コマンダースがQBカーソン・ウェンツを1シーズンで放出
2023年02月28日(火) 09:41クオーターバック(QB)カーソン・ウェンツのワシントン・コマンダース在籍期間は1シーズンで終了した。
現地27日(月)、コマンダースがウェンツの放出を発表。今後、30歳のウェンツは3月15日(水)に始まる新リーグイヤーを前にしてチームと契約を結べるようになる。
コマンダースは月曜日、ウェンツに加えてスロットコーナーバック(CB)/セーフティ(S)のボビー・マッケインも放出した。
ウェンツがコマンダースの一員として初めて臨んだシーズンの結果を踏まえると、彼が放出されたことにそれほど驚きはないと言えよう。
2022年シーズンが始まる前にインディアナポリス・コルツからトレードされたウェンツは、コマンダースでシーズン最初の6試合に先発出場し、チームを2勝4敗に導いた。しかし、シーズン第6週に投球側の手の指を骨折したことで長期離脱を余儀なくされ、QBタイラー・ハイニケに先発のチャンスを与えることになった。
ハイニケはチームの2022年シーズンにおける最高のパフォーマンスを引き出し、コマンダースは次の6試合中5試合で勝利。NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)で激しい競争が繰り広げられる中、コマンダースもプレーオフ争いに加わることになった。ハイニケはコマンダースの才能豊かなワイドレシーバー(WR)陣とランニングバック(RB)陣の実力を解き放ち、ヘッドコーチ(HC)ロン・リベラはウェンツの復帰が近づいてもハイニケを先発に指名することに自信を見せていた。
しかしながら、シーズン第13週に無念にも引き分け、シーズン第14週にバイウイークを迎えた後、コマンダースは壁に突き当たっている。ハイニケ率いるコマンダースはシーズン第15週にホームで行われたニューヨーク・ジャイアンツ戦で惨敗を喫したのだ。リベラHCは次のサンフランシスコ・49ers戦の途中ですぐさまQBを交代させる判断をし、健康を取り戻したウェンツに先発の座を取り戻すチャンスを与えた。
その次の週、ウェンツはクリーブランド・ブラウンズ戦で先発に指名されている。ブラウンズとの試合はプレーオフへの望みをつなぐために必ず勝たなければならないホームゲームだった。ところが、ウェンツはシーズン最多3回のインターセプトを喫し、試合には24対10で敗北。その結果、シーズン最終戦では再びベンチに下げられることになった。
シーズン最終戦で先発を務めた新人QBサム・ハウエルは、ホームで実施されたライバルのダラス・カウボーイズとの試合でチームをエキサイティングな勝利に導いた。シーズン終了後、2023年オフシーズンを迎えるにあたってはハウエルがコマンダースの1番手QBになる可能性が高いとリベラHCは語っている。
その言葉にはウェンツのワシントンにおける運命が暗示されていた。ベテラン選手のウェンツはまもなく3シーズンで3つ目のチームに移ることになるだろう。フィラデルフィア・イーグルス時代は、結果的にケガで欠場を余儀なくされたとはいえ、チームをスーパーボウルに導き、MVP候補にもなっていたウェンツ。2度のトレードを経験したウェンツは2シーズン連続で成功をつかめないでいる。
【RA】