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NFLチーム研究所:Week 23 – ジャクソンビル・ジャガーズ

2017年09月30日(土) 13:10

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フロリダ州北部のジャクソンビルはカレッジのボウルゲーム、ゲーターボウル(現タックススレイヤーボウル)が毎年開催され、崩壊したNFL対抗リーグのWFLとUSFLのチームが本拠とするなどフットボールに熱心な都市として知られる。NFLに関しても1980年代にはボルティモア・コルツとヒューストン・オイラーズの移転をもちかけ、市のリーダーたちが交渉したものの、いずれも破談に終わっていた。それでもNFLチーム誘致の熱は冷めず、1989年にはチーム招致運動グループ“タッチダウンジャクソンビル!”まで結成されたほどである。

そんな中、1991年にNFLは2チームのリーグ拡大を決定、ジャクソンビルの招致活動はさらに力が入り、翌1992年、カロライナ、ボルティモア、セントルイス、テネシーと共に最終候補入りに成功。さらに1年後の1993年10月、カロライナに続き、ジャクソンビルは30番目のチームとしてフランチャイズ権を獲得したのである。こうしてジャガーズはパンサーズとともに1995年シーズンからNFLに参加することとなった。

チーム名は1991年に実施されたファンによる命名コンテストで決定された。フランチャイズ権が決定される2年も前にチーム名が決められるほど、招致に熱心だったのである。ジャガー、アメリカヒョウはジャクソンビルには生息していない。ただ当時北米で最高齢のジャガーがジャクソンビル動物園で飼育されていた。

フランチャイズ権獲得直後、チームのロゴとしてジャンプするジャガーを横から見たデザインのものが発表された。しかし、これが当時『Ford(フォード)』傘下にあったイギリスの高級車メーカー『Jaguar(ジャガー)』がチーム名とともに酷似しているとクレームを入れる事態となったのである。両者は協議の結果、チーム名の使用を認める代わりにロゴを変更することに合意。その結果、ジャガーの頭部を描いたデザインのものが使用されることとなった。その後、ロゴは2013年によりリアルなデザインのものに変更されているがやはりジャガーの頭部が基本という点は変わっていない。

大手靴小売りチェーンのオーナーで、“タッチダウンジャクソンビル!”のリーダーだったウェイン・ウィーバーが初代オーナーに就任することとなった。2012年、ウィーバーは自動車部品製造業で成功していたシャヒド・カーンに7億6,000万ドル(現在の8億2556万ドルに相当)で売却、その座を退いた。

現在もオーナーの座にあるカーンはパキスタン生まれの移民だ。ジャガーズだけでなくイギリスのプロサッカーリーグであるプレミアリーグに属するフルハムFCも所有している。

【渡辺 史敏】

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