(水)、キャンプ入り後初めて取材に応じたケルシーは次のように話した。
「結婚式は人生で最高の夜だった。一緒に祝って、楽しんでくれたみんなに感謝している。あの夜について話せるのはそれくらいかな。本当に素晴らしい夜だった」
招待客には、俳優のブラッドリー・クーパー、ゾーイ・クラヴィッツ、ヒュー・グラント、イーサン・ホーク、モデルのジジ・ハディッドとカーリー・クロス、コメディアンのクリス・ロック、映画監督のスティーヴン・スピルバーグらが名を連ねた。NFLからも引退したクオーターバック(QB)トム・ブレイディをはじめ、多くの選手が出席。ケルシーの親友でチーフスのQBパトリック・マホームズら、チームメイトの姿もあった。
スウィフトとケルシーの関係は、ケルシーがコンサートで彼女にフレンドシップブレスレットを渡そうとして失敗したことから始まった。その後、ケルシーがアローヘッド・スタジアムで自分の試合を観戦するようスウィフトを誘い、彼女がそれに応じたことをきっかけに、2人の交際はまるでおとぎ話のように進んでいった。
そして結婚式の舞台となったのが、ケルシーが以前から憧れを抱いていたマディソン・スクエア・ガーデンだった。スウィフトも同会場で何度も満員の観客を前に公演しており、6月にはNBAファイナルのニューヨーク・ニックス対サンアントニオ・スパーズ戦も観戦している。
ケルシーは皮肉っぽい笑みを浮かべながら、次のように語った。
「ニックスが出場するプレーオフゲームにはいつか行こうとずっと思っていたのに、俺がミニキャンプで動けない間に妻が先に行ったんだ。子どもの頃から憧れていたあの会場に立てたのは、すごくうれしかった。プライベートな式にしたいという俺たちの希望を理解した上で、あの機会を与えてくれたMSGのオーナーには感謝してもしきれない」
ケルシーは結婚式以外にも、昨季終了後からさまざまなビジネスに取り組んできた。その一つが、地元クリーブランドのMLBチーム、クリーブランド・ガーディアンズの株式をデイビッド・ブリッツァーから一部取得する決断だった。
一方、マホームズはMLBのカンザスシティ・ロイヤルズの少数株を保有しており、ビジネスの世界では2人がライバル関係になることになる。
それでもフィールド上ではクオーターバックとタイトエンドとして変わらぬ連携を見せており、互いに支え合うことの重要性はこれまで以上に高まっている。マホームズは昨季、シーズン終了につながる膝の負傷を負い、12月に手術を受けた。ケルシーは現在36歳で、10月には37歳になる。若い選手がしのぎを削るNFLで、今も高いレベルでプレーできることを証明しようとしている。
「今でもこのゲームが大好きだし、まだ高いレベルでプレーできると思っている」とケルシーは話した。
「去年よりも高いレベルでプレーできることを、自分自身に証明したい。それが今の俺にとって一番の目標だ」
ケルシーはNFLで13シーズンを過ごす中で、ほとんどのことを成し遂げてきた。スーパーボウルでは3度優勝し、オールプロのファーストチームには4回選出。さらに、過去11シーズン連続でプロボウルに選ばれている。
昨季を前に現役引退を検討したものの、第59回スーパーボウルでチーフスがフィラデルフィア・イーグルスに大敗したままキャリアを終えることには納得できなかった。そのため、もう1シーズン戦うことを決断。全試合に出場し、キャッチ76回、851ヤード、タッチダウン5回を記録した。多くのタイトエンドにとってはキャリア最高の成績になってもおかしくない数字だ。
しかし、チーフスは6勝11敗と苦戦。スーパーボウルでの敗戦を最後に引退しなかったケルシーが、そのようなシーズンを終えたところでユニフォームを脱ぐはずもなかった。
「プレーオフに進めなかったからね。気持ちはすぐに次へ切り替えたよ」とケルシーは振り返る。
もちろん、その後は結婚式の準備にも取りかかった。それと同時に、どのような形であれ現役最後になるとの見方が強い今季に向け、準備も進めてきた。ケルシーは自主参加のワークアウトから参加必須のミニキャンプまで、オフシーズンを通じて常にチームと行動をともにしてきた。暑さと湿気の中で行われるトレーニングキャンプの練習でも、絶えずチームに活気をもたらしている。
「ここはこれからもずっと、俺にとって聖域であり続けると思う。セントジョーには特別な思いがある」とケルシーは語った。
「こういう日々は必要なんだ。仲間と一緒に厳しい練習に取り組み、一日中時間をともにしながら、連携を築いて、自分たちがどう戦っていくのか、その基準をつくり上げていく。そういう時間が必要だ。今年はそれが今まで以上に高いレベルになっている」
さらにケルシーはこうつけ加えた。
「大事なのは、ここまで一緒にこのカルチャーを築いてきた仲間たちとの時間を楽しむことだと思う」
記事提供:『The Associated Press(AP通信)』
【R】



































