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TNFを前に先発QBを指名する準備ができていないジェッツHCサラー

2022年12月20日(火) 12:24

ニューヨーク・ジェッツのザック・ウィルソン【Winslow Townson/AP Images for Panini】

ニューヨーク・ジェッツがデトロイト・ライオンズに敗れた前回の試合では、またしてもスリリングな結末が待ち受けていた。しかし、今回に関してはクオーターバック(QB)マイク・ホワイトはほとんど関与していない。

QBザック・ウィルソンはライオンズ戦で、負傷しているホワイトに代わって先発ラインアップに戻った。キャリア2年目の今シーズン、いくつかミスをしながらも、まずまずのプレーを見せてきたウィルソンは、ライオンズ戦でも同じようなパフォーマンスを発揮したものの、試合には敗れ、ウィルソンは直近で先発した4試合のうち3試合を落とすことになった。

とはいえ、ウィルソンはチームがシーズン第16週に勝利するための手段を新たに検討できるほどには十分なパフォーマンスを発揮した。特に、ホワイトが出場できないとなれば、ジェッツは別の選択肢を考えるだろう。実際、ヘッドコーチ(HC)のロバート・サラーは現地19日(月)に、肋骨を負傷して検査を受けている最中のホワイトが練習に復帰したとしても、次回の試合で誰に司令塔を任せるかを発表する準備は現時点でできていないと報道陣に明かしている。

サラーHCは「今回のことについてはタイムラインを設けていない」と述べた。「すべてウオークスルーで先週と同じような感じであり、彼が練習やウオークスルーなど、すべてで許可が下りているのは望ましいことだ。だから、彼は通常通り参加するはずだ」

「だが同時に、先発クオーターバックにはすべてのウオークスルーに参加してもらいたいものだから、私たちは決断しなければならない」

サラーHCはこれまでジェットコースターのように激しくクオーターバックのシチュエーションを変化させてきた。それは時に、通常のファンであれば気分が悪くなるほど目まぐるしいものだったと言えよう。変化を起こす必要があることが明確になるまで、可能な限りウィルソンの起用にこだわっていたサラーHCだが、それに気づいてからはホワイトに先発を任せるためにかつてドラフト1巡目指名を受けたウィルソンをベンチに下げただけではなく、彼をデプスチャートの最下位に落とした。しかしながら、それは長くは続かず、日曜日の試合ではジェッツが自覚している以上にウィルソンを必要としていることが明らかになっている。

そのため、サラーHCは将来に向けて新たな主張をしつつ、公然とウィルソンを支持する方向に転じており、次のようにコメントした。

「悔しいのは、この子が良いクオーターバックになるはずだという点だ。NFLや、私たちが今いるインスタントコーヒーのような新たな世界は、人に時間を与えたくないのだ。つまり、私たちは彼を見て、彼のやることすべてを徹底的にチェックして、いちいちケチをつけている。当然と言えば当然だし、それはそういうものだ。だが、彼は本当に素晴らしいことをたくさんしている」

「だから、彼の良かった点に焦点を当て、それを本当に生かせるように最善を尽くすつもりだ。そして、彼が改善すべき点については、引き続き取り組んでいく」

ウィルソンは日曜日の試合で317パスヤード、タッチダウン2回を記録するなど、質の高い成績を残した。しかし、パスの精度については、今もなおネガティブな視線を集め続けるじれったい要素となっている。ライオンズ戦ではかろうじてパス成功率で50%を上回るような状態であり、相手カバレッジの動きを正しく読めなかったことでお粗末なインターセプトも喫していた。

それでも、ウィルソンはチームに勝利をもたらす可能性があった。ウィルソンはタイトエンド(TE)C.J.ウゾマーに2回のタッチダウンパスを通している。そのうちの1回はうまくデザインされたプレーとなり、40ヤードのタッチダウンにつながった。

ウィルソンが今後もフィールドに立つ機会を得られるのであれば、自らが長期的な先発職を獲得するためにも、チームのプレーオフ進出の望みをつなげるためにも、そうしたプレーをもっと多く見せていく必要があるだろう。

現時点ではまだホワイトに先発を任せたがっているように見受けられるサラーHCだが、ウィルソンと共に試合に臨む準備も進めている。特に、サーズデーナイトフットボール(TNF)のジャクソンビル・ジャガーズ戦が前回の試合から短いスパンで組まれている状況においては、そうする必要があるのだろう。とはいえ、それ以降は何も保証されていない。つまり、7勝7敗となっているジェッツの他のメンバーと同じだけ、ウィルソンにはプレッシャーがかかっているということだ。

「(ジェネラルマネジャー/GM)ジョー(ダグラス)も同じ意見を持っていると思うが、ここで説明しているのは、ドラフトで指名された後、そんなことはどうでもよくなるということだ」と語ったサラーHCはこう続けた。「(シーホークスのHC)ピート(キャロル)から学んだことだ。報酬がいくらだろうが、ドラフト何位で指名されようがどうでもいい。優れていれば、プレーすることになる。それは決して変わらない。決して変わらないのだ」

【RA】