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かつてないほど強力なWR陣を擁するジャイアンツ

2017年06月21日(水) 12:18


ニューヨーク・ジャイアンツのオデル・ベッカム【AP Photo/Bill Kostroun】

理論上、ニューヨーク・ジャイアンツのワイドレシーバー(WR)陣が昨年よりも強化されているのは明らかだ。同チームではオデル・ベッカムがキャリアの絶頂期を迎え、ブランドン・マーシャルがビクター・クルーズの抜けた穴を補てん。そして、スターリング・シェパードがチームナンバー3のWRとしてはリーグの中でも最も魅力ある選手として君臨している。

そのような見方に対し、ベッカム本人も大きく頷(うなず)いて見せた。

ベッカムは「今シーズンの俺たちが試合でどうなるのか本当に楽しみにしている。相手にとっては間違いなく厄介な存在だろう。特に若いシェプ(シェパードの愛称)はもう十分な実力を備えている。それにTK(タバレス・キングの愛称)だって活躍しそうだ。ディフェンス陣にもかなり強力なメンツがそろっている。今シーズンが楽しみで仕方ない」と『NJ.com』に語っている。

ジャイアンツは基本的に11人の固定メンバーを起用して攻撃を行う。昨シーズンはファースト・アンド・テンが見込める405回の場面中、353回で3人のWR、1人のタイトエンド(TE)、1人のランニングバック(RB)を使ったジャイアンツ。そして彼らに最も多いセカンド、サードダウン(セカンド・アンド・テンおよびサード・アンド・フォー)のシナリオでもその構成に変化はなかった。クルーズの放出とマーシャル獲得は選手の入れ替えとして興味深い。攻撃陣にとっては中間ルートで特に大きな変化が生じ、マーシャルの身長とリーチの長さを考慮すると、クルーズよりも数ヤード分の余裕が持てることになる。

何年もの間、ジャイアンツファンはクルーズとベッカムが同じフィールドに立つことを夢見ていた。2016年になりついにその夢が現実となる瞬間を迎えた時、大ケガを負う以前とは多少動きに違いはあったものの、クルーズは見事に72回のターゲット中39回のレシーブをマークした。今年もまた、ジャイアンツには同じようにうれしい誤算が起きるのだろうか。2015年には109レシーブをマークしたマーシャルも33歳となり、昨年はジェッツでその数字を半分以下にまで落としていた。だが、そんなマーシャルにはこれまでに3試合以上欠場したシーズンはなく、現在の健康状態も万全である。

今のジャイアンツは30歳のプラキシコ・バレス、33歳のアマニ・トゥーマー、27歳のジェレミー・ショッキー(年齢はいずれも当時)がそろい踏みしていた2007年以降でベストのラインナップを敷いており、当時25歳のクルーズ、ハキーム・ニックス、そしてマリオ・マニンガムのトリオがいた2011年よりもさらにダイナミックな攻撃を生み出せると、大黒柱であるクオーターバック(QB)イーライ・マニングも期待する。

WR陣に最強の三本柱を擁する2017年のジャイアンツにはスーパーボウル制覇という大きな期待がふくらんでいる。