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QBトム・ブレイディのドイツデビューで期待が高まるインターナショナルシリーズ

2022年05月05日(木) 05:14

タンパベイ・バッカニアーズのトム・ブレイディ【AP Photo/Jason Behnken】

2022年シーズンがトム・ブレイディのサヨナラツアーになるとすれば、正式に国際的な出来事になるだろう。

11月13日(日)、FCバイエルン・ミュンヘンの本拠地であるミュンヘンのアリアンツ・アレーナで行われるタンパベイ・バッカニアーズとシアトル・シーホークスの一戦で、ブレイディのスター性がドイツで行われる初めてのレギュラーシーズンゲームのヘッドラインを飾ることになる。

短期間の引退期間を経て実現したブレイディのバッカニアーズ復帰はインターナショナルシリーズの新境地を開拓するNFLにとっては決して小さな後押しではない。トム・ブレイディはカジュアルなファン層も知る世界的なスポーツ著名人であり、バッカニアーズのようにスーパーボウル出場を争うチームの試合という点も相まって、ブレイディが出場するとなれば通常の試合以上に大きな注目を集めるに違いない。ニューイングランド・ペイトリオッツ時代にはロンドンで2勝0敗、メキシコシティで1勝0敗をマークしており、3カ国で先発出場した初のクオーターバックとなるのは間違いなく偶然ではないだろう。

NFLは今シーズンまでに40試合のインターナショナルゲームを開催してきた。アメリカのスポーツ界を席巻するNFLが新たな巨大ファン層を持つ市場に進出するにあたり、ドイツは常日頃からNFLのグローバル化においてロジカルな場所だった。

1991年から2007年にかけてNFLヨーロッパに参戦した5つのドイツチームの地元人気もさることながら、駐留米軍や外国人居住者のコミュニティの規模感も大きな要因となり、ドイツはNFLの人気が急上昇しているインターナショナルマーケットだ。NFLが公表している数字では1,700万人のファンと300万人を超えるコアファンがいる。第56回スーパーボウルをライブ視聴したドイツのファンは250万人を数え、ファンタジーを楽しむ人数、マッデン購入者、NFLショップの売上においても北米以外ではトップマーケットなのだ。

ドイツでは今後4シーズンにわたって4試合が開催されることになっており、今年11月ともう1試合がミュンヘンで、残る2試合はフランクフルトで行われる。

バッカニアーズ対シーホークス戦は2022年に予定されているインターナショナルゲーム5試合のうちのひとつで、10月にはイギリス・ロンドンで3試合、11月はミュンヘン以外にメキシコシティでもレギュラーシーズン戦が実現する。ロンドンとメキシコシティはこれまでもインターナショナルゲームが開催されてきた場所だ。NFLはレギュラーシーズン17試合目を追加するにあたり、各チームに対して8年に1回以上のインターナショナルゲーム参加を義務付けると規定している。グリーンベイ・パッカーズは10月9日(日)にトッテナム・ホットスパー・スタジアムでニューヨーク・ジャイアンツと対戦し、ロンドンでプレーする32番目のチームとなる。

NFLのグローバル化は特定の市場におけるマーケティングとファンエンゲージメントの権利をチームに付与するイニシアチブによって、今後の数年間にさらなるビジネス上の後押しを受けそうだ。昨年12月にはバッカニアーズに加えて、カロライナ・パンサーズ、ペイトリオッツ、カンザスシティ・チーフスがNFLのインターナショナルホームマーケティングエリアズというプログラムの一環として、ドイツでそれらの権利を与えられることになった。オーストラリアや中国を含む8カ国で、合計18チームがマーケティングライツを手にしている。

とはいえ、アメリカ同様、競争力の高い試合ほどファンの興味を引くものはない。

シーホークスは超がつくほどコンペティティブなNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)西地区で、ドリュー・ロックをナンバー1クオーターバック候補に、ラッセル・ウィルソン離脱後の新たな時代に突入しようとしている。シーホークスにとってバッカニアーズ戦はディビジョン外の楽な試合とはならないはずだ。ブレイディはもちろん、彼のチームメイトも多く残留するバッカニアーズはNFC屈指のスーパーボウル候補と目されている。レギュラーシーズンが半ばを過ぎたタイミングでスーパーボウル王者にも輝いたバッカニアーズに対する期待が高まる中、シーホークスとの対決はバッカニアーズにとっても耐久性の試練となるだろう。通常であれば、海外での試合を経験したチームはその後にバイウイークを取るため、バッカニアーズの小休憩はシーズン後半にまわってくる可能性が高く、ポストシーズンを目指すチームにとっては好ましいタイミングと言えよう。

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