ピッツバーグ・スティーラーズのヘッドコーチ（HC）マイク・トムリンがロサンゼルス・チャージャーズに大敗した試合について、単に“調子が悪かった”と述べることでベテランクオーターバック（QB）アーロン・ロジャースを大目に見ることはない。

とはいえ、NFLで最も長くヘッドコーチを務めているトムリンは、現役最年長の選手が21年間のキャリアで最悪のパフォーマンスの1つから立ち直れるかどうかを心配しているわけでもない。

ロジャースの成績はパス31回中16回成功、161ヤードにとどまり、試合終了間際に1回のタッチダウンパスを通したものの、2回のインターセプトを喫した。そのうち1回はワイドレシーバー（WR）カルビン・オースティン三世の手に当たって落ちたものだった。また、サックされてセーフティを献上する場面もあり、その内容は25対10という最終スコアが示すほど接戦ではなかった。

現地11日（火）、トムリンHCは「サンデーナイトはああいう試合だった。だが、彼がそのポジションでプレーする能力や、チームのために高いレベルでプレーする能力について、長期的な懸念は一切抱いていない」と述べている。

トムリンHCは自チームの攻撃陣よりチャージャーズの守備陣が上回っていたと評価したが、自分たちの攻撃が予測しやすいものになり過ぎているとは考えていない。5勝4敗でAFC（アメリカン・フットボール・カンファレンス）北地区で首位に立つスティーラーズが3週連続でトータル300ヤード未満に抑えられているにもかかわらずだ。

その代わりに、トムリンHCは第3ダウンでドライブを延長できなかったことを問題点として指摘している。スティーラーズは今季のサードダウン成功率がわずか36％で、直近3週間では21％（33回中7回）にとどまっている。トムリンHCはワイドレシーバーのD.K.メットカーフがこの間にわずか10回のキャッチで96ヤードにとどまっていることを踏まえ、メットカーフにダブルチームを仕掛けてくるチームにその代償を払わせる方法を見つけるのはコーチ陣の役目だと強調した。

「私たちはD.K.以外の選手を、相手に勝って大きな成果を挙げられるような状況に持っていくことが十分にできていない。そういう選手たちも十分な成果を挙げられていない。その部分を改善しなければならない」とトムリンHCは話している。

スティーラーズはWR陣を強化するための大型トレードには踏み切らず、重要なドラフト指名権を温存することを選択。そのスティーラーズは先週、2度のスーパーボウル制覇経験を持つWRマルケス・バルデス・スカントリングと練習生として契約した。

トムリンHCは、日曜日にアクリシュア・スタジアムで3勝6敗のシンシナティ・ベンガルズと対戦する試合に向け、バルデス・スカントリングがアクティブロースターに加わる可能性を否定しなかった。

いずれにせよ、トムリンHCは攻撃陣がより多くビッグプレーを生み出すことを期待している。スティーラーズは今シーズン、40ヤード以上のパス成功がわずか数回しかなく、しかもそのほとんどはキャッチ後のランでヤードを稼いだプレーだった。

トムリンHCは「攻撃機会を十分に生かせていないなら、ビッグプレーで流れを変える必要がある」とコメントしている。

ドライブを延長したり、フィールドポジションを改善したりすれば、スティーラーズはランニングバック（RB）ジェイレン・ウォーレンにより多くの仕事を与えられるだろう。ウォーレンは直近5試合でタッチ平均5.0ヤードと好成績を残しているが、10月以降はいずれの試合でも20回を上回るタッチ数を記録していない。

「サードダウンで成功すれば、ジェイレンにももっとボールを渡せる。それだけのことだ」と語ったトムリンHCは「ジェイレンはロサンゼルスで良い勢いに乗っていたが、サードダウンコンバージョンを十分に成功させられなかったから、皆さんにはその勢いを感じてもらえなかった」と続けた。

スティーラーズは選手の健康状態が比較的良好な状況で、先月に33対31で敗れたシンシナティ・ベンガルズに雪辱を果たそうとしている。ベテランレフトガード（LG）アイザック・シウマロは胸筋の負傷でチャージャーズ戦を欠場したが、練習に復帰する見込みだ。セーフティ（S）ジャブリル・ペッパーズも大腿四頭筋の問題でチャージャーズ戦を欠場したが、出場可能になると見込まれている。さらに、指の手術を受けたWRスコット・ミラーも、練習復帰の許可を受けている。

記事提供：『The Associated Press（AP通信）』

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