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NFLチーム研究所:Week 3 – ニューイングランド・ペイトリオッツ

2017年05月13日(土) 11:53

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ペイトリオッツの歴史は1959年11月16日にAFL8番目にして最後となるフランチャイズ権を、ウィリアム・H・サリバンなど地元の実業家グループがマサチューセッツ州ボストンに獲得したことに始まる。

オーナーグループが最初に行ったことの一つがチーム名の決定だった。公募の形がとられ、数千の応募があったという。その中から74人のファンが投票した“ボストン・ペイトリオッツ”が選ばれた。ペイトリオッツ=愛国者たち、との名はボストンがアメリカ独立戦争の主な戦場の一つであり、独立戦争を戦ったことに対して高い地元意識があることに由来する。

チーム名が決定すると地元紙ボストン・グローブの画家が初代チームロゴ“パット・パトリオット”を作った。パット・パトリオットは三角帽を被り、大陸軍の軍装を着たキャラクターで、長くヘルメットのデカルにも使用された。チームロゴが変更された現在もパットのマスコットは活動を続けている。

1971年、ペイトリオッツはボストンとロードアイランド州プロビデンスの中間、両都市の郊外に位置するフォックスボロに本拠地を移した。これを契機にフランチャイズをマサチューセッツ州やロードアイランド州、コネチカット州などアメリカ北東部の6州が属する地方名、ニューイングランドに改め、現在に至っている。

チームは設立後サリバンがオーナーを務めていたが、ビジネスの失敗から8,400万ドルで1988年にビクター・カイアムに売却された。しかし、そのカイアムも1992年にセントルイスの実業家ジェームズ・オースウェインにチームを売却している。

1993年、新しいオーナーの下、ペイトリオッツはヘッドコーチ以下チーム首脳陣を一新したが、同時に行われたのがチームのイメージ刷新だった。チームのロゴは長く使用されたパット・パトリオットから、ファンに“フライング・エルビス”と呼ばれる大陸軍兵士の頭部をかたどったデザインのものに変更された。さらに基本のチームカラーもレッドからブルーに、ヘルメットの基本色も白からシルバーに変えられている。なお現在のチームカラーはネイビーブルー、レッド、シルバー、ホワイトの4色だ。

ただオースウェインは翌1994年に、1988年からチーム本拠スタジアムのオーナーとなっていたロバート・クラフトに1億7,500万ドルでチームを売却、現在のクラフト・オーナーが誕生することとなったのである。

クラフトはスポーツはもちろん不動産業や製糸業など多角的にビジネスを展開するクラフト・グループのCEO兼会長で、経済誌フォーブスによれば2016年の資産が52億ドルという富豪だ。

【渡辺 史敏】

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