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ブロンコスがスターLBミラーをラムズへトレード、見返りは来季ドラフト指名権2つ

2021年11月02日(火) 08:50


デンバー・ブロンコスのボン・ミラー【AP Photo/David Richard】

ラインバッカー(LB)ボン・ミラーの過去2週間は騒動に事欠かなかった。最新の動きとして、ミラーはNFLで唯一知っていたチームに別れを告げる。

デンバー・ブロンコスが2022年の2巡目および3巡目指名権と引き換えにミラーをロサンゼルス・ラムズにトレードに出す。『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートとジェームス・パーマーが現地1日(月)に報じた。ラムズが後にこの取引を認めている。

今季に実りあるシーズンを送っているミラーはこれまでにサック4.5回をマークし、クオーターバック(QB)プレッシャー30回はリーグでトップ10のディフェンダーに数えられる記録だ。6試合を通じてミラーはサックが2ケタを超えるペースで来ていたものの、負傷によってシーズン第7週のクリーブランド・ブラウンズ戦を途中退場し、その次のブロンコスがワシントン・フットボール・チームを17対10で下した試合には欠場している。

ミラーは『KMGH-TV』のトロイ・レンクに「先週は近いところまで来ていた。今週のサンデーナイトのタイタンズ戦ではプレーできたらいいな」と話し、感情的になりながらこう続けた。

「俺たちにはいつでも第50回スーパーボウルがある。そこへ出ていくときの写真を見ると、心が乱される。だけど、俺たちにはいつだって第50回スーパーボウルがある。俺の心はいつでもブロンコスカントリーに行けるんだ」

ブロンコスのヘッドコーチ(HC)ビック・ファンジオは月曜日に『KOA-AM』のインタビューの中で、今回のトレードについてこう話している。

「ボンと彼がここでのキャリアの中でしてきたことに敬意を払う。彼は素晴らしい選手であり、最高のチームメイトであり、ブロンコスの偉大なアンバサダーだった。全員が彼の今後の成功を祈っており、私は彼に、個人的に寂しくなるし、多くの選手もそう感じるはずだと伝えた。われわれはここにいる選手たちと前に進んでいく。昨日プレーした選手たちであり、われわれはフットボールゲームで勝ち続けるための道を探していく」

今、ミラーはロサンゼルスに向かい、レナード・フロイドと共にラムズの3-4フロントに強力なエッジラッシングデュオを築くだろう。フロイドはラムズでの初年度だった2020年にブレイクしており、キャリアで初めてサック10回を突破。これからは世代で最も優れたエッジラッシャーの一人であるミラーとコンビを組み、今季これまでに合わせてQBプレッシャー61回をマークしているデュオを形成しようとしている。

もちろん、ラムズ守備陣といえばディフェンシブタックル(DT)アーロン・ドナルド――3度の年間最優秀守備選手賞、6回のオールプロ選出、未来の殿堂入り候補――の存在を忘れてはいけない。

ラムズのジェネラルマネジャー(GM)であるレス・スニードは2年前にシーズン中の大型トレードでコーナーバック(CB)ジャレン・ラムジーを獲得していた。今回、スニードはパスラッシングの部分でチームの強化が期待できるトレードのトリガーを引いており、守備のバックエンドではラムジーのような選手がこれに胸躍らせているだろう。

今のブロンコスはチームとしてややグレーな位置づけにある。3勝0敗でシーズンをスタートしたものの、先月には厳しい現実を思い知らされた。4勝4敗になったブロンコスは今もAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)西地区のタイトな争いの中に身を置いているが、自分たちがどういったチームであるかの定義がいまいちできていない状況だ。今回のトレードによって、32歳のミラーにはタイトル争いに加わるチャンスができた。一方でブロンコスは1億1,450万ドル(約130億7,000万円)の6年契約の最終年にいたベテランと引き換えに価値ある見返りを得ている。

ブロンコスはミラーの貢献を忘れないだろう。その頂点が第50回スーパーボウルでのMVP選出だ。そしてラムズは、2021年の今後の試合でミラーが加わることに喜んでいるだろう。

「全額投入」

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