レイダース、QBカーと史上最高額で5年契約
2017年06月23日(金) 10:10NFLの最高額プレーヤーがオークランド・レイダースに誕生した。
現地22日(木)、レイダースがクオーターバック(QB)デレック・カーと5年1億2,500万ドル(約139億円)の契約を締結。この契約には4,000万ドル(約44億5,000万円)が満額保証、合計では7,000万ドル(約77億9,000万円)が保証され、さらには1,250万ドル(約14億円)のサインボーナスが与えられている。これは内部関係者の情報を元に『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが報じたものだ。
また、今契約によってこれまでインディアナポリス・コルツのQBアンドリュー・ラックが獲得していたリーグの平均年俸最高額はカーが新たに更新することとなった。
26歳のカーは2度のプロボウル出場を果たし、昨年のクリスマスイブに足を骨折する前までは2016年の年間MVP候補にも選ばれていた。同選手は3シーズンで1万1,194ヤード、81タッチダウン、31インターセプトを記録している。当初からドラフトとトレーニングキャンプの間にこの契約延長を締結させる方向で動いていたカーとチーム側ではあったが、新人契約が期限切れに迫っていたカーが今シーズンのベースサラリーを100万ドル(約1億1,100万円)でプレーする可能性もあった。
ここでマシュー・スタッフォードやワシントン・レッドスキンズのカーク・カズンズが思わぬ恩恵に預かる可能性も出てきている。QBカーのこの超大型契約によって彼らの代理人には契約延長に向けた交渉における新たなスタンダードが構築されたのだ。いかなるQBであっても、カーの二番煎じを希望する者はいないはずだ。
レイダースにとってはかなり踏み込んだものとなったが、いずれは結ぶ必要のあった契約には違いない。カーをチームにとって欠かすことのできない最重要なピースの1つだと理解するジェネラルマネジャー(GM)レジー・マッケンジーは今後、ディフェンス陣における最重要なピースであるディフェンシブエンド(DE)カリル・マックをチームにとどめる方法も練り出す必要がある。NFL最高の守備選手として謳われる同選手はチームのオプションによって2018年までは契約下に置かれている。また、ワイドレシーバー(WR)のアマリ・クーパーの心配はまだ早いものの、注目選手であるガード(G)ゲイブ・ジャクソンがじきに高騰した市場で自身の価値を試す可能性も高まっている。
両サイドが牽制し合う姿は見られるものの、このような契約が最終的に締結に至るのは常である。実力が約束されたスターQBを捨て、市場で新たなQBを探すリスクをとるようなまねはできなかったレイダース。ラスベガス移転も控えた同チームがもしカーとの縁を切っていたとしたら、新天地でのファンの数は激減していたに違いない。
QBカーに故障が起きていなければ、チームが2017年スーパーボウルに出場する可能性を大いに高めた手腕を評価されたマッケンジーGMがエグゼクティブ・オブ・ザ・イヤー(最優秀役員賞)を獲得していても全く不思議ではなかった。当然ながらチームを作り上げるのはたやすい作業だが、カーとの超大型契約にも見られるように全ての戦力をチームにキープすることが首脳陣にとっては最も厄介な問題なのだ。