DEマックはシカゴへ、ベアーズと6年約157億円の超大型契約
2018年09月03日(月) 10:05パスラッシャーの補強を必要としていたシカゴ・ベアーズがリーグ最高峰の選手を手に入れた。
ベアーズは現地1日(土)、オークランド・レイダースとのトレードで獲得したディフェンシブエンド(DE)カリル・マックと6年1億4,100万ドル(約157億円)で契約合意したようだ。これは『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが現場の情報筋の話を元に伝えた内容だ。
守備選手としては史上最高額となった今回の契約には9,000万ドル(約100億円)の保証に加え、6,000万ドル(約67億円)のサインボーナスも付けられているという。マックは7シーズンにかけ、1億5,500万ドル(約172億円)を手にすることとなる。
ラポポートによると、このトレードにともなってレイダースはベアーズから2019年と2020年のドラフト1巡目指名権と2020年の3巡目指名権、2019年の6巡目指名権を獲得し、一方のベアーズはマックに加えて2020年の2巡目指名権と2020年の5巡目(条件付き)指名権を獲得しているとのことだ。
ロサンゼルス・ラムズのディフェンシブタックル(DT)アーロン・ドナルドが先月末に契約を締結したことで、マックも動くだろうと予想されていた。レイダースがドナルドと同程度での契約を結ぶことにためらいを見せた結果、マックは好条件のオファーがあった場合のトレードオプションとなっていた。
ラポポートとNFLネットワークのトム・ペリセロは以前、レイダースはマックの代わりとして2つのドラフト1巡目指名権を欲していると報じており、今回はレイダースがまさにその願いを叶えた形だ。
元年間最優秀守備選手賞の受賞プレーヤーを獲得したベアーズの守備陣は、完全に別物となるだろう。ほとんどゲームから外れないマックは対面する攻撃陣にとって最悪な相手とも言える。レイダースでのマックは4シーズンを通じてサック40.5回、タックル231回を記録し、プレーしなかったスナップ数はわずか44回だ。
マック獲得に恐ろしいほどの代償を支払うこととなったベアーズだが、実際のところ、時代を担うパスラッシャーをその全盛期に他チームから獲得できるチャンスなどほぼないと言ってよい。
ベアーズがマックの要求額に対して積極的に応じようとしたのとは異なり、レイダースにはその気がなかった模様だ。NFLネットワークのマイケル・シルバーによると、レイダースオーナーのマーク・デービスがマックのトレードに関して全く乗り気ではなかった一方で、ヘッドコーチ(HC)のジョン・グルーデンは比較的オープンな構えを見せていたようだ。
先シーズンのパスラッシャー陣はひ弱だったと語ったグルーデンHCは、オフシーズンを通じてマックの重要性についてないがしろにしてきた。グルーデンのロジック的には、マックが契約を延長しなかったとしても、トレードすることでその見返りに複数の代役を獲得できるだろうとの思惑もあったようだ。
今日に限った話で言えば、マックの放出でチームがより良くなることはないが、長い目で見た場合、2つのドラフト1巡目指名権を手に入れ、サラリーキャップにスペースを確保したレイダースは、来たる数年にかけての態勢を整えたことになるだろう。
レイダースにとってリーグ最高峰の守備選手を放出した今回の動きが成功であったか否かはもう少し先の未来に分かるはずだ。
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