ブラウンズが2029年にブルックパークで開場予定のドーム型スタジアムの起工式を実施
2026年05月02日(土) 11:46
現地4月30日(木)、クリーブランド・ブラウンズのオーナーであるジミー・ハスラムとその家族が、2029年シーズンに開場予定の新しいドーム型スタジアムの起工式を行い、重要な節目を迎えた。
クリーブランド・ホプキンス国際空港の隣でクリーブランド中心部から南へ約15マイル(24km)の場所に建設される、収容人数6万7,500人の施設の工事は始まったものの、解決すべき課題はまだいくつか残されている。
オハイオ州がこのプロジェクトに拠出することを約束した6億ドル(約942億4,501万円)は、集団訴訟の影響で保留されている状態だ。この訴訟では、オハイオ州のスポーツ施設建設資金として州の未請求資産口座から10億ドル(約1,570億7,501万円)を充てる州予算の規定が、政府の用途のために個人の私有財産を取得することを禁じる憲法上の規定に違反していると主張している。
マイク・デワイン知事は2期目を終えて1月に退任するまでにこの訴訟が決着するかどうかは分からないと述べた。
「しばらく続くことは明らかだし、それについては不満を抱いている。私たちにはどうすることもできないが、前進していくつもりだ」と語ったデワイン知事はこう続けている。
「この訴訟には勝てると思っている。確かに時間はかかるし、待っている状況だが、最終的には勝つはずだ。勝てなかった場合、最終的に敗れたとしても、別の選択肢がある。私が最初に提案したのはスポーツ賭博会社に課税することだった。それもまだ実現可能な選択肢だと思っている」
ブルックパーク市は計画されている2億4,500万ドル(約384億8,338万円)の資金調達を依然として承認していない。ディー・ハスラムとジミー・ハスラム、彼らの娘と娘婿によって設立された『Haslam Sports Group(ハスラム・スポーツ・グループ)』が、17億6,000万ドル(約2,764億5,202万円)の費用の大部分と、それ以上の費用超過分を負担している。
ハスラムによると、スタジアムに関する議論は2018年に始まり、当初はブラウンズが現在本拠地としている湖畔のスタジアムを改修することに焦点が当てられていたという。
1999年にクリーブランド・ブラウンズ・スタジアムとしてオープンした現在のスタジアムは、1931年から1996年に取り壊されるまで使用されていたクリーブランド・ミュニシパル・スタジアムに取って変わるものだった。
改修ではなく新しい施設を建設する方が合理的だという考えから、2021年に別の場所に移る案が浮上し始めた。
新スタジアムは住宅やその他の複合施設とともに、かつて『Ford Motor(フォード・モーター)』社の工場が2棟あった178エーカーの敷地に建設される予定だ。
クリーブランド市は最終的に合意に至る前に、ブラウンズがダウンタウンを離れる権利に異議を唱えようとしていた。ブラウンズは2028年シーズン終了後に現在の本拠地の解体費用を負担し、その跡地は湖畔開発に充てられることになる。
新スタジアムは空港の隣に位置するため、地下80フィート(約24m)、地上221フィート(約67m)の高さとなる見込みだ。オハイオ州運輸局は独立したコンサルタントがスタジアムの建設によって飛行経路に変更が生じないとの判断を下したことを受け、空港の地上標高から150フィート(約46m)という高さ制限を免除した。建物には連邦航空局(FAA)が定める標識と照明が設置される予定だ。
「ここに至るまでの道のりは平坦ではなかったが、ここまで来られてワクワクしている。ようやくみんな、これが現実だと実感し始めていると思う」とハスラムはコメントしている。
新スタジアムには折り畳み式の透明な屋根が採用される予定だ。これは、十分な日光を取り入れつつ、シーズン終盤におけるブラウンズのホームゲームの代名詞とも言える寒さからファンを守る設計となっている。
館内で最も注目すべき点は、新しく設けられる“ドッグ・パウンド(熱狂的なブラウンズファンが集まるセクション)”だろう。これは傾斜34度で設計され、60列以上にわたって伸び、巨大なビデオスコアボードのすぐ下まで達する構造となる見込みだ。固定席がない形式で設計されているが、ファンが座りたい場合には折りたたみ式の座席を展開できるようにもなっている。
このセクションはヨーロッパの多くのサッカースタジアムを彷彿させる雰囲気を持ち、ドイツ・ブンデスリーガのボルシア・ドルトムントのスタジアムにある“イエローウォール(黄色い壁)”セクションがモデルとなっている。
ブラウンズとスタジアム設計会社の『HKS』によると、最前列はフィールドから16フィート(約5m)、最後列でもわずか248フィート(約76m)の距離にあり、どのNFLスタジアムよりもフィールドと観客席の距離が近くなるとのこと。また、座席の80%近くが下層席に配置される予定だ。
新スタジアムはNCAA男子バスケットボールのファイナルフォーや大規模コンサート、その他のスポーツイベントの開催候補地になることが見込まれている。
スーパーボウルの開催となると、実現までにはかなり時間がかかるかもしれない。
NFLコミッショナーのロジャー・グッデルは起工式を終えた後、このスタジアムは間違いなくスーパーボウルの開催地にふさわしい施設になると述べた一方で、スーパーボウル開催に必要な客室数の不足など、オハイオ州北東部には他にも解決すべき課題があると指摘した。
グッデルは、クリーブランドではスーパーボウル開催に最低限必要とされる客室数の半分しか確保されていないと見積もっている。一方で、グッデルはクリーブランドが再びNFLドラフトの開催地候補になっているとも述べた。クリーブランドは2021年にドラフトの開催地となったが、当時は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の制限がまだ続いており、収容人数が限られていた。
「本当に重要な課題は、ここでの変革がどれほどのものになるかという点だと思う。空港もホテルも重要だ。そうしたあらゆる施設がスーパーボウルを開催するうえで大きな課題となる。経済効果という点では素晴らしいが、都市が施設の要件を満たすのは容易ではない。そこが最大の課題だ」とグッデルは話している。
また、ブラウンズは小規模なスタジアム建設ラッシュの一翼を担っている。バッファロー・ビルズは今年、テネシー・タイタンズは来年に新しいスタジアムをオープンし、ジャクソンビル・ジャガーズは2028年に改修したスタジアムを開場する予定だ。
記事提供:『The Associated Press(AP通信)』
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