歴代ベストプレー - ヘルメットでミラクルキャッチ!
2017年01月05日(木) 01:27ペイトリオッツ vs. ジャイアンツ
結果:14 – 17
会場:フェニックス大学スタジアム(アリゾナ州グレンデール)
この年、クオーターバック(QB)トム・ブレイディ率いるニューイングランド・ペイトリオッツはレギュラーシーズン16戦全勝。プレーオフで2勝を加えてスーパーボウルへと駒を進めた。一方、QBイーライ・マニング率いるニューヨーク・ジャイアンツは10勝6敗のワイルドカードでプレーオフに進出。劣勢と言われながらも敵地での3試合を制し、大方の予想を裏切っての大舞台出場となった。
シーズンを通して1試合平均37点を得点したペイトリオッツだったが、この試合ではジャイアンツの猛烈なパスラッシュがQBブレイディを苦しめる。第3クオーターまでスコアしたのはわずか7点。しかし、第4クオーター終盤のタッチダウンでペイトリオッツが14対10とリードを奪い返した。
4点を追うジャイアンツの攻撃は自陣44ヤード地点で第3ダウン5ヤード。残り1分15秒。スナップと同時に4人のディフェンダーがQBマニングに襲いかかる。ユニフォームを引っ張られながらもサックを逃れ、山なりのパスをレッドゾーンへ放つ。
ゴール前25ヤード付近でワイドレシーバー(WR)デビッド・タイリーが上へ跳び、片手でヘルメットにボールを押し付ける。そのまま倒れながら両手でキャッチを確定。歴史に残るスーパーキャッチ、通称“ヘルメットキャッチ”だ。
ジャイアンツはこのプレー後、タッチダウンを決めて17対14でスーパーボウルの覇者となった。“ヘルメットキャッチ”は多くの人の記憶に残ることになり、ペイトリオッツのパーフェクトシーズンは夢と消えたのである。
デビッド・タイリーは2003年ドラフト6巡目で指名を受けてジャイアンツに入団後、主にバックアップのワイドレシーバーを務めてきた。2007年レギュラーシーズンの成績は4レシーブ、35ヤード、0タッチダウン。12月には母親が心臓発作で急死し、2試合を欠場している。スーパーボウル前の練習では落球が多く、チームメイトに励まされていたが、この日は第4クオーターで5ヤードタッチダウンパスをキャッチ。奇跡ともいえるヘルメットキャッチで、一躍有名になった。
しかし、翌年には膝のケガで故障者リスト入りしてしまい、2009年にジャイアンツから解雇された後、ボルチモア・レイブンズへ移籍して10試合に出場したが、レシーブは記録していない。スーパーボウルでのキャッチが現役最後のキャッチとなった。引退後、現在はニューヨーク・ジャイアンツの選手育成ディレクターとして働いている。
【文 ハナ・パドル】