NFLチーム研究所トップ > NFLチーム研究所シーズン2：Week 12 – タンパベイ・バッカニアーズ

1976年にエキスパンションチームとして設立されたバッカニアーズが最初にホームとしたのはタンパ・スタジアムだった。

タンパ市のダウンタウンから北西の郊外に位置する屋外型のフットボール用スタジアムだ。MLBニューヨーク・ヤンキースがスプリング・トレーニングを行うスタインブレナー・フィールドは同じ敷地内にある。バッカニアーズ以前はタンパ大学や北米サッカーリーグ（NASL）タンパベイ・ロウディーズなどが使用し、約4万6,000人を収容できる規模だったが、バッカニアーズ設立に合わせて7万2,000人収容にまで拡張された。その後も増築され、最終的には7万4,000人収容となっている。

1983年シーズンの第18回と1990年の第25回、2回のスーパーボウルの会場にもなった。特に第25回は節目の大会であったうえ、湾岸戦争下での開催となったため、当時としては厳戒態勢での警備や国威発揚を意識した演出などが話題となった。

その後、1995年にマルコム・グレイザーが新たなチームオーナーとなると、スタジアムのネーミングライツも買収し、1996年には彼の持つレストランチェーンに由来したヒューリハンズ・スタジアムに改名。

グレイザーは同時に新スタジアムの建設を要求し、ヒルズボロー郡など地元自治体は同じ敷地内のマイナリーグ用スタジアムのあった場所に新スタジアムの建設を決定。こうして1998年に完成したのがレイモンド・ジェームス・スタジアムである。ネーミングライツを完成前に同じフロリダ州に本拠を置く金融会社レイモンド・ジェームス・ファイナンシャルが13年3,250万ドルで取得し、この名前がつけられた。その後、同社は2028年まで契約を延長している。

約6万6，000人を収容可能なこのスタジアム最大の特徴は北側エンドゾーン後方、スタンド上部に造られた全長31ｍの鉄筋コンクリート製海賊船のレプリカだ。甲板は普段、特別席として試合観戦ができるようになっている。さらにバッカニアーズが得点すると据え付けられた大砲が煙を吐くようになっているほか、敵レッドゾーンに入ると海賊旗が掲げられる演出がされたりもする。

これまで2000年の第35回と2008年の第43回、2度に渡ってスーパーボウルが開催されただけでなく、2020年の第55回には再び舞台になることが決まっている。

【渡辺 史敏】

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