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将来について語るベアーズCBジョンソン、「ハートはシカゴに、マインドはお金にある」

2024年02月05日(月) 11:48

シカゴ・ベアーズのジェイロン・ジョンソン【NFL】

冒険的な2023年シーズンを過ごしたジェイロン・ジョンソンは、極めて重要なオフシーズンを迎えている。

この1年で、一流選手として頭角を現し、契約延長を望みながらトレードを要求していたシカゴ・ベアーズのコーナーバック(CB)ジョンソンは、フリーエージェント(FA)になろうとしている。そして、不確実な未来をのぞき見る中で、感情と理性の板挟みになっているようだ。

現地3日(土)、ジョンソンはプロボウルゲームズの練習の場で『NFL.com』に対して「ハートは間違いなくシカゴにある。マインドは間違いなくお金にある」とコメント。

「つまり、それをどっちも一緒に実現させた上で何かを決められるか考えてみるということだ。これからどうなるか、楽しみにしている」

ベアーズから2020年ドラフト2巡目指名を受け、ルーキー契約を満了したジョンソンは、最高の時期に素晴らしいシーズンを送った。シーズン終了時に、ジョンソンは『Pro Football Focus(プロフットボール・フォーカス/PFF)』のグレードでリーグトップの90.8を獲得。また、長らくカバレッジの達人と見られてきたジョンソンは、カバレッジグレードでもNFL最高の91.0を得ている。

2023年シーズンに初めてプロボウルに選出されたジョンソンは、そのプレーで自分がNFLの一流コーナーバックの1人であることを証明できたと信じている。それゆえ、ジョンソンはそれに見合った報酬を望んでいるのだ。

リーグ屈指のコーナーバックとしての地位を確立したと思うかと質問されたジョンソンは「間違いない。間違いないね」と答えている。

「さっきも言ったように、キャリアを通して、ただただもっと良くなり続けようと思っている」

ジョンソンは2023年シーズンに14試合に出場してタックル36回、パスブレークアップ10回、フォースドファンブル1回、インターセプト4回――ピックシックス1回を含む――を記録。そのインターセプト数は過去3シーズンで記録してきた数(1回)の4倍にあたる。自分にはターンオーバーを誘えるようになる責任があり、それを果たしたことでCBとして完ぺきなパッケージになったことを証明できたと考えているジョンソンは、次のように語った。

「自分に対して唯一、不満に思っていたことはたぶん、ターンオーバーを決められなかったことだ。でも、今年はターンオーバーを生み出せるようになった。俺はいつだって特別なカバーマンだったような気がするから、試合にインパクトを与えたり、空中戦でプレーを生み出したりするのは自分がやりたかったことだし、それをやってのけた。そして今は、俺がボールを奪えることをみんなが知っている。だから、自分に埋められない項目はないと思っている」

ジョンソンは大型契約を期待してもいいはずだ。『Spotrac』によると、ベアーズの2024年サラリーキャップスペースには4,913万ドル(約73億0,052万円)の余裕があり、これはNFLで8番目に多いとのこと。現在は、ジェネラルマネジャー(GM)ライアン・ポールズが絶好のタイミングで素晴らしいシーズンを過ごしたジョンソンに、トップクラスの報酬を誇るコーナーバックが得ている1,800万ドル(約26億7,570万円)から2,100万ドル(約31億2,165万円)の年俸を支払うことに同意するかが問題となっている。

ルーキーシーズンから先発を務めてきたジョンソンはまだ24歳だ。5年連続で勝ち越していないベアーズが2024年にフランチャイズを立て直すことを目指している中で、ジョンソンはマット・エバーフラスHC(ヘッドコーチ)のディフェンスの礎として、その条件を満たしているように見える。

しかしながら、現時点では何も実現していない。

2023年に行われたOTA(チーム合同練習)の序盤で欠席していたジョンソンには、トレードのうわさがつきまとっていた。また、前述したキャリア初のピックシックスに成功したあと、ジョンソンは昇給を求めていると公言し、トレードを要求。その一方で、シカゴにとどまりたいと考えているとも明言している。

7勝10敗のチームで主役を演じたジョンソンにとって、2023年シーズンはウィンディ・シティで巻き起こった旋風のようなものだった。

また、2023年シーズンはジョンソンが先発CBとして確固たる地位を築き、レギュラーシーズンにそのポジションで最高の選手であったことを証明してオールスター戦に出場するまでに成長したシーズンにもなっている。

ブレイクアウトを果たしたシーズンについて「俺はただ台本に忠実だっただけだと思っている」と振り返ったジョンソンは「コンスタントに取り組んで、仕事を続け、集中し続ければ、自分がどういう人間なのか、何ができるのかを世間に知ってもらえると思っていた。つまり、俺はただその機会に恵まれただけさ」と続けている。

今オフシーズン、どこでジョンソンに次のチャンスが訪れるかは、シカゴだけではなく、それ以外の地域でも大きな話題となるだろう。

【RA】