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カーディナルスCBピーターソン、「自分はずっとここにいる」

2019年02月01日(金) 12:44

アリゾナ・カーディナルスのパトリック・ピーターソン【AP Photo/Michael Ainsworth】

アリゾナ・カーディナルスの看板選手だったコーナーバック(CB)パトリック・ピーターソンは一度、NFLで唯一知っているチームと袂(たもと)を分かつように見えた。

というのも、アリゾナのチーム状態が良くなかったのだ。今季のカーディナルスは勝率を5割で終えたシーズンから一気に沈み、リーグ最下位となっていた。そして、現在28歳で脂がのるピーターソンには、時間を無駄にしたくない思いもあったのだろう。

しかしながら、今や抜本的な見直しを図ったカーディナルスは、ヘッドコーチ(HC)を守備的なマインドを持っていたスティーブ・ウィルクスからエア・レイド攻撃で有名なクリフ・キングスベリーに代え、守備コーディネーター(DC)にはバンス・ジョセフを就任させた。この流れを受け、現在のピーターソンはアリゾナの地を離れたくなくなっているようだ。

チームの公式サイトによると現地30日(水)、ゴルフトーナメントの『 Waste Management Phoenix Open Pro-Am(ウェイストマネジメント・フェニックスオープン・プロアマ)』に参加していたピーターソンは「シーズンの途中にトレードを要求したりしてみんなには申し訳なかった。自分はずっとここにいる」と述べていたようだ。

リーグトップクラスのCBを挙げる際には必ずピーターソンの名前が言及されるはずだが、その名が忘れられがちなのはチームの低迷が主な原因だろう。ピーターソン自身にもその負の流れは押し寄せ、もともとはトップレシーバーを潰す役割だったピーターソンにはシステム内の一部として働く場面も多くなっていた。

ピーターソンは「自分はそういうタイプの選手だから、オフシーズンには努力したし、レシーバーにつくために練習した」と語り、「その部分でかなり制限されていたけれど、おかげでゲームに出続けられている。それこそが自分に活力をもたらすんだ。日曜日にはまだまだ楽しみなものがあるよ」と続けている。

「去年はその機会がちょっと奪われていたが、今はバンスが来て、ビッドウィルさんも俺に、そのことが本来の守備陣に戻る助けになるか聞いてきた。それが、このオフシーズンのことだ。自分たちは3-4かつハイプレッシャーで、クオーターバック(QB)の手から瞬時にボールを奪いに行くスタイルで、そして、俺が相手のナンバー1レシーバーを潰しにいくという形でそれを実現できるはずだ」

ジョセフDCはデンバー・ブロンコスのHCとしては苦しんでいたが、守備陣による相手QBに対するプレッシャーは効果的だった。ジョセフDCのコーチングの対象はエッジラッシャーのボン・ミラーとブラッドリー・チャッブから、チャンドラー・ジョーンズらへと変わるが、8年間のキャリアで76回のパスディフェンス、インターセプト23回を記録しているピーターソンの才能を効果的に利用することはできるはずだ。

3勝13敗という残念な結果となったカーディナルスが復活を期して踏む最初のステップは、その辺りにあるだろう。チームはピーターソンらを筆頭に、小さな改革を着実に進めていくしかない。

【S】