ピッツバーグ・スティーラーズのクオーターバック（QB）ベン・ロスリスバーガーはファンにリラックスするよう呼びかけた。立て続けに負けてはいるが、今はパニックになる時期ではない、と。

ロスリスバーガーは現地16日（水）に「シーズンはまだ終わっていない」と『ESPN』のブルック・プライアーに話している。「ファンの皆さんには深呼吸をしてもらいたい。今はクレイジーな感じなのは分かっている。だからこそ、深呼吸する必要があるんだ。俺たちにはまだ時間がある。それが俺のマインドセットだ」

スティーラーズは2試合続けて負けを喫しており、戦績は11勝2敗に後退。AFC（アメリカン・フットボール・カンファレンス）のトップシードはカンザスシティ・チーフスに一歩リードされている状況だ。だがここ数週間の失態にもかかわらず、スティーラーズは2017年以来となるプレーオフ進出を確実なものにしている。クリーブランド・ブラウンズが次戦に勝っても負けてもスティーラーズのAFC北地区優勝に影響はない。

ロスリスバーガーは現状について次のように語った。

「俺たちはプレーオフでのチャンスを手にした。ポストシーズンもプレーできる。ここから軌道修正し、最終的なゴールであるスパーボウル優勝に向けて3週間あるんだ。ポストシーズンが明日からという話なら、もしかして俺たちももう少し焦っていたかもしれない。まだクリアすべき課題はある。どのチームも経験する一時的な落ち込みから脱しなければならない。たまたま俺たちは今その時期を迎えているだけのことさ。立て直しは今からでも遅くない」

大惨事が起きたかのように周りが騒ぎ立てるのは、覇気に欠けるビッグ・ベンのオフェンス陣営が原因と言える。

この3週間のスティーラーズの記録は、1試合当たり平均17得点、1アテンプトにつき5.4パッシングヤード、1試合当たり45.3ラッシングヤード、そしてサードダウンコンバージョン率は33.3%となっている。驚くべきことに、これらのスタッツはロスリスバーガーがけがにより欠場し、QBメイソン・ルドルフとQBデブリン・ホッジスが代役を14試合務めた昨シーズンの数字（1試合当たり平均18.1得点、1アテンプトにつき4.7パッシングヤード、サードダウンコンバージョン率34.4%）を下回っている。

スティーラーズの苦戦の責任は、走るスペースを十分に作れていないオフェンスライン、容易にマッチアップされているランニングバック（RB）、パスを落とすレシーバー陣、そして精度に欠けるQBにあると言えよう。

ロスリスバーガーは4試合続けて90.0以下のパサーレーティングとなっており、2008年シーズンに記録した7試合連続以来、キャリアで2番目に長い記録に並ぶ。2010年以降に4試合続いたのは今回が初めてとなる。

『Next Gen Stats（ネクスト・ジェン・スタッツ）』によると、今シーズンのビッグ・ベンは1アテンプト当たりの飛距離が7.0ヤードと、対象となる35人のQBの中で下から7番目に位置する。

スティーラーズの攻撃コーディネーター（OC）ランディ・フィクトナーは、今後の練習ではフィールドの深いところを狙う攻撃に集中すると、木曜日に記者団に話していると『The Athletic（ジ・アスレチック）』が報じた。このようなプレーは避けるだろうという憶測をフィクトナーは否定している。

フィクトナーは「フィールドの深いところを狙うのを恐れていない」と『ESPN』に話した。

今季のダウンフィールドにおける制度の低さは今に始まったものではないが、スティーラーズのオフェンスを制約していることは間違いない。ディフェンスに素早いパスゲームを封じられたスティーラーズは、ボール運びに苦しんでいる。

相手ディフェンスもスティーラーズの不振に適応し、カバレッジを厚くしている。7人以上のディフェンスに狙われ（ブリッツではない）、ビッグ・ベンはこの4週間で思うようにプレーできていない。ネクスト・ジェン・スタッツによると、ブリッツではないディフェンスに対してロスリスバーガーは、被インターセプト5回、パス成功率63.6%、1アテンプトにつき4.8ヤード、パサーレーティング64.4となる一方で、タッチダウンは2回しか記録していない。

幸いにもスティーラーズが次に対戦するのは、NFL内で底辺の座を争うディフェンス陣を擁するシンシナティ・ベンガルスだ。ビッグ・ベンとチームメイトたちがこの不調から脱するには絶好のタイミングと言える。しかしこのマンデーナイトで結果が出せなければ、ファンに落ち着くよう呼びかけたロスリスバーガーの言葉は無視されることになるだろう。

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