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若手の勢いに注目するジェッツオーナー

2017年05月04日(木) 12:23


ニューヨーク・ジェッツオーナーのウッディ・ジョンソン【AP Photo/Mel Evans】

ウッディ・ジョンソンがニューヨーク・ジェッツのオーナーに就任して以降初めて、若手選手の起用に“GO”サインを出した。

ジョンソンは現地2日(火)、『ESPN Radio(ESPNラジオ)』の中で「望む場所に行きたいのならば、正しい方向へと舵(かじ)を取らなくていけない。これは私がジェッツと関わるようになってからの17年間で初めて。今までに一度もなかったことだ」と明かした。

また、ジョンソンは「チームはロッカールームに若手を増やしていく。ドラフトを通してロースターを強化し、他チームが見落とした若手のフリーエージェント(FA)選手、さらにはドラフトで指名されなかった選手にも焦点を当てていく。アメリカンフットボールをプレーしている選手は本当に大勢いるのだから」とも発言。

チーム再建成功への近道としてはドラフトが最も重要であることは言うまでもないが、過去10年間のジェッツの歴史を振り返ると躊躇(ちゅうちょ)する気持ちも分かる。ジョンソンにしてみれば、チームがここまでプレーオフから遠い存在となったことはない。FAで獲得したベテラン重視のロースターを求めた2012年から2014年、2016年のチーム再建方針がチームの発展を妨げたことは明らかだったはずだ。

残念ながら、『NFL Network(NFLネットワーク)』で解説者を務めるダニエル・ジェレマイアにもジェッツがリーグワーストのロースターであると言われてしまった。ジェッツはセーフティ(S)カルビン・プライアーやディフェンシブエンド(DE)シェルドン・リチャードソンらと袂を分かつ準備を進めつつ、チームの未来を担うであろう選手を育てていくことに注力しようとしている。ディフェンシブタックル(DT)レナード・ウィリアムズはリーグの中でも実力ある守備選手であり、DEムハマド・ウィルカーソンも昨季の汚名返上に燃えている選手だ。ガード(G)ブライアン・ウィンタースもまた、チームと長期契約を交わしたばかりの有望株である。

これらの選手はいずれも27歳、あるいはそれ以下の若手であり、さらに、ジェッツが今オフシーズンにフリーエージェントで獲得した目玉選手のコーナーバック(CB)モリス・クレイボーンも30歳になるまであと3年ある。

2年前に就任したジェネラルマネジャー(GM)マイク・マッカグナンはCBダレル・リービスやアントニオ・クロマティを獲得したものの、ジェッツの底上げには失敗している。マッカグナンGMの前任であったジョン・イドジクはとりわけ、チームのサラリーキャップにスペースを作ることに奮闘し、ドラフトに費やす資金繰りに精を出していた。彼がすぐさま行った改革と言えばこれである。ドラフト上位指名選手が振るわず、チームはレックス・ライアン政権――本質的な問題を一時的に隠ぺいするために短命のベテラン選手たちと契約を交わした時代――に逆戻りを余儀なくされた。現在のジェッツに疑問視されるのは、ジョンソンが自身の発言を最後までやり通すかどうかである。2017年のジェッツが低調であれば、ジェッツがまた過去と同じことを繰り返してしまう可能性はある。だがそうなれば、若手選手たちの気分は害され、彼らの気持ちが落ち着くことはないだろう。

ジョンソンは最後にこう語っている。

「本当のところ、願わくはファン目線で、私がどのように評価されたいと思っているかというと、1年でどれだけの改善を見せられるかどうかだ。チームの各個人をよく見てほしい。1人1人が良くなっていればチームも前進している証拠だ。われわれはそれを目指している」