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オンサイドキックの検討を含む複数のルール変更案

2020年03月11日(水) 15:25

フィールドに置かれたフットボール【AP Photo/Mark J. Terrill】

新団体労働協約(CBA)はまだ承認に至っていないが、他にもNFLの意思決定者たちがこれから数週間で片付けるべき仕事はある。

年次ミーティングが現地3月29日(日)から4月1日(水)にかけて行われる予定であり、通常のメンテナンス作業の他、ルール変更も提案される。接戦の終盤の見方を変えるようなものを含め、4チームが2020年に向けたいくつかの変更案を提示している。

最も大きなルール変更案はキックオフに関するものだ。このゲームにおいて最も危険なプレーを改善すべく、近年、この部分については変更が加えられてきた。それらの変化はオンサイドキックにとっては不利に働き、『NFL Research(NFLリサーチ)』によればチームがオンサイドキックでリカバリーしたケースは、データが参照できる1992年以来で最低の数字である7.7%を記録した2018年を含め、過去2シーズンにおいて10.4%しかない。

リーグは2020年プロボウルで試験的に導入されたルールを検討する構えだ。このルールでは、成功の見込みの薄いオンサイドキックを試みるしかないのではなく、チームが自陣25ヤードでフォースダウン残り15ヤードからのファーストダウン獲得を狙うことも可能にしている。それに成功すれば、チームはフィールドのその地点からポゼッションを維持することができるのだ。

同様のコンセプトは活動休止に追い込まれたアライアンス・アメリカン・フットボール(AAF)で最初に導入され、そのバリエーションが昨年のミーティングでデンバー・ブロンコスによって提示された。自陣35ヤードからの試みを提案したブロンコスの案は、昨年のオフシーズンに却下されている。

今回はフィラデルフィア・イーグルスがこういった試みに関連するリスク増加を避けるためにスタート地点に調整を加えた案を提示している。

この変更を施せば、近年はほぼ失敗すると見込まれていた部分にエキサイティングな要素が加わるだろう。『NFL Research(NFLリサーチ)』によれば、フォースダウン残り15ヤードからのアテンプトは過去10シーズンで60回発生しており、成功を収めたのはその26.7%にあたる16回だった。うち、7回中2回は2019年に起こったものだ。

1年がたち、若干の調整が入った今、こういったルールが通過する可能性は高まっているかもしれない。

他には次のような案が提示されている。

・不必要なファウルを避けるための、ブラインドサイトブロックのルール調整(イーグルス)

・スコアリングプレーとファウルによって無効になったターンオーバー、および成功のいかんを問わずあらゆるトライアテンプトを含めるための、自動リプレーの恒久的な拡大(イーグルス)

・プレシーズンならびにレギュラーシーズンのオーバータイムを15分に変更。また、オーバータイムのコイントスによる影響を最小限にするためのルール導入(イーグルス)

・ディフェンスが前後半の終盤に起こったオフェンシブペナルティを辞退した場合、レフェリーのシグナルによってゲーム時間を開始する選択肢を提供(マイアミ・ドルフィンズ)

・8人目のゲームオフィシャルとして“ブースアンパイア”の導入(ボルティモア・レイブンズとロサンゼルス・チャージャーズ)

・オフィシエイティングクルーを補佐するために、レフェリーにシニアテクノロジーアドバイザーを導入(レイブンズ、チャージャーズ)

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