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テキサンズQBワトソンがトレードを要請

2021年01月29日(金) 01:59

ヒューストン・テキサンズのデショーン・ワトソン【AP Photo/Charles Rex Arbogast】

デショーン・ワトソンが正式にヒューストン・テキサンズ離脱を要求した。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートは情報筋の話として、テキサンズのクオーターバック(QB)であるワトソンがトレードを求めたと報道。

この数週間、ワトソンがテキサンズを離れたがっていると報じられていたが、正式に要請されるまではすべてのうわさが憶測にとどまる可能性もあった。しかしながら、これでワトソンが昨年9月に1億5,600万ドル(約162億6,000万円)の4年契約を締結したチームでの活動継続を望んでいないことが公になった。

ラポポートをはじめ、NFLネットワークのトム・ペリセロやマイク・ガラフォロによると、うわさが伝えられているさなかも、テキサンズはNFLでもトップのクオーターバックであるワトソンと袂を分かつことを望んでいないと主張していたという。ただ、ワトソンは影響力を持っており、自らの活動を差し控えることでチームに行動を強いることができる。過去にはジャレン・ラムジーやヤニック・エンガーコエ、ジャマル・アダムスらがトレードを強く希望して実現させている。ワトソンが選手の有する権限をまったく新しいレベルに引き上げる。

また、ワトソンは新天地を決めるにあたって自身の希望に沿って決断できるトレード拒否条項を保持している。そのパワーは絶大で、軽視できない。ラポポートはトレード成立前にワトソンが書面で承認しなければならない点を指摘している。

マジックメーカーとも言われる25歳のワトソンについて、トップ5に数えられるクオーターバックを擁していないチームは少なくともリーグの顔の1人を獲得する可能性について検討すべきだろう。

トップ5のクオーターバックが市場に出るケースはまれであり、トレードの費用も天文学的数字になることが予想されるが、ワトソンのような才能を持つプレーヤーを手に入れる上では高すぎる価格はないと主張することもできよう。

テキサンズは一貫してワトソンをトレードする計画はないと主張してきたが、この数週間はチームからの問い合わせが止まなかったようだ。テキサンズの立場はワトソンのトレード要請が公になっていなかったことから、関係を修復できる可能性があるという事実に依存していた。それが正式となった今、その議論は完全に消えた。

ワトソンのトレード要請が報じられたタイミングも無視できない。テキサンズがボルティモア・レイブンズの元アシスタントヘッドコーチであるデビッド・カリーを新ヘッドコーチに起用すると発表した翌朝に、ワトソンがトレードを要請していることが公になった。

カリーの指揮官就任が発表されるにあたり、最初に取り組むべき問題がワトソンの今後になるはずだった。残念ながら、初めてヘッドコーチ職を務めるカリーにとって、その相手はもはやテキサンズにはいないことになる。

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